梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

今日でおし「まい」

2005年04月25日 | 芝居
昨晩の同期会、終電ギリギリまで大いに楽しく過ごしました。それほど量は飲まなかったので、舞台に影響することも無く、本日無事に、千穐楽を迎えることができました。
「主なし」でしたから、師匠の荷物の片づけ等も無く、しかも来月も同じく歌舞伎座の出演ですので、自分の荷物も軽くまとめるだけですみ、楽なものでした。
振り返りますと、地震や反日デモ、そして今朝がたの尼崎の列車事故と、世間ではなにやら不穏なひと月ではございましたが、舞台は連日満員、有り難いことでございます。くだんの道成寺『舞尽くし』では、日を追って面白ネタが増えまして、お笑いのネタから「マイケル」、また「ドングリの舞」と称して、童謡「ドングリころころ」を歌いながらでんぐり返りをしたり、「マツケンサンバの舞」ではお客様の手拍子がおこったり、「今様舞とは、現代でいうところの演歌でございます」とて、氷川きよしや美空ひばりの歌を振りつきで歌いだしたり、今日などは、俗曲「山王さん」を歌いながらの「猿の舞」の最後でバク転まで飛び出しまして、これにはお客様も、そしてなにより出演者も度胆を抜かれておりました。
また『トウ尽くし』では、「宅急便ならクロネコヤマト」「通信販売ジャパネット」、すさまじいのは歌曲『ます』を歌い上げて「シューベルト!(作曲者)」、文字に表せない呪文を叫んで「御祈祷!」…。
楽屋のモニターから聞こえてくるこれらのギャグ(もうこうなったらギャグ、といっていいでしょう)に、毎日笑わされました。
さて、明日からは『野田版・研辰の討たれ』の稽古です。休む間もなく、すみだパークスタジオへ稽古に参ります。明日は三時からなので、その前に、向島百花園にでも散策に行こうと思います。
明日からはしばらく、稽古場だよりになりそうです。