<松江城>
10年に一度、松江市で催行される
ホーランエンヤというお祭りは、
主に3つの神事で構成されており、
城山稲荷神社のご神霊(宇迦之御霊神)を、
船で阿太加夜神社へと先導する「渡御祭」、
阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)で行われる
7日間の祈祷とその中日に行われる「中日祭」、
そして阿太加夜神社に安置されたご神霊を、
再び城山稲荷神社に船でお送りする
「還御祭」がメインとなります。
何でも、慶安元年(1648年)、
天候不順による凶作を避けるために、
松平家初代松江藩主・松平直政公が、
阿太加夜神社の神主(城山稲荷神社の神主も兼任)
である松岡兵庫頭に命じ、城内に祀られた
城山稲荷神社のご神霊を阿太加夜神社まで船で運ばせ、
五穀豊穣を祈願させたのがお祭りの発端なのだとか……。
この松岡兵庫頭という神主は、
松江城の築城時に起きた様々な問題を、
その祈祷力により解決したそうですから、
もしかすると以前記事にした「松江城の人柱」
の裏側を知る人物でもあったのでしょう。