梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

さて来月は

2005年04月19日 | 芝居
「四月大歌舞伎」も残すところ一週間となりました。久しぶりの女形とも、もうすぐお別れです。
来月も歌舞伎座出演です。十八代目中村勘三郎丈の襲名興行も、東京ではファイナルとなります。
この公演では、昼の部三演目めの『弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)』に、「猿若座の出方」役で、そして夜の部の最後『野田版・研辰の討たれ』に「迷彩黒衣」役で出演することに決まりました。『弥栄~』の「出方」というのは当時の劇場従業員のことで、この一幕は、猿若座という劇場の前で、幹部俳優さんが扮する男伊達、女伊達が勢ぞろいし、新勘三郎丈へお祝いの言葉を述べる、口上代わりのセレモニー芝居です。
そして『野田版~』の黒衣。ただの黒衣ではございません。「黒は無を表す」が歌舞伎の常識なら、それを現代へ転換すれば「迷彩色」!まるで兵隊のような柄を身にまとい、いろいろな仕事をするのです。
この「迷彩黒衣」役(役、というのも変な気もしますが)、じつは平成十二年の初演でも勤めさせて頂きました。その当初から、当時の勘九郎丈は「この芝居は勘三郎襲名できっと再演するからそのときは初演のメンバーでやりたい」とおっしゃっておりました。今回その言葉通り、ほとんどのキャストが初演と同じ。私もその中に加わることができました。
このお芝居にはいろいろ思い出がございます。また改めて、お話させて頂きます。