「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

【10月22日】自分を見つめ直す一日

2009-10-22 23:34:55 | 日常の一コマ

結局、布団に入ったのは5時過ぎ。

7時半に目ざましをかけたが、2日連続の仮眠ではその程度ではどうにもならず。
ようやく8時半になって、何とか体が動き出す。
シャワー、朝食の後、ビッグサイトへ。

来年11月に横浜で開催予定のAPEC首脳会議。
オバマ政権の誕生で変化の機運が生まれ、
暴力的な行為で何かを訴えるより、注目して(期待しつつ)見守るというのが、
現実的なところではないかと思う。

その意味で、目的のみならず、方法の実行可能性もしっかり検討するなら、
各国首脳というハード・ターゲットを対象とする爆発物テロの可能性は
かなり下がったと思う。

ではあるが……。
昨年のリーマンショックを直接的な契機としつつ、
数年来の「格差社会」「下流社会」論議で明らかになりつつある、
「暗い情念」「鬱屈した承認要求」「俺たちの苦しみを思い知らせてやる、という思い」等々。
これに、インターネット上の情報が結びついた時、
自らの存在を社会にアピールするために、爆発物テロという方法を取るかもしれない。
彼らが、外に攻撃的に出るのか、自らに攻撃的に出るのか、そこに議論はあろうが、
ともあれ、今回の犯人グループのプロファイリングを、このようなものとした。

で、横浜市内とその周辺7か所が同時多発で爆発物テロを受けたとして
それへの対応を問うてみた。

午前中は会場設営と資料作成。
ありがたいことに、レスナウのOさん、IVUSAのMさんSさんの3名が
地図づくりやら小道具セットやら、ずっと手伝って下さる。
坂出のKさん、パシコンのAさんら、さらに仲間が到着し、
参加者も含めて約40名というところか。
1230~1500まで、休憩をはさみつつ、DIGの手法による検討。

時間の関係で、大きな論点は2つしか扱えなかったが、
個人的にも大変勉強になったDIGであった。
いつの間にか、自分の発想が、
救急・救助系や医療系の者の発想に近づいていたことに、改めて気付かされる。
警備系の人間がどういうモノの考え方をするのか、そのことをおぼろげながらでも
意識できたことは収穫であった。

ただ、ここでも、複数の現場の連携を訓練プログラムとして検証することは
大変難しいものであった。この部分は明らかに不十分だった。
まぁ、そこまで行かない訓練プログラムが山ではあろうが。

皆に手伝ってもらい、撤収はものの20分で済む。
しっかりとした反省会?は後日ということで、流れ解散。

20時過ぎからの夕食会まで、少し時間が出来る。
で、睡眠不足の解消を車中でと思い、東海道線下り電車に目的地も定めず乗る。
目が覚めたら藤沢。「犬も歩けば……」ではないが、これはラッキーであった。
駅舎と空中デッキでつながっているビルの7、8階が「ジュンク堂」。
さすがに70万冊の在庫を誇る本格書店、品揃えが違う。
湘南地区のリアル書店の筆頭格として、しっかり記憶しておきたいと思う。
質の良い本屋の中を歩くことは、創造エネルギーの吸収のようなもの。
疲れた身には何よりであった。文庫・新書を中心に少し買い物。
東京まで戻り、それでも少し時間があったので、日本橋口のスタバでメールなど。

20時過ぎ、敬愛すべき姐御こと、20年近い付き合いとなる同僚S先生と
八重洲北口で待ち合わせ。そのまま、大丸レストラン街の天ぷら「つな八」へ。
夕食を共にしながら、いろいろと相談に乗ってもらう。
迷いがふり切れた、とまでは言えないが、大きな方向性は見えたかな、と。

姐御と別れ、22時近くにはなっていたが、坂出のKさんに電話し、渋谷へ。
今日のワークショップを手伝ってくれた何人かに加え、
フジテレビのキャスターから大学教員へと転身を遂げたKさんを交えたメンバー。
宇田川町の「ダイブツゴロゴロ」なる、なかなか面白いレストラン。
日本の救急救命士制度発足に、なくてはならない役割を果たしたKさん。
直接お会いするのは2回目だが、大学教員という場を得、いろいろ思いはある模様。
11月、金沢で開催される救急隊員シンポジウム、やはり行くことになるのかなぁ……。

久し振りに総武線各駅停車の終電か、と思ったが、1本前に間に合う。
車中で、先ほど買ったばかりの、リチャード・バック『フェレット物語5
名探偵の大発見』を読み始め、結局、寝るまでの間に読み終える。

10月22日は、年に何日かある、自分を見つめ直す一日。

ワークショップにエネルギーを絞り出し、
車中で睡眠不足を補い、
本屋でエネルギーをもらい、
先輩に道を示してもらい、
仲間と将来を語り、
最後にリチャード・バックの寓話で眠る。

今日はこんな日だった。