たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

良波の国

2020-06-05 09:35:13 | 古代の出雲

<久良彌神社 くらみじんじゃ>

 

杵築の地や狭田の国を造った八束水臣津野命は、

次に「北門の良波の国(きたどのえなみのくに)」を引き寄せ、

闇見の国(くらみのくに)を完成させました。

現在、闇見の国の中心地には、

「久良彌神社(くらみじんじゃ)」という小さな社が

田んぼの中にひっそりと佇んでおりますが、

古くは佐太神社や美保神社などと

同等の大きな神社だったと言われております。

 

一方、「北門の良波の国」に関しては、

様々な説(島根半島の野波や兵庫の丹波など)

が取り沙汰されており、隠岐の島で採掘される

黒曜石を通じて交流があった、

ロシアのウラジオストックなども

候補地にあげられているのだとか……。

 

恐らく、地名に「北門」という

言葉がつけられていることや、

狭田の国や闇見の国と呼ばれていた地域に、

「隠岐から国引きを行った」との伝承が

残っていることなどを考えると、

二番目に引き入れた北門の佐伎と同様、

「隠岐の島」にそのヒントが隠されているのでしょう。

 

いずれにせよ、日本海を挟んで対岸にある、

朝鮮半島からロシア沿岸部のあたりから、

隠岐の島を経由して出雲にやってきた

渡来系の人々がいたことは確かかもしれません。