タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

マレーシアの豪華リゾートで

2019年06月29日 | 日々雑感
北九州市の鳥友がバリ島で行われるARRCN(アジア猛禽類ネットワーク)のシンポジウムでポスター発表をします。

それまでには色々クリアしないといけないことがあり、いま悪戦苦闘しているようです。

ひと言でいえば言語の問題です。英語の問題です。

そのことで相談を受けました。タカ長に英語の相談なんてお門違いもはなはだしいのですが、タカ長には英国人の友だちがいるので、彼に相談すれば何とかなりそうです。

何といっても彼は本場イギリスのバーダーですから、何とかしてくれるはずです。

    

彼女からの相談を受けながら、2007年のマレーシアを思い出していました。

ぼんくらホークウォッチャのタカ長ですが、それでも海外でタカの渡りのプレゼンをした経験はあります。

それがこのマレーシアのリゾートホテルで行われたイベントです。

海外ですからすべて英語でのプレゼンです。つたない英文を書いて、それを件のバーダーにチェックしてもらい、紙が赤くなるほど直されてものを現地で読んだだけです。

その出だしです。

Selmat bahagia. スラマッ バハゲア
Nama saya 〇〇〇. ナマサヤ 〇〇〇。(名前)
Saya berasal dari Hiroshima,Jepun.
   サヤ ブラサル ダリ ヒロシマ、ジュポン
Saya datan ke Malaysia untuk melancong
   サヤ ダタン ク マレーシア ウントウ ウランチョン
And for bird watching.

It is my pleasure to talk about raptor migration and the activities of our group.
Thank you to Kim Chye-san and all of the MNS members for giving me this opportunity to talk.

I have been watching raptor migration mainly in Hiroshima
with the other members of our group.


冒頭のマレー語はどのようにしたのか、忘れてしまいました。

    

そこは海のそばのリゾートホテルで、少し歩いて灯台まで行けば、スマトラ島からマラッカ海峡を渡ってくるハチクマを見ることが出来ました。

そこで現地の人たちと観察したり、タカ以外の小鳥類を見たり、とにかく楽しい滞在でした。

わざわざ広島から参加したのが珍しいのか、現地のプレスから取材を受けました。そのようなことがあったら、イベントに出店している日本の光学メーカーのブースに助けを求めるよう事前に聞いていました。

タカ長には現地の人が話す英語がまったく理解できないのです。

事前にそのブースを訪ねてみたら、そこにいたのは現地のスタッフばかりでした。困ったことになりました。しかし、

そのあと突然現れたプレスの人はとてもきれいな英語を話す人でした。

    

このようなホテルに滞在するとさぞかし高価だったと思われるでしょうが、、、、

グループで行ったので、一人当たりにすれば思いのほか安い料金でした。

いま北九州市の鳥友は悪戦苦闘中ですが、何が何でもやり遂げるようハッパをかけています。

今ではタカ長などより高いところを羽ばたいている彼女の、さらなる発展を願っているからです。

もちろんタカ長よりずいぶん若くて、とてもファイトのある人なので、きっとやり遂げてくれると信じています。

   

暑くなる前に

2019年06月28日 | 山歩きから
昨日の予報より天気が良かったのは良いのですが、、、、

午後には急に気温が上がり、室温が30℃くらいになりました。これでは「青菜に塩」状態、、、、

これからこのような日が続くのかと思うと気が重くなります。これだけはボヤいても仕方りませんが、、、、、。

    

気温が上がる前に裏山を歩いてきました。

何やらゴソゴソ作業をしている男性軍と分かれて、8名で50番鉄塔に登りました。

通いなれた道です。誰でもトップを務めることができるコースです。

    

色々な事情でチョットだけ止まることはありましたが、今日のトップは私たちには丁度いいペースで登ってくれました。

    

後をついて行くタカ長の耳は鳥の声に注目、、、、、。

2ケ所でサンコウチョウの声を確認しました。どちらも近くからですが、残念ながら姿は見ることが出来ませんでした。

    

ゆっくり、1時間以上かけて50番鉄塔に登りました。

登りながら北アルプスの合戦尾根を登ったことを思い出していました。ピッチとしてはあれと同じだったので、いいペースづくりだとお褒めの言葉をあげました。

天気は思ったより良かったのですが、風がありませんでした。上に登ったらムッとする感じです。

そのため記念撮影を済ませるとすぐに下山開始。

    

    

この中には植物に詳しい人もいるので、何やら話をしていました。

話をしたり、鳥が鳴いたら止まったり、下りものんびりです。

    

それでも10時半には登山口まで下りてきました。

暑い時期ですから、この程度の山歩きでも十分です。

帰宅して、シャワーを済ませ、いい気持になっていたら急に気温が上がり、青菜に塩状態になった、という次第です。

何だかごまかしみたいな登山ですが、暑い時期はこれで十分です。

ただ、できるだけ休まないようにしようと仲間たちに声かけしています。

少しだけでも涼しい時間に歩く、近くにフィールドを持っている強みを生かさないといけませんね。


雨の季節

2019年06月27日 | 日々雑感
昨日梅雨入り宣言があった広島地方、今日は朝から雨です。

天気予報を見ると、この先一週間は傘マークが見えます。ジメジメした天気が続くのでしょうか?

このような日は気持ちも沈みますが、いいこともありました。

ある人に団地の広報紙を見てもらったら、親切な返事がきました。その人はタカ長の子ども世代の人で、読みやすい印刷物をデザインする専門家です。

その専門家から指摘されたことを勉強して、もう少しいい広報紙を作るつもりです。

何かを勉強するつもりでアンテナを立てていたら、このような情報もキャッチできました。

有難いことですね。

    

この時間、雨脚が強くなりました。気にするような降り方ではありませんが、梅雨本番を思わせます。

いつも思うことですが、人間と言うものは勝手なもので、雨が降らないと水不足が心配だから降ってくれと願い、、、

その雨が降ってきたら、一日もしないうちに、鬱陶しいと不満を口にします。本当に困ったものです。

    

山を歩く日は晴れてほしいのですが、本当に晴れたら、、、、、、

花の写真を撮るときは、これでは晴れすぎだと文句を言っています。自然のなせることは自分たちの思い通りにはならないと分かっていながらこのざまです。

    

雨の日は山友のブログを見ながら山歩きのヒントを探したり、パソコンで音楽を聴いたりしています。

その音楽ですがクラシックのようなものではありません。軽い曲です。

今朝は「月の砂漠」を何曲か聞きました。

誰もが知っている曲で、多くの人が歌っています。タカ長がきにいっているのはこの月の砂漠です。

古い動画で画質も悪いのですが、何となく気にいっています。

    

雨の季節といっても毎日降るわけではありません。

明日は曇り予報ですから、裏山歩きは出来るはずです。降ったとか暑いとか、そのような勝手は言わないで、せめて週3回くらいは山歩きをするつもりです。

その時のフィールドはもちろん裏山です。

雨の季節ですが、裏山歩きだけは忘れないようにするつもりです。


熊城山を下りて

2019年06月26日 | 山歩きから
中国地方が梅雨入りしたとの報道がありました。

平年より19日も遅い梅雨入り宣言です。その梅雨入り前の昨日、熊城山(くまのじょうさん~997.4メートル)に登りました。

その軌跡です。

     

車で行けるところまで行き、左上の山頂のまわりのループを反時計回りに歩きました。

そのような横着登山をしたのは、せんじ詰めれば里山キング申請用の写真を撮るために登ったからです。

その熊城山ですが、ガイドブックによると「山頂直下の岸壁がクマでも住みそうな城壁に見えることに、その名の由来がある」と書かれれています。

地図を見ると確かのそのような表記も見えますが、タカ長はその岩壁を確認していないのでコメントできません。いずれにしても山城の址ではないようです。

    

この山には何度か登っていますから特別な感慨もありません。

ただ、昨日感じたのはこの山を歩く人が少なくなっているのではないか、と言うことです。もともとマイナーな山ですが、昨日はそのことを強く感じました。

    

その山をのんびり登山です。

花を観察している人もいれば鳥を見ている人もいます。タカ長はマクロレンズで花の撮影です。

車で歩く距離を短縮したので、早い時間に頂上に着きました。どこが頂上か、表示がないと分からないような森の中の山頂です。

そのため記念撮影を済ませたらすぐに下山開始です。なだらかな下り道を歩きながら、裏山歩きをしている仲間に電話したら、あちらは16名の参加でした。

    

そのあとテングシデの群生地に行きました。ここでやっと11時過ぎです。

少し早いですが、他に適当なところがないので、ここで昼食タイムとしました。

そのテングシデの群生地ですが、これまでとすっかり変わっていました。

    

    

テングシデそのものは変らないのでしょうが、まわりの木が伐採されていたり、強間伐がされており、すっかり明るくなっていました。

このような明るい環境がテングシデに適しているのかどうか、そのようなことは何も知りませんが、あの場所に何度か行った人は戸惑われるのではないでしょうか?

    

と言っても、毎年のように言っているわけではないので、責任あることは言えませんが、まわりの木が伐採されて雰囲気が変わったことは事実です。

    

    

国の天然記念物に害がおよぶようなことはされないはずですから、これで良いのでしょうが、タカ長としてはどこかから天狗様が出てきそうな、もう少し暗い雰囲気が好きです。

テングシデの幹や枝はご覧のようにくねっています。その様子を撮るのは落葉期、雪が降るころ撮るのが良いと誰かが言っていました。

しかし、雪道の運転は好きではないので、そのような風景は見たことも撮ったこともありません。

いくら良いと言われても、雪の時期に行くほどのファイトはありませんね。この歳になると無理は禁物です。





電子書籍

2019年06月25日 | 日々雑感
6月25日は色々な予定があるので、「予約投稿」しておきます。

この記事がアップされるころは山を歩いています。

     

もうずいぶん前のことですが、アマゾンのタブレットを買いました。

このタブレットはアマゾンの商品を買わせるためのものみたいですが、それでもこれ一つで色々なことが出来るようです。

しかし、もともとタブレットとかスマホとかに縁のないタカ長、このタブレットについて勉強したことはありません。

我流で出来ることを少しやるだけ、という状況です。

その「自分で出来ること」でいま一番重宝しているのが、このタブレットで読書できることです。

    

その本ですが、新しいものはそれなりの価格ですが、このタブレットで読む本、電子書籍というのでしょうが、その価格が0円というものがかなりあります。

山関係でいえば、先人の登山記など0円で読める本はたくさんあるようです。この本や加藤文太郎の「単独行」も0円で購入しています。

今はほとんど読みませんが、文学全集など0円のものがたくさあります。夏目漱石全集とか宮沢賢治全集といったものです。

先日紹介した山折哲雄先生の難解な本に宮沢賢治の「なめとこ山の熊」という物語のことが書かれていました。タカ長には聞いたこともないような物語ですが、その物語もタブレットで簡単に読むことが出来ました。



  

この本は少し奮発(?)しました。99円て購入したものです。

この価格なら拾い読みくらいでも損した気分にはなりません。

     

0円の全集物などたくさん購入していますが、ためには金を払うつもりで先ほど「ワンクリック」した本です。

ポイントの精算がされて、実質的な支払いは274円でした。他の本も買いましたが、いずれにしても紙の本よりずいぶん安く買えます。

というか、安く買える本だけ選んでいます。その結果、タカ長の狭い部屋には入らない(?)くらいの本を、8インチのタブレットひとつで読むことが出来るようになりました。

何ごとにも長所、短所はありますが、安価でたくさんの本に接することができるこのタブレット、電子書籍にも慣れてきたので、これからは積極的に利用したいと考えているところです。




この光は貴重?

2019年06月24日 | 山歩きから
    

裏山の北の方向にはこのような雲が出ていました。しかし、もちろん晴れです。

広島地方はまだ梅雨明け宣言が出ていませんが、天気予報を見ると今週の半ばらか傘マークが連続しています。

ということは、そのころ梅雨入り?

そうだとしてもかなり遅い梅雨入りになります。

    

暑くなったと言ってもこの程度の暑さなら、暑いのが嫌いなタカ長でも問題ありません。

歩く距離を短縮する必要もありません。裏山歩きなら普通に出来ます。

ということで、今朝は桜尾根を登って障子岩に行きました。

    

その障子岩、まわりの木が成長して視界が少しずつ狭くなってきました。

そうするとタカの渡りが見えなくなる、と心配したこともありますが、いまは気になりません。いいところを見つけたからです。

そこまで登れなくなったら、タカの渡り観察は開店休業になるでしょう。

    

安芸の宮島の向こうに見える周防大島はよく見えました。

しかし、運が良かったらここからでも見える石鎚山は確認できませんでした。

      

ここで記念撮影。灌木に埋まりそうです、と言うのはウソです。少し腰を下ろして撮りました。

しかし、背景に安芸の宮島を入れるためには背の高い三脚が必要です。

間違いなくまわりの木が茂ってきているのです。

    

    

今日はこのような、新緑の向こうの光を撮りたかったのです。

しかし、裏山の森には倒木が多くて、いいアングルを見つけることが出来ませんでした。

        

何の写真か分からないでしょうが、桜尾根と名づける決め手にもなったヤマザクラの大木です。

巨樹、巨木とはいいがたいのですが、かなり立派な木です。しかし、まわりが人工林なのでまったく目立ちません。

    

のんびりと歩いても、休憩時間を含めて3時間足らずの裏山歩きでした。

今の時期なら、タカ長には丁度いい裏山歩きです。

森の中の光を感じながら歩いた、気持ちのいい裏山歩きでし

工兵隊の出動

2019年06月22日 | 山歩きから
この時間、晴れています。昨日の予報のイメージよりはいい天気です。

しかし、今日は休養日です。

連チャン、休み、連チャンでは山歩きが少し多いようです。暑い時期なので無理は出来ません。

    

昨日の裏山歩きです。いつもの駐車場に22名集まりました。

いつもの時間に出発しますが、いつもと雰囲気が違います。スコップを持った人がいます。小さなバールを持った人もいます。

    

それらの人が中国自然歩道コースに入りました。そう、今日は私たちの工兵隊が活動する日です。

最初の現場はオオルリ沢です。

    

倒木が流れを変えて、向かって右側ののり面をけずるようになり、昨年の雨で少し崩落しました。

そのため自然歩道も少し崩落。その崩落個所は前回修復しましたが、雨の季節を前にオオルリ沢の流れをもう少し良くしよう、と言うのが第一の現場です。

あの倒木は人の力では取り除けませんが、皆さんが協力して水道を広くしました。

    

写真では分かりにくいのですが、水の流れはずいぶん良くなりました。

これで、通常の雨なら流れがのり面をけずることはないはずです。

    

その作業が終わる前に次の現場に行きました。自然歩道が崩れかけているところです。

タカ長が着いたとき下準備は出来ているようでしたが、作業は工兵隊の隊長(誰が隊長か知りませんが、、、)が来てからになるよです。

いずれにしてもタカ長は戦力外ですから、自然歩道をもう少し歩きました。

    

このナベワリを撮ったり、、、、

    

ミズタビラコを座りこんで撮影したり、、、そして、、、、

    

このようなものも撮りました。といっても何かわからにでしょう。

しかし、この写真の一部を思いきりトリミングすると、、、、、

    

オオルリが見えますね。鳥撮りの準備が出来ていないときに限って鳥が現れるのです。

仕方なくマクロレンズのついたデジイチで撮ったらこのようになりました。

    

タカ長が現場に帰った時には作業は終わっていました。仕事は人の数、多いほうが良さそうです。

    

    

その作業を仲間が撮っていました。もちろんのことですが、タカ長はどこにも写っていません。

皆さん、力を合わせて頑張ったようですね。

    

作業が終わって記念撮影です。

誰とは言いませんが、一番活躍しない人が一番目立っているようですね。

    

作業が終わって渡り初め、、、、ではなくて、通り初めです。

わが工兵隊は優秀ですから、誰が通ってもビクともしません。

このあと「カフェ46」に行っておしゃべり会をした後、いつもの駐車場に帰りました。

皆さんお疲れ様でした。この日の打ち上げ会はありませんが、、、

次は「夏の園遊会」を皆で楽しむことにしましょう。



エゴのきわみ

2019年06月21日 | 日々雑感
      

昨日の記事の続きみたいなものです。以前読んだ「クマは人を食うか」という本に目を通しているうちに、ひと言モノ申したくなりました。
クマとはツキノワグマのことです。正式にはニホンツキノワグマというようです。

      

以前紹介したことがありますが、その生息域を示す地図です。これを見るとわが裏山は生息域に含まれているような、いないような、、、、
そのような状況ですが、裏山にクマが現れても不思議はないことが分かる分布図です。

2016年、2017年はクマの目撃情報が急増しました。そのためわが裏山の登山口にも注意喚起の掲示が行われました。

この本にも書かれていますが、クマが生息域を広げていることは間違いないようです。そのため目撃情報も増えたのでしょうが、その理由については諸説あるようです。そのことについて正面から論じるのが本稿の目的ではありません。

タカ長の能力ではこの問題を正面から論じることは出来ませんが、クマがその生息域を広げた原因の一つが落葉広葉樹の消滅、もしくはその生産性の減退であることは感覚的に理解できます。

    

広島県の最高峰恐羅漢山の稜線です。むかし、このあたりはブナの原生林でした。むかし、といっても何百年も前のことではありません。タカ長が若いころとか、それよりもう少し前のことです。
タカ長が恐羅漢山に登り始めたころ、「恐羅漢山など芸北山群のブナが伐採によって失われている」と嘆いていた先輩がいたことを記憶しています。

    


そのころの山友二人が恐羅漢山に登りましたが、下山が予定の時間より遅かったので民宿の親父さんが心配して様子を見に登ってきた、という話は今でも覚えています。女性の二人組だったので心配されたのですが、この山がうっかりすれば迷ってしまう深い森だったということでもあります。
その現場がここです。

いつの頃からか知りませんがクマが害獣と言われるようになりました。害獣の駆除が叫ばれるようになりました。

冗談じゃねえよ、害獣といわれるような獣はこの地球上には1匹もいませんよ、と言いたいのです。
もし、この地球上に害獣というものがいるとしたらそれは人間だけではないか?


お前らが勝手にわしらの住みかである落葉広葉樹の森を奪っておいて、仕方なく町のほうに行ったら害獣だといって駆除するなんて、、、、というような、クマの叫びが聞こえるような気がするのはタカ長だけでしょうか?

これなど食物連鎖の輪のなかから脱出した人間の、エゴのきわみだと思うのですが、、、、、。

頭の体操のために

2019年06月20日 | 日々雑感
           

このような本を読み始めました。ずいぶん前に買った本です。

内容も濃密な本で、正直言ってタカ長のようなぼんくら頭には難解な本です。しかし、頭の体操のつもりで読み始めました。
難解ですがハッとするような知見を得ることもあります。そのひとつです。

    
      中国駐大阪観光代表処のホームページから借用させて頂いた画像です。

中国に万里の長城があります。北方の狩猟遊牧民の侵入を防ぐために築かれたものです。島国に生まれ育った日本人には北から侵入されるという感覚はないように思いますが、中国の人には切実な問題だったことはタカ長も多少は理解できます。

その北方の狩猟民の文明と農耕民の文明についても書かれています。少し長文になりますが、引用させていただきます。

狩猟民の文明と農耕民の文明の決定的な違いが少なくともひとつだけある。それは、食物連鎖のなかに人間が組み込まれているかいないか、ということです。狩猟民の世界では、人間は狩りをして動物を殺し、その肉、皮、骨のすべてを利用します。それと同時に、動物も人間を襲い、殺し、その肉を食べる。つまり、人間と動物の関係が食物連鎖の環のなかに入っているのです。この場合、人間と動物は対等の関係、食うか食われるかという対等の関係にあります。(中略)

しかし、やがて農耕文明に入った段階で、人間はその食物連鎖の環のなかから人間だけを脱出させる。人間は動物を殺して食べてもいい。しかし動物は絶対に人間を襲って殺してはいけないというモラルを、人間中心主義の立場で作り上げてきたのです。これは、まことに大きな精神革命ではなかったかと私は思っているのです。


     

裏山の登山口に掲示されたこの紙は、あれから3年が過ぎるのにそのまま放置されています。この掲示のことは痴劣でコメントする気にもなれませんが、登山道にクマが出たとか、町にイノシシが出たと大騒ぎするのは、農耕文明の人間至上主義の発露そのものだと思うのです。

いまこの地球上には困難な問題が数多くあります。温暖化の問題、砂漠化の問題などなど、どれも地球規模の問題といえるものです。

そのような時代にあって、われわれが最も多くを学ばなければいけないのは、もしかすると、農耕文明からよりも狩猟文明からかもしれません。人間と動物が対等の関係で生きていく。人間も食物連鎖の環の一部だという自覚のなかに生きていたころの文明の意義、それをもう一度考え直し、これからの自分たちの生き方、さらには地球と共生する生き方に、それをどう生かしていくかについて考えていく時期に来ているのではないかというのが、私の考えです。

とても示唆に富んだ一文です。この本が出版されたのは2004年で、それから15年の時間が経過しています。しかし、この貴重な提言は省みられなかったように感じます。

タカ長が考えても仕方ないことですが、そのようなことを考えるのも頭の体操、ボケ防止の効果に期待して、たまにはかたい本を読みたいと思っています。