<朝山神社 あさやまじんじゃ>
『出雲国風土記』にも登場する出雲市の朝山神社には、
神魂命(かみむすび)の御子である、真玉着玉之邑日女命
(またまつくたまのむらひめ)が祀られており、
大国主神が毎朝この女神の元に通われたことから、
「朝山」という名がついたと聞きます。
朝山神社近くの造成地からは、
メノウや水晶などたくさんの玉石が出るとも言いますし、
ご神名の「真玉」とはこの地で採れた様々な鉱物や、
近隣の「玉造」とのつながりを示す言葉なのかもしれません。
実はこの朝山神社は、出雲大社を中心に
行われる「神有祭」の際、最も早く神々が
立ち寄られる場所だそうで、八百万の神々は、
まず10月1日から10日まで朝山神社に滞在し、
11日から17日までは出雲大社、
その後佐太神社へと向かわれてから、
最後に万九千社に立ち寄って、
各々の故郷へと戻って行くのだとか……。
となると気になるのが、先日ご紹介した
「六所神社」に残る「神有祭に先んじて
全国の神々が集まった」との由緒ですね。
果たして、両社の伝承にはどのような
経緯が含まれていたのか、こちらの謎も
のちの機会に取り上げてみたいと思っております。