たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

野城大神

2020-06-11 09:00:47 | 古代の出雲

<能義神社 のきじんじゃ>

 

「出雲四大神」の一柱である野城大神は、

唯一登場する『出雲国風土記』での扱いも少なく、

またこの神を祀る神社もほぼ見当たらないという、

何とも謎多き神様です。「出雲四大神」に数えられる

他の三柱(熊野大神・杵築大神・佐太大神)が、

長い時代に渡り立派な社と厚い信仰を

維持し続けている一方で、こと野城大神に関しては

その由緒さえほとんど残っておらず、

唯一の手掛かりである能義神社(のきじんじゃ)

を訪ねてみても、そこには「四大神」が

祀られていたとは思えないほど

質素な社が建っているだけでした。

 

ちなみに、現在の能義神社のご祭神は、

出雲国造の祖とされる天穂日命(アメノホヒ)で、

大祭時には出雲大社の宮司も参拝に訪れると聞きます。

境内には、アメノホヒの子孫である

野見宿祢(のみのすくね)を祀る野見社があることから、

もしかすると野見宿祢の「ノミ」というのは、

「のぎ」や「のき」とのつながりを

示す名称なのかもしれません。

野城大神を歴史の闇に追いやった

経緯はいかなるものだったのか……、

他の「出雲四大神」を考察する際に、

改めて取り上げられればと思います。