「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

【10月12日】羽田ハブ空港化論議に思う

2009-10-12 23:59:02 | 日常の一コマ
体育の日で祝日であるが、コマ数(半期15回)の関係で、
「月曜日に講義がある者は通常通りに出なさい」とのお達し。
幸か不幸か、月曜にコマがなく、そのまま仮寓にて過ごす。

この日あたりから、
羽田空港のハブ空港化についての前原国交相の発言が
いろいろと物議を醸し出す。

なぜ、こんなしごくまっとうな発言が物議を醸し出すことになるのか、
率直に言って理解に苦しむ。
自民党政権下において、タブーではなかったにせよ、
中長期的な国家戦略が描けていなかったことの裏返しなのだろうなぁ、とか、
そこまで日本人(というかメディア人)の能力って落ちてしまったのか、とか、
いろいろと考えさせられてしまう。

たとえ国家戦略を描いた者がいたとしても、それが公にならなかった、
あるいは握りつぶされた、ということなのかもしれない。

「騒いでいるのは地上波TVだけよ」というならば嬉しい。
ついでに言えば、その騒ぎで、せっかくの良い方向への動きに
水を差さなければよいのだが……。

誰がどう考えたって、東アジアのハブ空港をどこに置くのか、つまりは、
混迷の時代であればこその、人と情報の流れを導くことの戦略的な重要性は、
誰でもが理解できるはず。というよりも、理解しなくてはならない必須の事柄の一つ。

だからこそ、インチョンや上海、チャンギやスワンナブームといった国際空港の活性化が
(日本を除く?)アジア諸国の国家戦略となっていった訳でしょ?と。

そういえば、「混迷の時代であればこそ、人は動きたがる」と言ったのは、
静岡文化芸術大学の初代学長の任を務められた、今は亡き木村尚三郎先生だった。

これらの空港リストに北京首都空港を加えるかどうかはプロの意見を待つとして、
過去のしがらみにとらわれて、
多くの者が口をつぐまざるを得なくなっていたのだろうなぁ、と思うと、
何とまぁ、もったいないことをしてきたのか、と思うのみ。

そして、そのような動きに対して、就任(というか交代)1か月で一石を投じたことは、
政権が変わったことの肯定的な側面だなと、「旅の坊主」としては思う。

この件で一番の醜態をさらしたのは、やはりM知事ではないかと思う。
過去は過去として、地方空港発インチョンや上海経由世界行きという人や情報の流れを、
今後とも続けていくことのマイナスは、いくら何でもわかってもらえるだろう。
対マスコミ、対国交省向けのパフォーマンス?
なら良いが、
そのパフォーマンスで、夜も眠れなかったって、単なる「言うだけはタダ」発言?

ところで、この件との絡みで、新宿から30分圏内にあるもう一つの国際空港について、
誰か何を主張しているだろうか?ちょっと気になる。

(10月15日アップ)