梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

本日中日

2005年04月13日 | 芝居
今日十三日は、一日から始まり二十五日に終わる公演の丁度まん中の日。この日を幕内では「中日(なかび)」と呼び、節目の日となっております。
楽屋内では、舞台稽古の日から着ていた浴衣、単衣の着物を、新しいものに取り替えます。
また中日祝儀といって、衣裳さん、床山さん、狂言作者さん、口番さん(楽屋の玄関に待機し、履物の管理、舞台裏の雑用をしてくれる係)などに、祝儀を渡します。幹部俳優さんは個々に、名題下俳優は「名題下一同」としてまとめていたします。
また我々も、幹部俳優さんに、立ち回りで搦んでいたり、駕篭かき役で駕篭に乗せていたり、舞台上での仕掛けの介錯や、鳥、虫の鳴き声などの擬音を勤めておりましても、関係する幹部俳優さんから祝儀を頂きます。
中日祝儀には「いままでご苦労様。あと半分よろしくね」という意味がこめられているのです。
いよいよ折り返し地点にきました。残り十二日。無事にひと月を終えられるよう、気を引き締めてまいります。