たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

神有祭を巡る謎

2020-06-13 09:13:51 | 古代の出雲

<朝山神社 あさやまじんじゃ>

 

『出雲国風土記』にも登場する出雲市の朝山神社には、

神魂命(かみむすび)の御子である、真玉着玉之邑日女命

(またまつくたまのむらひめ)が祀られており、

大国主神が毎朝この女神の元に通われたことから、

「朝山」という名がついたと聞きます。

朝山神社近くの造成地からは、

メノウや水晶などたくさんの玉石が出るとも言いますし、

ご神名の「真玉」とはこの地で採れた様々な鉱物や、

近隣の「玉造」とのつながりを示す言葉なのかもしれません。

 

実はこの朝山神社は、出雲大社を中心に

行われる「神有祭」の際、最も早く神々が

立ち寄られる場所だそうで、八百万の神々は、

まず10月1日から10日まで朝山神社に滞在し、

11日から17日までは出雲大社、

その後佐太神社へと向かわれてから、

最後に万九千社に立ち寄って、

各々の故郷へと戻って行くのだとか……。

 

となると気になるのが、先日ご紹介した

「六所神社」に残る「神有祭に先んじて

全国の神々が集まった」との由緒ですね。

果たして、両社の伝承にはどのような

経緯が含まれていたのか、こちらの謎も

のちの機会に取り上げてみたいと思っております。