「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「旅の坊主」イランへ

2008-05-31 23:34:46 | 国際防災協力
 「旅の坊主」の道中記、久々の更新となります。

 自分のブログなのに雑事に追われて更新も滞って3か月近く。ゆっくりモノを
考えられるのは、どうも?やはり?旅に出ている時のようです。そんな生活が
良いのか悪いのかは、横に置いておくこととして、ともかく文字通りの「道中記」
です。

 おっと、その前に。

 お気づきになっている通り、思うところあって文体を変えてみました。読者各位
の中に、喜多悦子という方をご存じの方、いらっしゃいますか?国際医療保健
分野の大先達で、今は日本赤十字九州国際大学の学長を務めておられます。
その喜多先生が「学長室便り」というブログを書いているのを、つい最近見つけ
ました。「喜多先生は筆が立つ」という話は以前から聞いていましたが、いやぁ、
聞きしに勝る、何とも素晴らしい文章です。その人柄のにじみ出た文章を読んで、
「旅の坊主」もかくありたい、と思ったような次第です。喜多先生の域には遠く
及びませんが……。

 さて、今回の目的地はイランです。今年3月の中米・コスタリカ行きに引き続き、
JICA(国際協力機構)の短期派遣専門家としての渡航で、JICAとイラン国による
「イラン国地震後72時間緊急対応計画構築プロジェクト」に携わります。6月19日
の帰国までの3週間弱、テヘラン市防災局(Tehran Disaster Management and
Mitigation Organization, TDMMO)に机をあてがわれ、部内向けに講義を3回と
市内各区の関係者も交えたワークショップを6回行う、というのが与えられた役割
です。といっても、「具体的な内容は現地で」というのは、国際防災協力の現場
ではいつもの話。

 大学を出るまではいつもと同じ木曜日でした。ゼミの時、学生への指示事項が
多かったのが、違いといえば違いでしょう。大学近くの仮寓に戻り、サムソナイト
のスーツケースにモンベルの旅行用バッグという、いつも通りの荷造りを終えた
後、タクシーで新富士駅へ。名古屋まで新幹線、さらに名鉄特急に乗り換えて
中部国際空港に着いたのがちょうど21時でした。

 イランではクレジットカードが使えない!とのことで、いつもの時よりかなり多くの
米ドルとユーロの現金を持って、エミレーツ航空EK315便(JALとのコードシェア
便)ドバイ行きの客となりました。

 JICAの短期派遣専門家は(日当宿泊費等の実費は別として)、ワークショップや
講演を何回やっても(JICA側から)ギャラは出ない、(先方が出しても)もらっては
いけない、という約束なのですが、その埋め合わせに?空路移動にはビジネス
クラスを用意してくれます。というので、「禁酒国」イランへの旅は、5月29日(木)
の22時過ぎ、A340-300型機のビジネスクラスのシートで、「向こうに着いたら
しばらく酒が飲めないなぁ……」と思いながら、ウェルカム・ドリンクのシャンパンを
飲むことでスタートしたのでした。