タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

これなら納得です~2

2020年06月15日 | 山歩きから
青春のころ「アラインゲンガー」と言うドイツ語が好きでした。単独行者のことです。

タカ長のイメージでは、日暮れ時に深い谷すじの道を行く単独行者。チョッと暗いイメージを感じていました。

そのイメージに惹かれたわけではありませんが、単独で山を登った経験は多々あります。自分のイメージ通りの登山が出来る、誰かと時間調整をする必要がない、と言うような多少わがままな理由からです。

    

当たり前のことですが、山は好天ばかりではありません。

未知の山に登るときはいつも緊張します。天気が悪くて、そのうえ午後の時間だったりすると、いつも以上に怖さを感じていました。

山に登るとき怖さを感じるのは普通のことかも分かりません。単独行のときはもちろんですが、グループ登山でも同じだと思います。

特に冬山のように厳しい山を前にした時、自分でたてた計画が怖くなり、その計画から逃げ出したいと思ったことは何度もあります。

悲観的に準備するからそのような気持ちになるのでしょうが、その怖さに負けていたら山に入ることさえ出来ません。

    

山を目指す時、怖がることを忘れると、人は命を落とします

でも、恐れすぎると、喜びも仲間と健闘を称え合うこともありません
               
                         日本山岳医学会代表理事・臼杵尚志


この感覚はヒマラヤの高峰を目指す登山者も、タカ長レベルの登山者も同じだと思うのです。

    

直近の例では先月末に登った毛無山。
山頂から未知のルートを下りることにしました。
ここでトラブルを起こすと前進できなくなります。未知のルートを進めば進むほど退路が長くなります。そのような恐れを胸に、とにかく無事に下山しました。

その怖さに負けていたら未知のルートを歩くことは出来ません。無事に下山したときの達成感を感じることも出来ません。

あの感覚は、少なくともマジメに山と向き合っている人には共通なものだと思います。

    

タカ長の独断かも分かりませんが、最近は山を恐れない登山者が増えているような気がします。
そのことが山での事故増加の下敷きになっているように感じています。