<長浜神社 ながはまじんじゃ>
出雲平野の西端・神戸川の河口近くに、
「国引き神話」の主人公である
「八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)」
を主祭神とする長浜神社(ながはまじんじゃ)
が鎮座していました。
先日ご紹介した三瓶山は、
新羅から引っ張ってきた土地を
つなぎとめた場所でしたが、
その際に使用した綱が長浜神社の一帯を含む
「薗の長浜」になったと聞きます。
ちなみに、八束水臣津野命という神様は、
出雲の祖神とも呼べる立場にあるにも関わらず、
この神を祀る神社は意外に少なく、
島根県内でわずか五ヵ所ほどなのだとか……。
そのうちの四ヵ所が、出雲市内に
集中しているとのことですから、
八束水臣津野命は西出雲一帯を支配していた
豪族の長であったとも考えられますね。
何でも『出雲国風土記』には、
「事代主神」「少彦名神」など
東出雲系の神がほとんど登場しないそうですし、
もしかすると古代出雲の「東」と「西」の間には、
文献には残されていない
複雑な裏歴史があったのかもしれません。