たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

三瓶山

2020-06-01 09:13:44 | 古代の出雲

<三瓶山>

 

古くは、佐比賣山と呼ばれていた三瓶山は、

縄文時代に大きな噴火を起こし、

一帯の地形を大きく変化させたと聞きます。

三瓶山からの噴出物は、神戸川を伝って

当時水辺だった出雲平野の西部に堆積し、

後にその周辺に多くの弥生遺跡が出現したのだとか……。

 

一方、斐伊川上流部で「鉄穴流し」が

行われていた出雲平野東部では、

大量の土砂が切り崩されて下流へと流出したことが、

現在の地形を形作った最大の要因となったそうです。

いずれにせよ、縄文時代から弥生時代に起こった、

出雲近辺の地形変動や「渡来人の来歴」が、

国引き神話に影響した可能性も高いのでしょう。

 

ちなみに、三瓶山麓にある縄文遺跡からは、

縄文の各時代の土器が出土し、

また三瓶山の山頂付近には、

中国地方では滅多に見られない

ブナ林の原生林が存在するといいます。

 

また、遺跡内では東北地方で作られた土偶や、

隠岐島や九州産の黒曜石などが

発見されたことなどを踏まえると、

「弥生」のイメージが強い出雲の中でも、

ひときわ「縄文」を感じさせる場所が、

三瓶山のあたりだといえるのかもしれません。