たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

龍蛇神信仰

2020-06-26 09:50:56 | 古代の出雲

<五十猛町大浦>

 

出雲地方には古くから、龍蛇神信仰

(りゅうじゃしんしんこう)とでも言うべき、

特徴的な信仰が根付いております。

「神有祭」が行われる11月ごろ、

近隣の浜辺に打ち上げられる「セグロウミヘビ」を、

地元の人は龍蛇(りゅうじゃ・りゅうだ)神と呼び、

全国から出雲へとやってくる

八百万の神々の先導役と捉えているのだとか……。

出雲の主要神社で見かける亀甲紋という神紋も、

実はウミヘビのウロコの六角形を模した型で、

別名として「竜鱗紋」との名を持つと聞きました。

 

また、神有祭の中心地である出雲大社だけでなく、

佐太神社・美保神社・日御碕神社など、

出雲地方では「龍蛇」をご神体

とする神社があちこちに散らばり、

また、西隣の石見国大田のあたりには、

「龍蛇神」を奉納する風習や、

「龍蛇と朝鮮半島」とのつながりを示す

言い伝えが残されているのだそうです。

いずれにせよ、「龍蛇神」への信仰が、

出雲周辺の広い範囲に伝播した、

「特殊祭祀」であることは間違いないのでしょう。