梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之旅日記’07 『ハーブ、芝居、そして川床』

2007年09月18日 | 芝居
(8月19日 記でございます)

お休み1日目は、《布引ハーブ園》から始まりました。
新神戸駅からロープーウェイで世継山を登ったところにあるこの施設は、様々なハーブが栽培されておりまして、花を眺め、香りを楽しむことができます。日頃ハーブティーを愛飲している私ですが、お世話になっている草花たちが、実際どんな姿で生えているのかは全然知らなかったので、とても面白く園内を回ることができました。
レモングラス、セージ、タイム、マロウ、カモミール…。どの植物も手に触れてよいので、葉を軽くもんで香りを確かめることができました。いつも使っているドライハーブの状態とは違った、瑞々しい新鮮な香気に、すっかりリフレッシュできました。

花盛り、とまではいきませんが、花が咲いている草もいろいろありました。


ガラニチカ・セージ。花の香りが強く、クマンバチがいっぱい寄ってきていて怖かった…。セージは種類がたくさんありますが、殺菌作用がございます。



エキナセア。<天然の抗生剤>といわれ、風邪に対する免疫強化に優れています。私は、冬場はいつもこのお茶を飲んでいます。



これはハーブではないですが、ムラサキシキブ。大好きな植物のひとつです。

…布引といえばお芝居の外題にもなっている<布引滝>。もちろんロープーウェイから眺めることができました。


ちょっと水量が少ないようにも見えましたが、いつもこんな感じなのかな? 大昔(それこそ源平のころ)はもっと立派だったそうですね。

                     ☆


さて、ハーブ園でおおいにリフレッシュしたあとは、阪急電車で京都に出まして、南座での新派公演を拝見いたしました。
北条秀司 作『片恋』と、八木隆一郎 作『女の決闘』の2本だて。先日『苫舟の会』でご一緒させて頂いた川上やよいさんもご出演で、御挨拶と先日の御礼ができました。
祇園祭の宵。手紙の渡し間違いが引き起こした、田舎女のかなわぬ恋のひと騒動『片恋』と、1人の男を取り合った挙げ句、喧嘩別れしっぱなしだった女同士が、天橋立の温泉旅館で数十年ぶりに再開、お互いが抱えてきた秘密、思いが明かされゆく『女の決闘』、どれも1時間弱のひと幕もので、午後4時開演でも6時半には打ち出しというのがいいですね。『片恋』に飯炊き婆で客演の千草英子さんに抱腹絶倒。すっかりその役を<生きて>らっしゃり、自然体そのもの。こういう芸境に達するまで、あとどのくらいかかるかな…。

夕食は団栗橋のたもとのイタリアン割烹<スコルピオーネ 吉右(きちう)>へ。この時期ならではの<床>での食事です。ぶつ切りの海老をたっぷりのせたパスタは、ソースの旨さがしっかりからんで、思わずおかわりしたくなったほど。メインの鯛と魚介のスープ煮も、鯛自体の味も十分活きていて大満足でした。今年の暮れも京都ですから、またお邪魔しようっと!


そんなこんなで1日目。そのまま京都に居続けで2日目を迎えますが、それはまた、上の記事で…。