「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

ようやくマンションにネット環境整う

2010-09-30 23:16:42 | 国際防災協力
いつも通り、7時にマンションを出発。
内務省ビル4階のオフィスで仕事。

なかなかシャープな文章にはならないが、
ともかく、プロジェクトのPR用文章を書き続ける。
あとは良い写真を見つけて来て、写真の説得力を借りようと思う。
ホームページなのだから、まずは短く、わかりやすい文章を、と心がける。

昼食は、出入りのお弁当屋さん(のようなもの)が
日替わりで注文を取ってくれる。
今日の昼は、丸くて薄いソフトパンの間に肉や野菜を刻んだものをいれたもの。
それに、衛生的かどうかはかなり疑問の、(ビニール袋に入れた)お手製ジュース。
ありがたいことに、出国から約半月、腹の調子は問題ない。
というので、まったく気にせずジュースもいただく。

オフィスのネット利用方針の絡みで、メーラーが使えない。
自室のネット環境整備は待たされ続け。さすがにたまったメールも気になってくた。
幸いにもニフティーはウェブアクセスも出来るので、こちらを初めて使う。
これからは、嫌でも慣れなくてはならないようであった……。

事務所のKさんから、
「仕事を探しているメイドがいるのだが、いかがか?」とのメールが入っていた。
携帯に電話して、前向きに検討することを伝える。
詳細は、夕食にお誘いして聞かせてもらうことにする。

マンションに戻ってしばらくしたら、ドアベルが鳴る。
何かと思いきや、期待しないで待っていたインターネットの工事。
おかげで、有線でも無線でもネットが使えるようになる。
これは助かった。ようやく、環境整備の一つの山を越えられた。

Kさんが、耐震プロジェクトに国交省から派遣のHさんに声をかけてくれたので、
鎌倉という日本料理店で、3人で夕食。
今宵はビールに餃子・焼き鳥、ご飯ものとしてはかつ丼という、
いささかハイカロリーの夕食となった。

21時過ぎに地震。といっても、移動中だったのか全く気付かず。
それでも、事務所から緊急連絡網が回ってくる。
こういう細かいところもおろそかにしないのが、在外勤務ということなのだろう。
事務所の皆さんに改めて感謝する次第。

                                   (10月1日アップ)

大臣主催朝食会に始まり、ベリーダンスの送別会で終わる

2010-09-29 23:36:20 | 国際防災協力
雨の中、6時50分にマンションを出発。

一度オフィスに寄った後、当地の公共事業省へ。
プロジェクトのH専門家の帰任にあたり、
当地のM公共事業大臣が朝食会に招いて下さる。
プロジェクト4名と事務所から3名。先方は大臣以下3名。
10名でテーブルを囲む。

フルーツ、メインプレート、コーヒーと、
略式ではあるが立派な食器、立派な朝食であった。
当地の物価を考えると、
ケータリングサービスで一人当たり6~7ドルかな、と、
あまり品の良い話ではないが、ちょっと考えてみる。

「コミュニティのレベルで実施可能な土木工事のノウハウを開発した」

Hさんが大臣に語った内容であるが、
こういう発想のすばらしさ、
そして、発想のみに終わらせることなく実際に技術開発したこと、
このことが、どのように伝えられているのだろうか。

開発援助にセンスある者ならば、
この一言だけでわくわくしそうなものなのだが、
こちらのPR不足なのか、なかなか理解してもらえてなさそうである。
「旅の坊主」に出来ることは何か、と思う。

戻り、昼前から午後にかけ、
プロジェクトBOSAIの活動をどのようにPRしているか、
JICAのホームページ本体や、各国事務所からのリンク状況など
いろいろと調べる。

で、愕然とする。
ほとんど何も発信されていなかった。

甚だしくは、活動を展開している国なのに、
事務所ページの「活動中のプロジェクト」のリストから漏れているところすらあった。
うーん……。

「いずれ、ネット上になければ、存在していないも同じことになる」
そう言われたのは15年以上昔のこと。
Big Mouse Small Handsでは困るが、
感動すら覚えるコンセプトが、記述さえされていないとは……。

遅筆で有名な「旅の坊主」ではあるが、一応はモノ書きの端くれ。
仕事柄、文章書きには慣れている。
材料は山ほどある訳だし、今週なら時間もある。
今やらないと次はいつ取り組めるかわからない、との思いもこれありで、
ともかく書き始めることにする。

ありがたいことに、
定時の概念がちゃんとあるのが在外勤務。

一旦マンションに戻り、
着替えた上で、夕方はワインテイスティング。
サンサルバドルで、ボルドーワインしか扱わない店が成り立つのか、
いささか気になるも、
7ヶ国語をしゃべるというオーナーの軽妙な営業トークは、
なるほど営業とはこういうものか、と、考えさせられた。

さらに、事務所の「S女王」が幹事となっての、Hさんご夫妻の送別会。
誰の趣味かは知らないが、ラテン風の?ベリーダンス。
事務所の職員も専門家も、
在外勤務の女性はキャラも濃ければ、飲み方も気合が違う。
オフの時間は、楽しく過ごせそう。

いい感じに酔って、マンションに戻る。

                                    (10月1日アップ)

JICA長期派遣専門家の一日ってこんな感じ

2010-09-28 23:10:08 | 国際防災協力
いつものように?シャワーとカフェオレの朝食。
朝7時にマンションを出る。
役所の定時は7時半~15時半という、朝型の国。

朝方、H専門家から、
土砂災害を予見する(させる)ためのノウハウとしての、
H流にアレンジされたSnake Line and Critical Lineについての説明を受ける。

なるほど、考え方は明確で、かつシンプル。
また、そうでなければ、コミュニティのおじちゃんおばちゃんが使う、
土砂災害からの早期避難ツールになる訳もない。
1点だけ疑問点はあったが、その疑問点についてはHさんも了解して下さる。
あとは、今後、コミュニティに入って使う側の「旅の坊主」に任せるよ、と。

この、Snake Line and Critical Lineを使ったコミュニティ防災、
唯一の何点は、データの蓄積が必要とされるということ。
でも、こればかりはどうにもならない。
継続は力なり、を、言い続けるしかない。

9時半過ぎにオフィスを出て、中米統合機構(SICA)へ。
旧知のS専門家を訪ねる。
SICA訪問は今回が初めて。前日夜の小洒落た中華料理店に近いところにあった。

母校の先輩でもあり、国際協力の先輩でもある。
赴任中はいろいろとお世話になることも多いと思うが、
まずはご挨拶ということ。

SICAのブリーフィングを受けると共に、
いろいろと面白そうな活動について情報をいただく。
こういうところは、同じ日本人社会の有り難いところ。
スペイン語さえ話せれば、どんどん突っ込んで行くのだが、
こればかりはしばらくはどうにもならず。というので、
日本人社会のネットワークに甘えることとする。

帰路、UCA(中米大学、当地の名門私大)に、Bさんを訪問。
JICAによる耐震プロジェクトは、いわば兄弟プロジェクトのようなもの。
Bさんはその現地コーディネーターで、今回は着任挨拶となる。

Bさんはエルサルバドル人だが奥さんは日本人。
日系企業に勤めていたこともあって日本語はペラペラ。
隣接領域のプロジェクトに、こういう方がおられるのは大変ありがたい。

いい活動をしているなぁ、と、素直に敬意を表したい。
パンフレットを1セットいただく。
お金はかかっていると思うが、いかにも質の良いもの。
この部分は、率直にうらやましいなぁ、と、思う。

昼食はオフィス近くの地元向けレストランで、
昨日に引き続き、メキシコに戻られるIさんも交え、
プロジェクトメンバー5名で一緒に。

Hさんからいただいた、BOSAIプロジェクトに関連する
ミニプロジェクトのリストなどをいただき、
自分なりにこれからの仕事の進め方を考えてみる。
本気になればなるだけ、やるべきことも増えてくる。
限られた時間と能力の限りで、どの辺りが現実的な到達目標か、
ここ1ヶ月の間で、メドをつけなくては、と。

16時過ぎに退庁。

金曜日に入るはずのネットが、
月曜日に入らず、今日火曜になっても入らない。
オフィスのネット環境の規定で、ウェブは問題ないがメールを落とすことが出来ない。
メールソフトを使いなれた身には、こいつがなかなか……。
まぁ、怒ってもはじまらない訳で、ここは「じっと我慢の子」となる。

Hさんの奥さまからプロジェクト専門家3人に
ビーフシチューの差し入れ。
というので、今宵は外に食べに出ることもせず、
自室にて夕食。

                                   (10月1日アップ)

本格始動!

2010-09-27 23:21:22 | 国際防災協力
実質的な活動初日と言うべきか。

完全な夜型の「旅の坊主」にしては極めて珍しいことながら、
必要に駆られて6時前に起床。シャワーとカフェオレの朝食。

プロジェクトのポロシャツにカーゴパンツ、
足ごしらえはトレッキングシューズというのだから、
どう見ても現場対応のいでたちではあるなぁ。

7時にマンション発。
Hさんの車に便乗し、Sリーダー共々、内務省ビル4階のプロジェクトの部屋へ。

月曜朝のミーティング、H専門家からの引き継ぎなど、
プロジェクトが本格始動した感あり。

10時を過ぎてJICA事務所へ。
メキシコ在住のコンサルタントIさんが
プロジェクトのサイト(コミュニティ)を回ってきてくれて、
その報告会。

十分、わかっていたはずの話ではあるが、
プロジェクトの難しさ、サイトの数の多さ、散らばりの広さに比べ、
関係者数の少なさには愕然とさせられる。

プロジェクトは6ヶ国24自治体の49サイトに及ぶ。
それに対して日本人専門家はわずか3人。
各国の現地職員に、BOSAIの精神をしっかりと伝え、
彼らに動いてもらう以外に方法はない。
そこに横たわる言葉の壁……。

日本から『もしドラ』は持ってきたが、
まさに、マネジメントのセンスこそが求められるのだと、改めて思う。

Iさんも交え、プロジェクト関係者5人で、
いつもの?日本料理店「日本一」にて昼食。

事務所に戻り、諸々の課題をメモにまとめる。
あっという間に、A4ならぬレターサイズ2枚が埋まる。
わずか1年の滞在で、どこまで出来るだろうか……。

一旦マンションに戻った後、
Iさんを除く4名にワシントンからのお客さまHさんを交え、
とあるショッピングモールにある洒落た中華料理店でいろいろと話す。
BOSAIに資金を取り組むにはどうすればよいのか。
一方で、住民と共に汗を流して成果を出しつつも、
他方で、BOSAIへの投資を促し、
BOSAIで人が食べていける仕組みを作って行かないと、
どの道、どこかで限界が来る。

そのための仕掛け作り。まことに難しい課題であるが、
ここでがんばらなければ、であった。

ショッピングモールの中には、これまた洒落た洋菓子屋があり
美味しいシュークリームを売っていた。

2つほど買って帰り、前日に引き続きHさんにネット環境をお借りしつつ、
奥さまも交えた三人で、いろいろと話す。

                                (9月30日アップ)

雨の一日に

2010-09-26 23:34:24 | 国際防災協力
雨の日曜日となる。

日本基準であっても、被害の出方がどこか気になるレベルの強い降り。
いわんや当地では、と、思いつつも、
テレビのチャンネルすらろくにわからず、わかってももちろんスペイン語はわからず、
部屋のインターネット環境は月曜日、
という訳で、何も出来ない、何の役にも立たない自分がいた。
何のために来ているのだろうか、と思いつつも、
開き直るしかない訳で、さすがにちょっと情けなかった。

昼過ぎまでベッドでごろごろ。
日本から持ってきた、ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』の上巻を読み始める。
100ページほど読み進めるが、なるほど、これはおもしろい!
発展段階の差が、本当は何を原因としているのか。
中米でBOSAIを考える上でも、大きなヒントを与えてくれそう。

Hさんから差し入れをいただき、さらにネットも使わせていただく。
有り難い話である。
時が過ぎ、後任が決まって赴任して来た時、
その人にそれだけの親切が出来るか。しっかりと記憶しておこう、と。

結局のところ、
何だかんだと、あり合わせでの食事となってしまった。
うーん……。

                              (9月30日アップ)