たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

蛇の多様性

2020-06-23 09:43:34 | 古代の出雲

<阿須伎神社 あすきじんじゃ>

 

石見地方の神楽において、

神様のご神体として登場するワラヘビは、

石見以外の地域では「荒神様」への供物として

扱われることがあるそうです。

以前、「ヤマタノオロチ」について考察した際、

「オロチ」を何に見立てるかで、物語の様相が

ガラッと変わってしまうと書きましたが、

長い時代に渡る信仰の多様化や、

渡来人などとの接触の中で、

「蛇」という生き物は様々な

ポジションを与えられて行ったのでしょう。

 

時には神そのものとして、

時には神の依り代として、

また時には神に歯向かう敵として、

その折々で変幻自裁に立場を変化させながら、

日本人の生活に息づいてきたのだと思います。

 

恐らく、「蛇」への信仰が持ち込まれた当初は、

「大元神楽」に登場するワラヘビのように、

「神」の化身として手厚く扱われていたはずです。

それがいつの間にか「オロチ」という悪者へと転化し、

「神に成敗される対象」として

言い伝えられるようになりました。

果たして、その過程においては

どんな出来事が起こっていたのか、

出雲一帯に残る「蛇の痕跡」を

さらに追いかけてみたいと思います。