たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

複雑な裏歴史

2020-06-02 09:23:02 | 古代の出雲

<長浜神社 ながはまじんじゃ>

 

出雲平野の西端・神戸川の河口近くに、

「国引き神話」の主人公である

「八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)」

を主祭神とする長浜神社(ながはまじんじゃ)

が鎮座していました。

 

先日ご紹介した三瓶山は、

新羅から引っ張ってきた土地を

つなぎとめた場所でしたが、

その際に使用した綱が長浜神社の一帯を含む

「薗の長浜」になったと聞きます。

 

ちなみに、八束水臣津野命という神様は、

出雲の祖神とも呼べる立場にあるにも関わらず、

この神を祀る神社は意外に少なく、

島根県内でわずか五ヵ所ほどなのだとか……。

そのうちの四ヵ所が、出雲市内に

集中しているとのことですから、

八束水臣津野命は西出雲一帯を支配していた

豪族の長であったとも考えられますね。

 

何でも『出雲国風土記』には、

「事代主神」「少彦名神」など

東出雲系の神がほとんど登場しないそうですし、

もしかすると古代出雲の「東」と「西」の間には、

文献には残されていない

複雑な裏歴史があったのかもしれません。