<静間神社 しずまじんじゃ>
昨日、西伯耆~東出雲にかけての一帯に
「ワラヘビ文化」とでも呼ぶべき、
独自の民間信仰が伝わって
いることをご紹介しました。
実は、出雲の西隣・石見地方の
民俗芸能である「石見神楽」も、
ワラヘビと深い縁を持つとされるお祭りでして、
現在のような娯楽性の強い演目に変わるまでは、
「ワラヘビ」が祭りの主役を努めていたと聞きます。
島根県西部の山間地・邑智(おおち)郡一帯には、
このような石見神楽の古式を受け継ぐ
「大元(おおもと)神楽」が伝わり、
神の依り代となった長さ七尋半
(13.5メートル)のワラヘビが、
激しく体をくねらせながら
舞殿を踊りまわるのだとか……。
ちなみに、こちらの「大元神楽」は、
神職が神がかりを起こしてお告げを聞く
「託宣(たくせん)」を伝承する
数少ない神楽のひとつで、地域の祖先神である
「大元神」への信仰が元にあるのだそうです。
石見神楽の代名詞でもある
「ヤマタノオロチ」の物語では、
最後に大蛇はスサノオによって
切り殺されて終わりますが、
大元神楽の中心となる神事においては、
大蛇は最後まで厳粛に扱われ、
お祭りが終わると神社の境内にある
ご神木に丁寧に巻き付けられると聞きました。