たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

大元神楽

2020-06-21 09:37:36 | 古代の出雲

<静間神社 しずまじんじゃ>

 

昨日、西伯耆~東出雲にかけての一帯に

「ワラヘビ文化」とでも呼ぶべき、

独自の民間信仰が伝わって

いることをご紹介しました。

 

実は、出雲の西隣・石見地方の

民俗芸能である「石見神楽」も、

ワラヘビと深い縁を持つとされるお祭りでして、

現在のような娯楽性の強い演目に変わるまでは、

「ワラヘビ」が祭りの主役を努めていたと聞きます。

 

島根県西部の山間地・邑智(おおち)郡一帯には、

このような石見神楽の古式を受け継ぐ

「大元(おおもと)神楽」が伝わり、

神の依り代となった長さ七尋半

(13.5メートル)のワラヘビが、

激しく体をくねらせながら

舞殿を踊りまわるのだとか……。

 

ちなみに、こちらの「大元神楽」は、

神職が神がかりを起こしてお告げを聞く

「託宣(たくせん)」を伝承する

数少ない神楽のひとつで、地域の祖先神である

「大元神」への信仰が元にあるのだそうです。

 

石見神楽の代名詞でもある

「ヤマタノオロチ」の物語では、

最後に大蛇はスサノオによって

切り殺されて終わりますが、

大元神楽の中心となる神事においては、

大蛇は最後まで厳粛に扱われ、

お祭りが終わると神社の境内にある

ご神木に丁寧に巻き付けられると聞きました。

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