タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

まぁ、コーヒーなどどうぞ

2007年11月30日 | タカの渡り観察
 まぁ、何はさておいてコーヒーをどうぞ。プロが入れた香り高いコーヒーですが、ネットでこの香りをお届けできないのが残念です。



 タカ長の観察地もすっかり秋らしくなりました。今朝は雪を含んだような雲が流れていました。明日から師走、瀬戸内のこの観察地にも雪が降ってもおかしくない季節になります。



 師走になれば来年の観察計画などを頭に描き始めます。春は3月からノスリやハイタカ属の渡り観察からスタートし、5月のハチクマまで長期間の観察をする予定です。この間タカ長はベトナムで行われるARRCNのシンポジュームに参加するつもりです。

 5月のハチクマ。韓国で韓国人研究者と一緒に調査してみたいような気もしていますが、ベトナムから帰ってすぐに韓国に行けるかどうか?すべては成り行き任せということでしょうか。韓国のほうで芽を吹き始めているタカの渡り調査の機運を本物にしたい気持ちもありますが、タカ長一人がそのようなことを考えるのは僭越なことのような気もしています。

 何はともあれ明日から師走、年賀状など準備しながら来年の予定を立てるようにしましょう。その前にコーヒーを一杯どうぞ。

嬉しい話~KS研究員優秀論文賞を受賞

2007年11月29日 | 韓国情報
 韓国から嬉しい知らせが入りました。11月20日のブログでも紹介しましたが、韓国の鳥類研究センターのKS研究員が先日群山で行われた韓国鳥学会でハチクマの渡りについて発表しました。その日は14の発表があったようですが、その中で彼の発表が見事優秀論文賞を受賞しました。



 黄海上に浮かぶこのホンド(紅島)を渡るハチクマについての発表でした。その詳細は分かりませんが、発表前2~3アドバイスしていたタカ長としてはわがことのように嬉しい受賞です。



 先日のブログでもお知らせしましたように、日本に渡って来るハチクマのほとんど全部は韓半島を経由して来ているはずです。そのため韓国での調査は必要不可欠ですが、私たちが韓国に出かけていって調査するには色々な制約があります。一番良いのは韓国で韓国の人が調査してくれることです。

 今回の鳥学会でタカの渡りについて発表したのはKS研究員だけだったようです。その内容の詳細も知りません。大切なのは今回の内容ではないのです。KS研究員の発表を審査する立場の人が彼の発表を評価してくれたことが大切なのです。タカ長には韓国でタカの渡りの調査がやっと始まった、と言う実感がするから嬉しいのです。

 韓国でも若い研究者がタカの渡りに注目し、この分野の研究が進むことを切に希望しています。

秋の観察地

2007年11月28日 | タカの渡り観察
峠路や キクイタダキの 声しげし (タカ長)



 すっかり秋の装いを済ませた観察地の裏山を歩いてきました。いまだにツグミを見ていないタカ長ですが、キクイタダキだけは何度も見ました。今日も松の枝先を忙しそうに動き回っていました。同行者は頭の上もバッチリ見たようですが、私は残念ですがしっかりと確認できませんでした。それにしても冬鳥の少ない裏山です。



遠くに白く見えているのは月です。ゴミで汚れているのではありません。



 わが社のドル箱、通称Aピークも秋の装いを済ませました。この観察地では無理でしょうが、紅葉の上のハイタカ属かノスリのタカ柱を見たいのですが、いまだに遭遇することが出来ません。

 

 観察地の前も今朝は静かでした。ミヤマホオジロなど普通に見られるところですが、今朝は小鳥さんも朝寝坊したのでしょうか?

チョッピリシャクな話~ウポ(牛浦)沼の生態展示館

2007年11月27日 | 韓国情報
 
 わが社の非常勤社員アサギヒメから原稿を頼まれました。彼女が意図していることは大体想像がつくので、私のささやかな博物館経験を引っ張り出してあれこれ考えているところです。



 これはウポ沼にある「生態展示館」の展示の一部です。3個のブロックを廻して鳥の姿を完成させるようになっています。これは問題の部分ですからバラバラになっています。



 これは正解を作ったところです。ハクチョウやヤマゲラが出来上がりました。子どもが興味を持てるような展示、といったら良いのでしょうか。



 この展示は鳥だけではありません。昆虫など何種類か準備されていました。展示物を見るだけでなく、手に触って遊べるように工夫されています。



 この展示館のすべての展示が子ども用になっているわけではありませんが、子どもを含めた多くの人の来館を想定しているように思いました。私が訪ねた日も小学生らしい団体が来て先生から説明を受けていました。そのような風景を私は韓国で何度も見ました。日本以上にこの種の施設での学習時間が多く組まれているのでしょうか?

 バードウォッチングをはじめ自然観察をする趣味は、ある程度経済的に成熟した社会で成り立つ趣味だといえます。その面から日韓を比べたら間違いなく日本が兄貴で韓国が弟のはずです。

 しかし、その弟の国に兄貴の国以上のこの種の施設が次々出来ているのです。そのことがチョッと癪なのです。間違っても誤解して欲しくないのですが、私は他意あって両国を比較しているのではありません。韓国に立派な施設が出来ること自体韓国ファンの私には嬉しいことですが、面白くないのは日本のほうが負けてきているように思えるからです。

 どこかの政令指定都市にはこの種の博物館さえありません。それぞれの国、それぞれの都市にはふところの都合もありますから多くは望みませんが、この種の施設がまったくゼロと言うのはやはり癪の種ではないでしょうか。

広い海

2007年11月26日 | 旅行のことなど
 
中学校のクラス会で土佐の高知に行ってきました。広島からは高速道路が通じているので簡単に行けるのですが、何となく海の向こうみたいで私には意識的に遠い所なのです。そのためかどうか今回が2回目の高知行きです。



 桂浜の海です。土地の人には見慣れた海でしょうが、私には海の向こうに島の見えない風景は珍しいのです。



 横着をして旅館の窓越しに撮った朝日です。とにかく海が広いのです。空も広いのです。

 その広い海を見ながら思うのです。この海が土佐の人の心を育んでいるのではないか?坂本竜馬は土佐に生まれたからあれだけのことを残したのではないか。ごちゃごちゃとした山ばかりの安芸の国に生まれていたら歴史にその名前を残すことは無かったのではないか、とタカ長には思えるのです。

 足摺岬から室戸岬まで土佐では何所でも広い海が見られます。この海と空が土佐の人のDNAに何かを伝え続けていると、安芸の国に生まれ育ったタカ長はある種羨望の気持ちを持って土佐の海を見るのです。

タカを見るって素晴らしいことですね

2007年11月23日 | 旅行のことなど
 昨11月22日「いい夫婦の日」に仲間たちと京都へ日帰りのバス旅行をしました。夫婦で参加したのはタカ長だけでしたが、、、、、

 醍醐寺の三宝院庭園を見ました。素晴らしい庭園ですね。このブログでも紹介したいところですが、そこは撮影禁止でした。

 撮影禁止にはそれなりの理由があるのでしょうが、問題はその表示の仕方にあります。「撮影禁止」のプレートが至るところに表示されているのです。いくら贔屓目に見ても多すぎます。一部に不心得者がいることは容易に想像できますが、あれだけ多く書かれては、入園者全員の良心をまったく信用していないように見えます。それが仏の道を歩く寺院のとるべき態度なのでしょうか。



 腹たち紛れに撮った、外から見る三宝院の紅葉です。

 タカを見るって素晴らしいことですね。人の良心を疑う必要はまったくありません。人の世のゴタゴタを超越して自然の中に身を任せておられる。こんな巣晴らし趣味が他にあるでしょうか?

臨時休業のお知らせ

2007年11月21日 | タカの渡り観察

 タカの渡りはオフシーズンに入りましたが、このブログの更新は出来るだけ毎日行うよう努力しています。本題はタカのわたり関係の情報ですが、ブログの表題にも紹介しているように旅行関係、韓国情報なども取り上げて出来るだけ毎日更新してゆきたいのです。しかし、いくら暇な(?)タカ長とて更新する時間が取れない日は臨時休業とさせて頂きます。

 今月の休業日は
        11月22日
          24日~25日です。

 よちよち歩きのつたないブログですが、細く長くお付き合い頂きますようお願い致します。

足環をつけたクロツラヘラサギ~続報

2007年11月21日 | タカの渡り観察
 11月18日にアップした「足環をつけたクロツラヘラサギ」の続報です。

 この情報を韓国の鳥類研究センターのKS研究員に照会し、彼から韓国の研究者LK博士に連絡してもらいました。その結果が届きましたので紹介します。KS研究員によるとLK博士は韓国でも有名な研究者だそうです。

 K68の足環をつけたクロツラヘラサギは2007年6月17日に韓国のインチョン国際空港に近いSuhaam(英語での交信のため漢字表記は分かりません)と言うところで放された固体だと言うことが分かりました。

 LK博士の情報によると、沖縄で越冬した個体が今年Suhaamで繁殖するなど同所で20ペアくらいが繁殖したそうです。また、11月4日に台湾で2個体が確認された旨の連絡があったそうです。



 これはLK博士から送られてきた写真です。居るところには居るものですね。

 LK博士から頂いた資料によると、その他日本で確認された、足環をつけたクロツラヘラサギは下記の通りです。

 鹿児島県万乃瀬川河口   2002年
 鹿児島県志布志       2003年~04年 越冬
 宮崎県一ツ瀬川        2003年12月21日
 熊本県熊本港         2004年12月12日~19日

 タカ長も万乃瀬川河口でクロツラヘラサギを見たことがありますが、足環までは確認していません。ご覧のように九州地方ばかりで確認されていると言うことは、クロツラヘラサギの渡りのメインルートは韓半島⇒九州⇒台湾と言うことになるのでしょうか?門外漢の私には詳しいことはまったく分かりませんが、八幡川で確認されたのは迷鳥的な動きをしている固体だろうかと想像しています。

 言い忘れましたがバンディングされたクロツラヘラサギはすべて幼鳥だったようです。そのために正規のルートに乗れなかった個体が出てくるのでしょうか?これもまたタカ長の何の根拠も無い想像です。

嬉しい話ーKS研究員鳥学会で発表

2007年11月20日 | タカの渡り観察
 昨夜、韓国の鳥類研究センターのKS研究員から電話が入りました。しばらくぶりの電話です。事情を尋ねると、今週末群山で行われる韓国の鳥学会の準備に忙殺されていると言うことでした。



 韓半島の西、黄海上の離島紅島のこの小さな事務所で準備しているのでしょうか。学会の成功を祈ってやみません。

 嬉しい話と言うのは、その学会でKS研究員自身がハチクマの渡りについて発表することです。韓国ではタカの渡りを観察している人も少なく、KS研究員も私たちのように継続調査できるような環境にはいません。そのためにどのような発表になるのか、タカ長にはまったく想像できません。ハッキリ言ってしまえば、内容的に大きなことを期待できる状況ではないように思えます。

 でも、それでも良いのです。私は韓国の鳥学会のことはまったく知りませんが、おそらくタカの渡りについて発表されることはあまりないはずです。KS研究員の発表が韓国でのタカの渡り研究が加速するきっかけになってくれれば良いのです。

 タカの渡り、特にハチクマの春の渡りを考えるとき韓国は重要な位置にあり、韓国での観察データは重要です。今現在韓国でタカの渡りの観察体制ができているとは考えられないので、僭越にもタカ長自身が韓国の乗り込んでプレゼンテーションをする機会を模索していた矢先なので、KS研究員からの電話が嬉しかったのです。

 彼の発表が終わったらその要旨を送ってもらうことになっています。チョッと興味があるので皆様にも紹介するつもりです。しばらくお待ちください。

 

ハチクマの渡り~春はやっぱり韓国だ

2007年11月19日 | タカの渡り観察
 今年熊本で行われた鳥学会で、私たちタカの渡り観察の愛好家にとって大変興味ある発表がありました。「ハチクマの春秋の渡り衛星追跡ー10羽の成鳥の記録ー」(時田賢一・樋口広芳他)のことです。



 これがネットに公開されているその航跡図です。2007年春の渡りの追跡結果です。少し見難いでしょうが、全体的な動きは把握することが出来ます。以下はこの図を見てのタカ長の個人的な感想です。

 ここに示された7羽が7羽とも韓半島を縦断しているのは、タカ長の予測とは少し外れていました。メインは韓半島を縦断しても、黄海を横断して韓半島に入るハチクマもいるようですから(韓国鳥類研究センターKS研究員・私信)7羽の航跡図を取れば1羽や2羽は黄海上を横断するのではないか、と言う思いがありました。黄海上を横断する個体は想像以上に少ないのかも分かりません。

 タカ長とトビ吉は黄海上の天気とハチクマの日本への飛来数の関係の検証を試みていますが、今のところハッキリとした関係を見出していません。関係があるといえばありそうだし、無いと言えばないようだし、と言う程度の答えしか見つかっていないのは、上記のような追跡結果と符合するのでしょうか?

 韓半島からの飛び出しが南東部に集中しているのは、その先日本に入って東進することを考えると容易に理解できます。しかし、よく見ると韓半島南東部のプサン辺りから一端西方向に渡り、巨済島方面から南東方向へ大きくコースを変えているのもいますが、その理由は私には理解できません。現場での観察経験とはピッタリと符合しているのですが、、、、。

 プサンの太宗台展望所で観察していると、間違いなく西もしくは西南西方法へ渡って行くハチクマ(秋期のハイタカ属の渡りでも同じような傾向が見られる)がいるのです。現場で視認できる距離は限られているので、海上に出てからコースを変える可能性を否定できないでいましたが、この航跡図から巨済島あたりを経由して九州に入っているハチクマがかなりいることが確認されたと言えそうです。

 ともあれハチクマの春の渡りは韓国が面白そうです。プサンや巨済島での観察が面白そうです。過去に私たちの視認による調査の実績もあります。08年春のハチクマの渡りは韓国に注目しましょう。

 とは言ってもそこは外国、気軽にはいけないのですが、、、、