<久良彌神社 くらみじんじゃ>
杵築の地や狭田の国を造った八束水臣津野命は、
次に「北門の良波の国(きたどのえなみのくに)」を引き寄せ、
闇見の国(くらみのくに)を完成させました。
現在、闇見の国の中心地には、
「久良彌神社(くらみじんじゃ)」という小さな社が
田んぼの中にひっそりと佇んでおりますが、
古くは佐太神社や美保神社などと
同等の大きな神社だったと言われております。
一方、「北門の良波の国」に関しては、
様々な説(島根半島の野波や兵庫の丹波など)
が取り沙汰されており、隠岐の島で採掘される
黒曜石を通じて交流があった、
ロシアのウラジオストックなども
候補地にあげられているのだとか……。
恐らく、地名に「北門」という
言葉がつけられていることや、
狭田の国や闇見の国と呼ばれていた地域に、
「隠岐から国引きを行った」との伝承が
残っていることなどを考えると、
二番目に引き入れた北門の佐伎と同様、
「隠岐の島」にそのヒントが隠されているのでしょう。
いずれにせよ、日本海を挟んで対岸にある、
朝鮮半島からロシア沿岸部のあたりから、
隠岐の島を経由して出雲にやってきた
渡来系の人々がいたことは確かかもしれません。