たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

三穂の地

2020-06-06 09:39:23 | 古代の出雲

<弓ヶ浜海岸>

 

八束水臣津野命による「国引き」

の仕上げが行われたのは、

島根半島の東端に位置する「三穂の地」でした。

杵築の地・狭田の国・闇見の国を

造り上げた八束水臣津野命は、

最後に「高志の都都の三崎(つつのみさき)」

から土地を引き寄せ、現在の美保神社のある

一帯に弓ヶ浜半島を完成させたと聞きます。

 

ちなみに、高志の都都の三崎とは、

能登半島の珠洲の岬のことを指し、

また、土地を固めるために立てた杭が

「伯耆国の火神岳(大山)」になったのだとか……。

以前、「能登の神社」の記事内でも書いたように、

能登一帯も「渡来系の痕跡」が色濃く残る場所ですから、

恐らくは「能登」に漂着した渡来人が、

この弓ヶ浜の近辺までやってきた

経緯があったのかもしれません。

 

風土記が編纂された時代には、

まだ完全な陸地ではなかったようですが、

弓ヶ浜に立ってその地形を眺めてみますと、

いかにも「綱」を渡したような弓型の海岸線が、

弧を描くようにして延びている様子が確認できました。