たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

混交の名残

2020-06-17 09:28:54 | 古代の出雲

<阿太加夜神社 あだかやじんじゃ>

 

出雲近辺の神社を巡っておりますと、

「大国主神の子供」「大国主神の妻」

などと紹介されるご祭神が、

あちこちにお祀りされていることに気づきます。

 

こちらの阿太加夜神社もしかり、

ご祭神である「阿太加夜奴志多岐喜比賣命

(あだかやぬしたききひめ)」は、

出雲の地を守護する鎮守神であると同時に、

大国主神の御子神でもあったのだとか……。

 

また、阿太加夜神社の「あだかや」とは、

朝鮮半島の安羅伽耶(あらかや)にちなんだ名称であり、

「阿太加夜奴志多岐喜比賣命」は、伽耶国ゆかりの姫

(アメノワカヒコの妻である下照姫命という説も)

という意味を表す……などの話も耳にしました。

 

出雲を中心に活躍する「大国主神」という神は、

先祖であるスサノオの来日譚などから、

「渡来系」という説が有力視されておりますが、

個人的には「渡来人の系譜を持つ国津神」

といった表現が一番近いような気がいたします。

 

もしかすると、出雲の地に祀られる

「大国主神の家族たち」というのは、

スサノオを信仰する神筋の渡来人と、

日本に居住していた国津神家系の

人々との混交の名残なのかもしれません。