「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

【11月17日】インドネシアからのお客様の受け入れ準備

2009-11-17 23:00:04 | 国際防災協力
相変わらず、原稿は進まない。
盟友Kさんに送ってもらった、総務省消防庁の資料を参考にしつつ、
それにしても、たかだか3000字弱で苦労するとは……。
我ながら情けない。

4年のK君と2年のT君、
「昨日の今日」ではあったが、都合があったようで、
先輩から後輩へ、カフェテリアで話をしたのだそうな。
せめて、コーヒー代くらいはゼミ坦が出さないと、というので、
K君に少し持たせる。

さて、二人の話はどうなっただろう。
T君が何か具体的な行動を起こしてくれるとよいのだが。
あとで聞いてみよう。

18日から20日まで、
インドネシアの救急災害医療関係者が静岡を訪問されることになっており、
基本的にはベタでアテンドをすることとなる。
遅まきながら、ようやく受け入れ準備に着手。

研修コーディネーターと話をして、
朝昼食はコンビニ弁当であっても、
夜はせめて和定食くらいは食べてもらいたいなぁ、と思い、
泣きつく先は、いつもの魚河岸丸天。
常連客の強みで、特別メニューをお願いをする。
店に行けば、何のことはない、同僚S先生とT先生が食事中。
思わぬところで、ちょっとおしゃべり。

インドネシアからのお客様ゆえ、
まず豚がダメ。(聞いてみれば、キリスト教とヒンドゥー、一人ずついたそうだが)
また、アレルギーの関係で甲殻類がダメな人もいる。
初日夜は天ぷら定食、2日目夜は煮魚定食を、
格安値段で提供いただくことで話がまとまる。
大変ありがたい話。

講義中やワークショップ中も、
お菓子やら飲み物やらは当たり前に用意されているのがお国柄。
こちらの買い出しは、24時間スーパーがなかったら、どうなっていたことやら……。

翌日に向けて、学生レポートへの採点・コメント付けもこれありで、
まぁ、いつものように?26時半上がりとなってしまった。

(11月20日 アップ)

【11月16日】日本耐震グランプリに思う

2009-11-16 23:35:30 | 日常の一コマ
東京・永田町の日本都市センターでは、第3回日本耐震グランプリが開催中なるも、
残念ながら今回は顔を出せず。

耐震診断・耐震補強こそが、地震防災の一丁目一番地。
そのことがようやく、ゆっくりとではあるが、広まりつつある。
NPO法人「東京いのちのポータルサイト」には、
本当に多くの才人が集まっている。
彼ら彼女らと、とことんまで飲むことで、いろいろな発見があることはわかっている。
でも、東京に生活拠点を持たない身としては、なかなかコミットが難しい。
当分は、出席率の極めて低い理事として、末席をけがし続けることになるのだろうなぁ。
そう思うと、ちょっと残念ではあるが、ここは無理ができない。
何せ、職分としては、静岡ローカルの大学教員なのだから。

夕方、2年ゼミのT君を呼び出して話をする。
消防士志望はよいが、すでに2年の11月も半ばを過ぎた。
基礎的な学力向上が間に合うかどうか……。

ともかく、いつもながら4年のK君に、
T君への「発破かけ」をお願いする。
就職活動までの1年なんて、あっという間に過ぎてしまう。

T君が、そのことに気づいてくれればよいのだが。

(11月20日 アップ)

【11月15日】人間であるということ

2009-11-15 23:50:17 | 日常の一コマ
原稿書きの週末は、覚悟はしていたものの大苦戦。
さてさて、これで水曜日のうちに送ることができるのやら……。

ともあれ、昼過ぎには仮住まいを出て静岡へ。
妙なご縁で、島田市在住のアフガン出身の医師、
レシャード・カレッドさんの保健文化賞受賞パーティーに
出席する機会をいただく。

ともかく、まいりましたの一言。
世の中、すごい人はいるものだとは思っていたが、
こんな近くに、こんなすごい活動をしている人がいたとは。
そして、そういう方であればあるだけに、
その方の持つ人的ネットワークがいかにすごいか。
すごい、すごいと言っても始まらないが、
まぁ、すごいものだった。

そういう場であればこそ、誰かしらとはつながっていると期待していたが、
案の上、しばらくご無沙汰していた静岡放送のSさんと再会、いろいろと話す。

もう何年前になるか。9月1日の防災特番で、とんでもない宿題をもらってしまった。
その前も、その後も、多くのメディアに出させてもらっているが、
やはりその時のSさんからの宿題が、今でもしっかりと残っている。

それはさておき。

レシャードさんのすごさは、追々、身にしみるであろうが、
今日のところは、レシャードさんの応援団のすごさのみ、紹介させてもらう。
久し振りに、「これは生涯の宝になる!」という一節を、教えてもらう。

かつて、国立国際医療センターに勤め、今は新宿で老人福祉医療に携わっておられる、
ある女医さんが、レシャードさんに、ある本の一節を捧げた。
捧げられた側もすごいが、捧げた側もすごい。
帰り道に本屋に寄り、さっそくその本を買い求め、確認する。

* * * * *

人間であるということは、
とりもなおさず責任をもつことだ。

人間であるということは、
自分には関係がないと思われるような不幸な出来事に対して忸怩たることだ。

人間であるということは、
自分の僚友が勝ち得た勝利を誇りとすることだ。

人間であるということは、
自分の石をそこに据えながら、
世界の建設に加担していると感じていることだ。

サン=テグジュペリ 人間の大地 堀口大學訳 新潮文庫版 57~58頁

* * * * *

天狗の鼻を、小気味よく折られた気分。
「旅の坊主」、まだまだ修行が足らんな。

(11月17日アップ)

【11月14日】原稿書きの週末、さて……

2009-11-14 23:45:15 | 日常の一コマ
ありがたいことに、何の予定もない土曜日。
ゆっくりと朝寝をさせてもらう。

毎日千字ほどだから、興が乗ればものの10分15分で書きあげるブログも、
3日分ためてしまった。ここで挫折しないためにも、と、何とか元に戻す。

10月末締め切りの、
「メディカル・コントロール」についての原稿が催促されている。
18日中に脱稿しない限りアウト。という訳で、この週末勝負となる。

メディカル・コントロールは、
脳や心臓の突然の疾患、交通事故などの救急医療ニーズに対して
現場での適切な処置に始まり、
適切な医療機関の選定と搬送、
救急救命士・救急隊員から救急医・救急ナースへの適切な引き継ぎ、
さらにはこれらの適切さの事後検証といった、
業界では「病院前」という「こなれていない」日本語で表現されている、
一連の流れを示す専門用語。

「旅の坊主」以外の全員が救急医、
それも専門医・指導医クラスの専門家ばかり、という執筆陣。
そんな中に寄稿する機会を与えられたのだから、
光栄と思うべきなのだろうが……。

紙幅は3000字弱ゆえ、乗ればあっという間、と言いたいが、
そりゃぁブログを書くのとは訳が違う。
さて、この週末で、無事脱稿できることやらできぬやら……。

(11月17日アップ)

【11月13日】新しいものを生み出すために

2009-11-13 23:25:37 | 日常の一コマ
朝方、富士の仮住まいを出て東京へ。今日はブレストが3件。

最初のブレストは五反田。
新居に移転となった危機管理情報会社「レスキューナウ」で、
久し振りにI社長と2時間ほど議論する。Oさんも同席。

お互いの近況を報告すると共に、
手持ちネタの共有と、その向上を目指したブレスト。
特に、企業向けワークショップの進め方には、なるほどと思うことばかり。
何が違うのだろうなぁ、と、考える。

少なくとも、一つのプロジェクトに割ける準備時間の差は大きい。
何せ当方は独立愚連隊のような、基本は1人力の活動。
じっくりと、その場・その時間を、どういう場・どういう時間にしたいのか。
それを考えて、相手の反応を予想しつつ、仕込みを行う。
そういう時間の使い方は、今は出来ていない。

過去の蓄積のおかげで、出たとこ勝負であろうと、ある程度のレベルにはいく。
しかしそれとて、本当のプロがしっかりと考えたワークショップに比べれば、
自ずと差はつく。
ベストではないことはやりたくない、とは思いつつも、それを選べない状況、か……。
やはり、時間の使い方をどこかで根本的に見直さなければ、なのだろう。

ともあれ、Iさんのような人物は、得難い人。
月に1回くらいは直接会って話をしたい。
というので、次回、12月3日の夜に時間を取ってもらうようお願いして別れる。
そうそう、帰宅支援問題。この問題をどう考えればよいのだろう。
そいつも大きな宿題であった。

その後、新橋経由で虎ノ門へ。
総務省消防庁+消防科学総合センターのプロジェクトで
風水害対策の図上訓練実施マニュアル案の検討に3時間。
9月下旬、岐阜県神戸町で行った図上訓練。これはこれで大変面白かった。

問題は、このノウハウを一般化して、
「防災担当課長(多くは総務課長)の通過儀礼として」
マニュアルを読みながらでも、何とかワークショップのファシリをやらせること。
そのためのマニュアルづくりである。

自分がやったほうがよほど早いし、うまくいく。
しかし、それでは次世代は育たない。当たり前の話。
それがゆえの、訓練実施マニュアルづくり。ただ、言うほど簡単ではない。
何せ、こちらは気づいたら体が動いている、口が動いている、という話。
そこを、どうやって「体系化」した上で、読み上げ原稿まで育て上げるかである。
やりがいのある仕事ではあるが、時間はかかりそう。
とはいえ、残された時間は20日ほど。こりゃ大変だ……。
ともあれ、方向性だけでもイメージできたことは幸いであった。

3時間、ぶっ続けで根をつめた議論をしてしまった。
効率を考えるなら、途中で10分程度のオフを入れるべきであった。
後から気付くようでは、まだまだである。

3件目の打ち合わせ?は、合同庁舎5号館へ。
内閣府(防災担当)で、ボランティアの広域連携についてのブレスト。
参事官(本省課長級)2名、企画官(筆頭課長補佐級)3名に加え、
盟友時事通信のNさんも同席。これだけのメンバーとなると、
まぁ、議論の展開の速いこと速いこと。
おかげで、何が問題なのか、かなりの部分が整理される。

議論を経てコンセンサスを得ることも大切だが、
「旅の坊主」としては、それらの議論やコンセンサスを、
350名規模の防災ボランティア業界の猛者に、訓練を通じて理解させるという、
訓練プログラムまで育て上げねばならず、そいつはそいつで大仕事。

ともあれ、花金の18時から20時半までという、
とんでもない時間帯の、根を詰めた議論であったが、お付き合いいただき感謝であった。
ボランティアの広域連携について、中央政府のしかるべき方々においても、
多少のイメージは持ってもらえたものと思う。

終了後、Nさんと東京駅まで行き、新幹線の終電まで、夕食&ブレスト。
本当はしっかりと議論しなくてはならなかったのだろうが、
後から思うと、(食事はしっかりとったものの)さすがに頭の中はガス欠だったみたい。
新しいものを生み出すには、頭の力も要るようで、
さすがに8時間分はなかったみたい……。
ヘトヘトになって新富士に戻る。

この日、読売新聞の「くらし 教育欄」に、過日取材のあった記事が載る。
さすがに全国紙。大学の時の仲間など3名からメールやら電話やら。
ありがたい話。きちんと返信もしなくては。