「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

創造的復興支援のために

2011-03-31 22:59:36 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
日本時間 2011年3月31日(金)

ホンジュラス・チョルテカからの帰路であるから、
日本時間の3月31日の話になる。

ようやく、キーワードが見つかった。
「創造的復興支援のために」

帰宅後、幾つかのサブとなるキーワードを叩いてみる。

*****

「新しい現実」を踏まえた復興の姿を

前例は必ずしも役に立たない

災害の前の姿に戻すことが正解ではないだろう

「被災地に遊びに来るな!」という気持ちにどう寄り添うか

少なくても5年、寄り添うための財政基盤をどうやって確保するか

活かすべき公的制度と使い方に慎重であるべき公的制度

「正しい税金の使い方とは思えない」という決めゼリフ

「それは正しい税金の使い方か?」という問いかけの心を

身の丈

支援者のための支援

コミュニティのたたみ方を見詰めて

政治の知恵の見せ所としての「仕組みづくり」
いかにして金を取ってくるか、ではなく

復興支援ボラバズ構想

職のための寄り添いはどこに?

「メシのタネ」の掘り起こしを

求む!企画書に金を出してくれるスポンサー

知恵者はどこに?

「高地移転ならば全額国費負担。しかし、同じ場所での復旧なら国税投入はゼロ。」
これを国政は決断できるか

適正規模などのくらい?

「復興院専門家」としての博士号修士号取得者の期限付き大量採用

社会福祉協議会の臨時職員採用&その

福島第1原発各号炉、廃炉への動きを受けて

自粛から応援へ

*****

まだまだ、アイディアのスケッチ段階に過ぎないが、
何とか肉付けし、世に問うてみたい。

そう思っているところ。



                          (中米時間4月2日アップ)

強化アドベによる建物建設ワークショップを終えて

2011-03-30 23:43:24 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
中米時間 2011年3月30日(水)

丸2日の強化アドベによる建物建設ワークショップを終えて、
8時過ぎにホンジュラス・チョルテカを出発、
エルサルバドルへの帰路に就く。

車中でも議論となる。

アドベ、つまりは日干しレンガを部材として家を建てるのは、
アドベ作成にかかる人件費がカウントされないような場所、
つまりは農村部や失業者が多い場所であればこそ、という話。

30cm×30cm×14cmのアドベは、
慣れれば1つ1分もかからずに型抜きが出来、
がんばれば、1日200個くらいは作れる。
アドベに適した土、適していない土があるが、
適した土を選ぶノウハウはある。

強化アドベ住宅では、干しレンガで壁や柱を作る際、
竹に似た植物を乾燥させたものを縦横に組み込む。
セメント代も節約して、モルタルの代わりにするのはアドベと同じ素材の土。
それでも、従来工法に比べれば、それなりの耐震性はある。
まぁ、しっかりとした施工管理がなされれば、という、条件はあろうが。

農村部や失業者が多い場所、つまりは、
きちんとした教育を受けているのかもあやしい人びとが多い場所で、
どうやってこのノウハウを伝えるか、という、極めて大きな課題はある。
基本はビデオということになるのだろうが。
誰かが行脚しつつ、合わせて説明をして、実際に見せて、やらせて、
というプロセスが求められるのは言うまでもない。

問題は、今回の避難所建設のように、公共セクターが関与する場合。
公共施設には、しっかり予算を組んでしっかりとした部材で使用すべきであり、
避難所のような公共施設にアドベを使うのはいかがなものか、という議論は、
もちろん、正論であると、「旅の坊主」も思う。思うが……。

ホンジュラスのみならず中米諸国には、
公共施設も住民参加型で作らなければならない、という場所が、
まだまだあるのではないか、と思われてならない。

自治体や国が、しっかりと予算をつけてくれればいい。
しかし、実態は予算のほとんどが人件費で消える、というのがごろごろ。
とすれば、セカンドベストの方法としての耐震アドベ公共施設建設も、
それなりに追求してよいのではないか、
そんな風に思うところであった。

13時過ぎにコロニア・エスカロン地区の自宅に戻る。
昼食もとらず、メール等チェックの後、
Sリーダーの車でオフィスに顔を出す。
といっても、さすがに5時間の陸路移動後ゆえ、
あまりがんばる体力も残っておらず。
比較的明るいうちに失礼することに。
(といっても、内務省市民防災局の終業時間から2時間は経っているが。)

自宅に戻り、日本での活動支援が続く。



                            (4月1日アップ)

東日本大震災支援全国ネットワーク設立総会に思う

2011-03-30 17:51:17 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
日本時間 2011年3月30日(水) 17:50
中米時間 2011年3月30日(水) 02:50

このブログ原稿を書いている頃、
東京では、東日本大震災支援全国ネットワーク設立総会が行われていた。

日本の災害救援系ボランティアの歴史に、
大きく刻まれるであろう日になった。

大きな方向性は一緒でも、そこはまだ、
緩やかなネットワークの段階であって、
どこまで具体化できるかはこれからの話。

課題が具体的になればなるだけ、
ぶつかる点も出てくるだろう。

災害救援に慣れたボランティア団体もあるが、
ビギナーに近いボランティア団体もあろう。
気持ちだけが先走っては、長い目で見れば被災者が迷惑する。

「寄り添い」
「支援の行き届かない場所を作らない」
「最後の一人まで見逃さない」

このネットワークの設立によって、
より組織的な対応が可能になればと思うが、
それには、まだまだ時間がかかろう。

ともあれ、これから大きな挑戦が始まる。
「旅の坊主」としても、しっかりと支援をしていきたい。

東日本大震災支援全国ネットワーク オフィシャルページ
http://www.jpn-civil.net/


                        (リアルタイムにてアップ)

民主党の復興支援策(原案)への違和感の源はどこに?

2011-03-30 16:50:28 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
日本時間 2011年3月30日(水) 16:50
中米時間 2011年3月30日(水) 01:50


3月25日付の朝日新聞に、
民主党による震災復興策の原案についての記事が載っている。

記事のクリップは、静岡の盟友Yさんに送ってもらったのだが、
根本的なところに違和感がある。
で、その源が何なのか、ずっと考えていているような次第。

「旅の坊主」自身、未だ十分見えている訳ではないのだが……。

既存の制度を可能な限り活かす。
その発想は間違いではないのだろうが、正解とも思えない。

今までの発想の延長で、
この時代に見合った、
この超巨大超広域災害からの復興の絵が描けるのか。
その点がどうしても腑に落ちないのであった。

財政支援はもちろん必要だろう。
では、人材の支援は?
経費は地方交付税などで何とかするから、
各市町村で人(チーム)は選んでね、
ということなのだろうか?

既存制度の補助率アップで何とかなる部分もあるだろう。
だが、各地に、元と同じ場所に、元と同じものを作る、
そんなアホはやらないだろうが、そんな余裕もないはず。
また、今後の高齢化社会を考えると、
中長期的にそれらが維持可能とも思えない。

高地移転、選択と集中、職住分離、等々。
それらのキーワードからぶれるようであれば、
結果的に悔いを残すことになると思う。

国際協力の有名な一節に曰く

魚を与えるのではない。
魚の獲り方、漁具の繕い方を教えるのだ。

このテーゼは、今回の場合、
どうすれば具体化できるのだろうか。

民主党案も、まだまだ模索段階ではあろう。
良き方向へと向かう一助になれば、と、
ない知恵を絞るも、今一つ、絵が描けない……。


                         (リアルタイムにてアップ)

マンツーマンでの寄り添いを形に

2011-03-29 12:36:52 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
日本時間 2011年3月29日(火) 12:35
中米時間 2011年3月28日(月) 21:35

静岡県が岩手県遠野市に設置した現地支援本部に、
川勝知事らと共に3月25日、フジドリームエアラインの
チャーター便で現地入りした同僚I先生が大学に戻られた。

極めてお忙しいと拝察する中であったが、
有り難いことに状況を知らせるメールをいただく。

先に、日本版の「対口支援」を仕掛けられないかと、
ブログに書いた。

静岡県の現地支援本部は、岩手県との協力の下、釜石市、
大船渡市、大槌町、山田町を主に担当するとのこと。

他にも、兵庫県(+徳島県)が、宮城県の石巻市、気仙沼市、
南三陸町をカバーする現地支援本部を発ちあげていると聞く。

国のリーダーシップによるものとは思えないが、少なくとも2ヵ所で、
この種の「対口支援」が始まっていることは、大いに評価すべきこと。

静岡県が寄り添おうとしている市町には、町長以下町の幹部が津波に襲われ、
行政機能が壊滅的な被害を受けた大槌町もある。

I先生は、同じく本学のT先生らと協力しつつ、
この大槌町で、被害調査~被災者支援~復興まちづくりに向けての
準備作業の支援をするとのこと。

寄り添いは、やはりマンツーマンに勝るものなし、
I先生からのメールに、そのような思いを新たにする。

寄り添い、共に歩いて行けるか。
それが、外からの支援のあるべき姿なのだな、と。

であればこそ、2ヵ所以外にも、両県以外の都道府県による
現地支援本部が立ち上がってしかるべき、と思うのだが……。

(それとも単に「旅の坊主」が不勉強で、
もっともっと多くの支援本部が立ち上がっている、というのならば、
しっぽをまいて退散するのみ、なのだが……。)



                          (リアルタイムにてアップ)