「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

湯河原~秋葉原~湯河原

2006-08-14 23:00:47 | Weblog
 8月14日(月)

 お盆の休み。朝方、首都圏で起こった大(?)停電も知らずに10時過ぎまで寝ている。
情けない話だが、バンダ・アチェ調査の疲れが抜けず?

 東京・秋葉原の事務所、通称「梁山泊」へ。往路の車中で、土曜日沼津駅のキオスクで
買った梶尾真治『ヤミナベ・ポリスのミイラ男』を読了。よくもまぁ、こんなものが出てきた
ものだ……。

いつものように小島君と課題の整理。さらに潮見に寄ってきた宮本さんも後から合流。
9月1日の政府防災訓練に向けての仕込みや、デジタルペンを使った災害情報処理
システムなど、とりあえずの課題について「ポンチ絵」を練る。合わせて来年1月の
練馬区防災訓練に向けての話、特に災対本部の組織のあり方について意見交換。
詳細は翌日、練馬区役所にて聞くことになる。

 20時前、宮本さんが帰宅。小島君とデリバリのピザをつまみながら、さらに9月1日の
イメージを整理する。東海道線下りの最終に間に合う時間で小島君を残して先に失礼する。
東京駅ではいつものように崎陽軒のシュウマイ。ついでに思うところあって『文藝春秋』
9月号。幾つか気になる論考があったからなのだが、これについてはまた触れる機会も
あろう。

 今朝方の停電について、幾つか疑問に思ったことを書き留めておく。いずれ誰かが
検証してくれるか、あるいは「旅の坊主」の戯言として消えていくかは知らず。
 (無知をさらしただけだったりして……)

*給電系のダブルループとは、クレーン船の誤動作一つで二系統ともダメになって
しまうような至近距離を走っているものなのか。いかに発電所に近いとはいえ?

*エレベーターの閉じ込め件数をどう考えるか。停電時には最寄り階について扉を
開くというのは特別な装置なのか?それとも閉じ込めは旧式のもののみに起こった
話か?前者ならばいかに7時代の発生とはいえ数が少なすぎる。後者なら、いつも
ながらの既存不適格の議論か……

*日本の電気は質が良すぎる。無論、そのことは素晴らしいことなのだが……。
「旅の坊主」のつたない途上国経験からしても、3時間で復旧したのであれば、
大騒ぎするほどのものなのか。このレベルで大騒ぎするということは、とても
じゃないが武力攻撃事態などに耐えられる社会でないことは明々白々。さて、
いわゆる危機管理論者は何を言うのだろうか……。

                                     (8月29日記す)

涸沼~成田空港~シンガポール~メダン

2006-08-07 23:42:40 | Weblog
 8月7日(月)

 本当に久しぶりの更新になってしまった。「旅の坊主」未だ旅の半ばなり。

 週末は十数年来の恒例行事である親戚一同との夏の旅行であった。
 今年は茨城県の涸沼。上海で研修中の1人を除く3歳から73歳までの
25名が参加。いつものように大賑わい。日曜日は大洗水族館に団体料金で
入る。妹曰く、「周りから見ていると、この集団、親戚だってわかるんだろうなぁ……」

 今朝は6時前に起き、鹿島神宮~佐原~成田を経由して成田空港へ。
 04年末に大きな被害を受けたスマトラ島バンダアチェへの三回目の現地調査。
今回は、本学の小川学部長と(独)防災科学技術研究所川崎ラボラトリーの後藤所長
との同行動となる。JAL719便でまずは経由地のシンガポール、さらに今宵の宿の
スマトラ島メダンへ。

 この春にパスポートを更新してから、海外はインドネシアばかり3回目。しかも
ビザはすべて on arrivalの観光ビザ。あと2回も続くと、イミグレで呼び止められる
ようになってしまう???

 5月27日に発生したジャワ中部地震への現地調査に入った時、機中で
書き溜めていたものがあった。遅まきながらも、ここにアップさせていただきます。
(ある理由でいささか書きぶりが過激ですが、そこはご容赦を)

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 タイトル:「旅の坊主」の道中記 復活?

 半年余の「充電期間(≒サボりの時期)」を経て、ついに道中記復活す?

 5月27日(土)未明に発生したジャワ中部地震の現地調査のため、今年2回目
となるインドネシア訪問。

 「金はつけてやる。だがアイツだけは絶対に行かせるな!」との○○学長の発言
(どう解釈してもパワハラ!)にブチ切れ、「結構です。自腹で行ってきます!」と
啖呵を切り、でも多くの人に「心の中でごめんなさい」を言いつつ、JAL725便の
客となる。
 (O学部長、N事務局長、Y入試広報課長、ご面倒をおかけして申し訳ありません。
でも、これは激怒しても許されますよね。○○につける薬はありませんが……。)

 静岡県河川協会総会の講演は「困った時のMさん頼み」、千葉県議会災害対策
特別委での講演と堂本知事との懇親会も延期してもらいました。Mさん、A室長、
ありがとうございました。しばらく借ります!

 我が同期である「元チャン」こと内閣府(防災担当)のW補佐の、
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 被害が大きくなったのは建物の耐震性が悪かったから」という、現地を見る前から
分かりきっている議論で終わらせることなく、「現地の材料」「現地の技術水準」「現地の
価格」でまかなえるが「国際基準に照らしても」それなりの耐震性は確保できる、その
ような仕掛けづくりにつなげられないだろうか。
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との弁、まさにごもっとも。

 今回の現地調査、現地の状況はともかく、条件としては大変恵まれた。現地では、
アジア防災センターのA主任研究員(なぜ現場でしか会わないんだろう……)と
ご一緒できるし、若き同僚TさんもSQでジャカルタに向かっている。現地で活動を
始めた国際緊急援助隊医療チーム副団長のT先生とは10年近いお付き合い。
古巣防衛庁からは、第10師団を中心に編成された医療チームが現地入りとのこと。
これで何か出来なければ……。

 学生にこんなことを言ったことがある。
 「何も言わなくていい。抱きしめて一緒に泣いてあげればいい」と。
 そんな、わかったようなことを言って一体何様のつもりなんだ、と白ワインに酔った
頭で自問自答しつつ、まもなくジャカルタ。
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 バンダアチェに初めて入ったのが被災2ヶ月後。ある程度の状況はわかっていた
はずだったのに、ため息しか出なかった。それから1年8ヶ月。人々の営みはどこまで
戻ってきたのだろうか……。

 メダンのホテルでは、「気合を入れるために」ステーキをいただく。後藤・小川両先生に
「若いなぁ……」と冷やかされつつ。

(8月14日アップ)