そもそも各地に存在するシャッター通りは、車社会への変貌と、規制緩和の流れで大店法改定により、郊外に大型店舗が次々と建造されたのが要因だと思われます。
車社会の到来は、時代潮流に加え利便性の点で受け入れざるを得ない状況でした。
しかし、大店法改定のもたらしたのは、シャッター通りを多くしただけに留まりません。
地域社会ではもっとも必要な地域コミュニティを、完全に壊してしまった事です。
街の魚屋さんは、生魚の必要な部分だけを切り取り、場合によって刺身してくれます。
八百屋さんは、上手な野菜漬けの仕方などを教えてくれました。
細かい配慮の便利さよりも、八百屋や魚屋さんのオジサン、オバサンとのコミュニティは、地域社会の人間関係の根底を構築しておりました。
郊外の大型ショッピングセンターでは、全てがマニュアル化され、その店員さも無駄な会話を致しません。全てが無機質に進行し、モノは買えても心は買えなくなりました。
同じことは私達、家づくりを生業にするものにも言えます。
地域密着の工務店では、地域コミュニティの延長で仕事を戴いております。
ハウスメーカーは、建材をロットで現場搬入してコストダウンをはかり、その費用は宣伝広告に費やされます。地域には下請け、孫請け大工の僅かなカネだけしか落ちません。
家づくりはまさに施主と地域のコミュニティなのです。
家を建て一生涯にわたり住み続ける施主と施工業者の付き合いは、竣工してからが正に始まりなのです。
国は地域創生の必要性を掲げております。
規制緩和や大店法、ハウスメーカーも経済成長面では、それなりの意義がありました。
しかしながら高度成長期から熟成期、そして衰退期に突入したこれからは、まさに人の心の通い合う地域創生が必要です。
田舎を生かす事で地域創生が為されるとしたら、地域工務店の育成と街の魚屋さん、八百屋さんの復活を促す施策が必須のようです。
写真のようなシャッター通りに元気な八百屋さんの声が戻った時こそ、明るい未来が見えるときです。
さて今日は家庭裁判所少年友の会が行う事案にカウンセラーとして参加してきました。
少年には、シャッター通りに明りを灯すように一歩ずつ前進するための動機付けを。

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