たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

「有」の神紋

2020-06-09 09:54:14 | 古代の出雲

<真名井神社 まないじんじゃ>

 

出雲国府跡にある「六所神社」から

北西に向かって10分ほど歩くと、

同じく意宇六社のひとつ真名井神社

(通称:伊弉諾さん)が見えてきます。

室町時代には、伊弉冉尊(いざなみのみこと)

を祀る神魂神社(かもすじんじゃ)と合わせて、

「両神魂(りょうかもす)」と称されていたとのことで、

出雲国造家が主斎していた時代もあるのとか……。

また、出雲大社の例祭や出雲国造家の

世継(火継式)の際には、真名井の滝の聖水が

御神水として用いられたとも聞きますから、

出雲国造家と深いつながりを持つことは確かでしょう。

 

ちなみに、こちらの神社の神紋は

「二重亀甲に有」という形でして、

この印は真名井神社・神魂神社・六所神社、

そして出雲大社(現在は異なる)のみで

使用される特殊な紋なのだとか……。

何でも、神有祭が行われる10月の「十」という漢字と、

「月」という漢字とを組み合わせた形だそうですが、

実は「有」という漢字は、「手で大事に肉をかかえ持つ」、

つまり「神にささげる供物の肉を手で持って

神を饗応する」という意味深な文字なのでした。