たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

佐伎の国

2020-06-04 09:32:35 | 古代の出雲

<佐太神社 さだじんじゃ>

 

『出雲国風土記』の国引き神話において、

八束水臣津野命が二番目に引き寄せたのが、

北門の佐伎の国(きたどのさきのくに)です。

のちにこの一帯は「狭田の国(さだのくに)」

と呼ばれるようになり、現在中心部には

佐太神社という名の古社が鎮座しています。

 

諸説ある「北門の佐伎」の比定地の中でも、

最も有力視されているのが「隠岐の島」でして、

先日ご紹介した「薗の長浜」がある杵築の地と同様、

こちらも「出雲縄文人と混血した人々」

という視点で神話をひも解いてみますと、

隠岐の島と関わる渡来人の影が見て取れますね。

 

今も昔も隠岐の島は、

大陸との交易ルートの重要拠点ですし、

実際に隠岐の島の弥生遺跡からは、

面長で高身長の渡来系と思われる人骨が

多数見つかっているそうです。

また、「北門の佐伎」を「高句麗」

とする説を元に考えれば、朝鮮半島東部だけでなく、

朝鮮半島北部とのつながりも無視できないのでしょう。