<真名井神社 まないじんじゃ>
出雲国府跡にある「六所神社」から
北西に向かって10分ほど歩くと、
同じく意宇六社のひとつ真名井神社
(通称:伊弉諾さん)が見えてきます。
室町時代には、伊弉冉尊(いざなみのみこと)
を祀る神魂神社(かもすじんじゃ)と合わせて、
「両神魂(りょうかもす)」と称されていたとのことで、
出雲国造家が主斎していた時代もあるのとか……。
また、出雲大社の例祭や出雲国造家の
世継(火継式)の際には、真名井の滝の聖水が
御神水として用いられたとも聞きますから、
出雲国造家と深いつながりを持つことは確かでしょう。
ちなみに、こちらの神社の神紋は
「二重亀甲に有」という形でして、
この印は真名井神社・神魂神社・六所神社、
そして出雲大社(現在は異なる)のみで
使用される特殊な紋なのだとか……。
何でも、神有祭が行われる10月の「十」という漢字と、
「月」という漢字とを組み合わせた形だそうですが、
実は「有」という漢字は、「手で大事に肉をかかえ持つ」、
つまり「神にささげる供物の肉を手で持って
神を饗応する」という意味深な文字なのでした。