「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

【8月31日】エルサル滞在も残りわずか

2009-08-31 23:07:29 | 国際防災協力
午前中、市民防衛局のオフィスで
プロジェクト関係者とミーティング。
DIGの考え方、改善提案など。
途中から局長も聞いて下さる。

その後、JICA事務所が段取りしてくれた
地元新聞社からの取材受け。

昼は日本人チームで近くの小ぎれいな定食屋へ。

午後は改善提案の英語レポートに四苦八苦。

16時前から大使表敬。
Kリーダー、KさんにJICA事務所のKさんが同席。
お話好きな大使は、実は静岡県東部の名門高校の出身。
昨年からそこで防災講演をしていることもあり、
ローカル話でも盛り上がる。

夕食は、JICAのKさんが幹事役を買って出て下さり、
4Kで台湾料理の店へ。
4人で食べるには申し訳ないくらいの質と量。
日本との物価の差を考えれば当たり前と言われるかもしれないが、
美味しい食事をいただけてこそ活動にも力が入る、とも言える。

ホテルに戻り、当初はロビーの無線LANで、
後には部屋のネット環境を何とか復活させ、
仕事やら何やら。かなり遅くまで起きていた。

エルサル滞在も残りわずかとなった。

(9月18日 アップ)

【8月30日】海岸の町リベルタへ

2009-08-30 23:51:41 | 国際防災協力
2009年8月30日 日曜日

8時にホテルを出発。
JICA事務所Kさんのご厚意&運転で、
BOSAIプロジェクトKさん、
JOCV防災隊員で兵庫県立舞子高校環境防災科一期生のKさん、
「旅の坊主」ことKの4人(全員イニシャルはKだ!)で
海岸の町リベルタへ。
サンサルバドルから40分ほどのドライブ。

太平洋に突き出た桟橋の上が、
魚市場を兼ねた小型漁船(ボートというべきか)置き場。
水面から7~8mあろうか、初めて見る形。
桟橋の端までボートが戻ってくるとウィンチで持ち上げ、
桟橋の上では台車に乗せて管理という方法。
なかなか合理的。
外洋に直面しているせいか、
この高さの桟橋でも時には波をかぶるという。

桟橋の陸側が魚市場。
鮮魚のみならず冷凍モノも含めて品揃えは立派。
前日の議論の延長ではないが、生活できてナンボ。

人間の本性を考えるなら
「食」に必死になってしかるべき。

で、その目で見ると、
刺身、塩焼き、塩ゆで、みそ漬け、干物、スープ等々、
素人目にもメニューの想像が出来た。

食に対する意欲さえ失わなければ
「旅の坊主」の腕でも何とかなるな、と。

昼食にはちょっと早かったので、
コーヒー代わりにココナツ。
開店時間に合わせてJICAのKさんお勧めのレストランへ。

赤貝ならぬ黒貝(コンチャ)の酢漬け、牡蠣、海産物のスープ、
いずれも極めて美味。

日本価格換算ではあるが十二分に納得&大変なお得感あり。
デザートはJICAのS所長お勧めのソフトクリーム屋へ。

14時半過ぎにホテルに戻り、PCに向かう。
ネットで総選挙の開票状況を確認。

さてさて……。

4Kに協力隊員Fさんを交え、
日本食レストランで夕食会。

かつて「旅の坊主」もあこがれたJOCV。
あこがれだけでは出来ない活動。
先輩にはなれなかったけれど、応援してるよ。
少なくとも「旅の坊主」が一緒にいたら、
君らに飲み代は払わせないから!

(9月12日 一部修正)

【8月29日】Aさんの帰国を見送って

2009-08-29 23:02:23 | 国際防災協力
2009年8月29日 土曜日

今日から週末。ありがたいことに少し朝寝が出来る。
10時半に動きだし、シャワーを浴びてロビーへ。
予定より30分ほど遅れてプロジェクトカーが到着。

送別の昼食は、先日行った台湾料理の店で。
Aさんの秘書MさんとドライバーAさんを含め6名でテーブルを囲む。
昨晩の酒のこともあり、野菜炒めに餡かけ豆腐を皆でシェアし、
それぞれが小サイズの麺という軽めなものに。

3年の赴任を終えて帰国するAさん。何を思ったことであろうか。
そして自問自答する。我もこの道を歩くや否や。
この旅のあいだに、答えは出るだろうか。

旅行者としてその場所を訪れることと、
たとえ一時期であれ生活者としてそこで過ごすこと。
この間には大変大きな違いがある。

学生時代に留学できなかった分、
職業人としての後半生に入る前に、
生活者として違う世界で数年過ごすことは、
意味あることなのだろうなぁ、とは思う。

次にAさんと会うのは9月半ばの帰国報告会の場。
すぐ会えるといえば会えるのだが……。
やはり今日はAさんの3年に思いを馳せたい。
 
ホテルに戻り、たまったメールへの返信やら原稿書きやらと、
日本絡みの仕事を片づけるという「充実したオフ」。
ン?日本語の使い方を間違えたか?

夕食はKリーダー、Kさんと3人で韓国料理。
海外に出た時、想定した範囲に味がおさまるならば、
「旅の坊主」としては満足。
韓国料理独特のステンレスの容器に入ったご飯が出てくると、
やはりホッとする。

この店では、韓国食材のみならず、
冷凍モノのサバやタラも売っていた。
Aさんを見送った日だからだろうか、
生活者の目でモノを見ている自分がいた。

【8月26日】1ドル1セントで雨量計を作る

2009-08-26 23:56:51 | 国際防災協力
2009年8月26日

サラコサ市のツーリストパークで、
ペットボトル雨量計を作ることを中心とするワークショップ。
対象は中学生を中心に30名ほど。
もっぱらスタッフとして、
Aさんや現地スタッフMさんの活動をサポートする。

ペットボトル雨量計。
こいつはなかなか感動的なものだった。

大小のペットボトルと針金をうまく使って「ししおどし」を作る。
さらに百円ショップで売っている万歩計を組み合わせる。

うまくすれば1ドルと1セントで、
デジタル化可能でテレメーター化も可能な雨量計ができるというのだから
これはすごい。

(残念ながらモニターまでは「1ドル1セント」では手が届かないのだが)

ターゲットはもちろん学校の児童・生徒。
学校に気象クラブを作ることが出来れば、
このペットボトル雨量計であっても観測網を作らせることが出来る。
精度はあまり期待できないにしても、それは問題ですらない。

問われるべきは、
自分の手足を動かして何かを作り、
それをもとに一つのシステムを作るということ。
こういう活動こそ、応援したい。

現地スタッフのSさんが、
日本の損保協会の手による「ぼうさいダック」を使い、
参加者を見事に盛り上げてくれる。
その手際は実に見事であった。

正直言って、
「ぼうさいダック」でこんなに盛り上がれるとは思ってもみなかった。
ラテンの人間がラテンの人間を対象にしたワークショップとはいえ、
こうも見事なものを見せられると、考えさせられるなぁ……。

(9月1日アップ)

【8月25日】亡き父の誕生日に

2009-08-25 23:49:53 | 国際防災協力
2009年8月25日 火曜日

サン・マルコス・ヒボアにおけるワークショップ2日目。
今日の目標は、ハザードマップを分析させ、課題を選び、
カイゼンに向けた計画を作らせるまでが目標。

まとめの様式についてはいろいろと考えたが、
結論としては以前に使ったものを流用させてもらう。

取り組むべき課題を、優先順位をつけた上で3つ選ばせ、

「家族」「コミュニティ」「自治体」「国」という軸と、
「短期」「中期」「長期」という軸、

2つの軸でマトリックスを作り、
可能な限り具体的に計画を語ってもらおう、という話。

十分な準備が出来なかった割にはまぁまぁの手応えか、
と言うことも可能ではあろうが……。

問題の構造化、つまりは「枝と幹」「根と葉」といった区別をせずに、
わかったような気になっての計画作りでよいのか、と、
心のどこかでは思っている。

そこに住んではいけない、という本質を抜きにして、
対処療法に近い対策を語ることに、どのような意味があるのか、
とも思う。

しかし、先立つものがない以上、
「そこに住んではいけない」と声高に言ったところで、
金持ち国から来た何も知らない人間の戯言にしかならない。

さらに言えば、
文字が読めない・書けないという人が当たり前にいるコミュニティで、
問題の構造化を図るようなワークショップは、どこまで可能なのか。

どのくらいの技量を持つ人が、どのくらいの時間をかければ、
ある程度の成果が出せるのだろうか。

それだけのコストをかける意味はない、という議論も十二分に成り立つ。

さてさて……。

終了後、市役所(といっても小さな平屋建てだが)にて反省会。
若い市長も途中で顔を出してくれた。

今日8月25日は、亡き父の誕生日。
存命であれば喜寿の祝いであった。
「旅の坊主」としての息子の活動を、父はどう見ているのだろう……。

(9月1日アップ)