豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

自分も気付いていない潜在資産…北斗市~函館空港~名古屋中部国際空港~岐阜県恵那

2009-03-31 22:56:39 | ファース本部
「あなたはどのくらいの資産をお持ちですか」と聞かれた場合、預貯金や株式、家、土地、車などを思う事でしょう。そのような有形資産こそが、経済的な実力(資産力)であると考えられてきました。幼い時から、すべてお金を中心に生きてきた現実が在ったと言う事でしょうか。

今の世の中は、お金があれば多くの課題、問題が片付くのは確かのようです。
ところが自分の知らないうちに、お金と違うと、言うよりも、もっと大きな資産を蓄えている場合があります。自分が永年に培った経験や知識が、資産となっています。
また一緒に支えあって働いた仲間たち、そして仕事を切磋琢磨しているうちに、多くの人脈や自分自身が身につけた技術などは大きな資産になっているのです。

何かの事情で今の職場を離れ別な仕事で再就職する時も、次の会社はあなたの潜在した、資産を評価される事でしょう。事実、溜め込んだお金や屋敷などの有形資産は、大きな時代の流れにおいて、アット言う間に飲み込まれてしまします。私自身も、貴族のような豪華な生活ぶりから、数年で無一文になった方々とも多く接してきました。

真面目さ、誠実さ、人や物に対する優しさ、自分や仕事に対する厳しさなども、大きな資産なのでしょう。「五キン力」を強化しろと言う言葉があります。
金力・筋力・勤力・謹力・禁力この五つです。金力は資金力、筋力は体力、勤力は勤労力、謹力は謹む力、禁力は誘惑に勝つ力が「五キン力」なのだそうです。

つまりはお金も大切ですが、自分自身の健康、人や自然への優しさ、働く意欲と社会性などの人格も、大きな財産、資産、資源と言えるのでしょう。

今日は午前中が北斗市の本社から電話やメールで意見交換などを行い、午後は太陽光発電関連の商社さんと懇談の後に、函館空港から名古屋直行の便で飛んで来ました。写真は先ほど撮った、岐阜県伊那のホテル前に咲いた五分咲き桜です。

今夜は岐阜の恵那駅まで迎えに来て頂いた富士シリシア化学の方々と夜桜を兼ねた会食懇談会を行いました。そこで自分でも気付いていない、自分自身の潜在資産についての話題が中心となり、今夜のコラムテーマとなりました。
明日は富士シリシア化学の研究室で一日いっぱいシリカゲル省エネ研究をします。

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森田健作氏、強い心で挑もう…北斗市

2009-03-30 17:40:09 | ファース本部
千葉県知事選挙で、元俳優で国会議員だった森田健作さんが当選しました。
宮崎県の東国原知事や、大阪府の橋下知事どうようのタレント首長さんの登場です。今朝のテレビ番組でのインタビューで森田健作さんの元気さが目だっていました。

宮崎県や大阪府で見られるように知事の職とは、その地域を代表した地域営業マンに徹している姿が印象的です。地域行政で知事の仕事は、方向性だけをしっかりと指示をすると実務執行は、優秀な役人が粛々と実践できる環境をつくる事なのでしょう。

自治行政に長けた優秀な役人を完全な同志としてのマインド調整が必要なのです。宮崎も大阪も、素人知事でありながら県民、府民の絶大な支持を得ているのは、行政プロの役人の仕事ぶりを信頼して行革パートナーとして位置づけているからなのでしょう。

長野県知事だった方が、自治行政の役人たちと完全に敵対関係となり結局は、改革半ばで落選すると憂き目にあった事があります。宮崎、大阪と異なる点は、役人の良い部分を評価して最大限に伸ばし、悪いところを断罪する是々非々の強い指導力なのでしょう。

何を言われてもブレずに突き進む強い精神力と人を大切にする優しい心を持つ事です。
これは誰にも出来る事でありません。「心を鍛えればいい」と言う事ですが、心は鍛えられるものでありません。例えば、精神的に弱ったうつ病の人に「頑張れ、くじけるな」と励ます事は大変な逆効果だと言います。それが要因で自殺した例もあります。

心は鍛えても強くなるのでなく、ストレスに勝とうと思えば思うほど、心は逆にもろくなると言います。人間の心は「柳に風」の例えで、どんなに強風でも柳の枝は決して折れないように、心も大風をやり過ごすような柔軟さが求められるのでしょう。

現状を受け入れると、その現状の中には、良い分と悪い部分が混在しています。
その混在する良し悪しの中に存在する人々のマインドを見極める必要がありそうです。
「あるがままを受け入れる心」、それが強い心、そして優しい心であると言えるのでしょう。

自治体経営も企業経営も、まず「あるがままを受け入れる心」を持てると言う事は、その地域実状や自分自身の能力、才能も一緒に受け入れると、回りの人々が味方になり、必然的に強い心になって行くように思います。

写真は千葉県の新知事になる森田健作氏ですが、当選で沸いている最中に早速とばかりに森田氏の政治資金がらみの報道がなされています。
やっかみじみた報道や一部の人の妬みに左右されず、信念を貫いて戴きたいものです。彼の今後に期待し、やって駄目な時こそ批判すべきと思うのですが…

かなり春めいてきた北斗市ですがまだ肌寒さが…明日は桜満開の名古屋へ移動を…
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ご隠居さん…北斗市

2009-03-28 17:50:15 | ファース本部
ご隠居さんとは、社会的な責任を果たした人が、その後の余生を悠々自適の暮らしを行う事のように思われます。ところが語源を辿ると隠居と閑居は同意語だと言う事です。
この「隠居」と「閑居」は「一人でいる」と言う意味あいが強いのだそうです。

隠居(いんきょ)、閑居(かんきょ)の反対語は、「君子は一人を慎む」と言い、徳を積んだ者は、孤独の時も行いが乱れる事など無いと言う意味なのです。
企業のトップである社長は、常に孤独な立場にある人なのだと言われます。

会社のスタッフには、経営幹部と言えども最終決定権はありません。
社員は上司に、上司は役員に稟議をで済むが、その上の社長に上はありません。
ゆえに孤独で、その孤独に耐えられるか否かが経営者としての器なのでしょう。

私は、長年の経験で誰もが社長の器になれる素質を持っていると思っています。
その器をモノづくりに生かすのか、営業現場で生かすのか、経営で生かすのかなどの違いなのでしょう。この何処を目指すかが、下積みか、幹部か、社長かの分かれ目であろうと思うのです。

社長といえども聖人君子ではないのですから心に隙間ができて過ちを犯す事もあります。
社長だけでなく政治家にも些細な間違いで失脚した総理もいます。
とにかく、金と暇を持て余した時、我々凡人には、良い結果を見出す事など先ず在り得ないと言っていいでしょう。経営者は、常に時間と仕事とお金に追いまくられているのが頃合なのでしょうか。

良い仕事をした経営者は、ご隠居さんになれそうです。
隠居と閑居が同意語であって、決して良い状況を言ってないようですが、この隠居の頭に「ご」を、後に「さん」つけ「ご隠居さん」となれば、意味合いがかなり異なるようです。

「ご隠居さん」は、その人のそれまでの行いが評価され、多くの人々から慕われ、尊敬されている事でしょう。隠居、閑居は一人でも、「ご隠居さん」には、大勢の方々の心や気持ちなどのマインドに囲まれていて、決して孤独などでないと言う事です。

また必ずしも社長だから、ご隠居さんになれる訳でありません。
普通の人生を辿った人でも「ご隠居さん」になっている人が多く存在します。
人生の晩年は「ご隠居さん」を目指そう!!!

写真は本文と関係はありませんが、先週訪問した長崎県佐世保市、城井建築さんのファース現場です。間もなく完成して、佐世保市内で第1号のファースの家のお披露目が…
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人は有限、企業は無限…北斗市

2009-03-27 19:11:56 | ファース本部
戦後の経済発展に寄与した団塊世代の経営者が還暦を過ぎ、肉体的な限界を自覚する方々が大勢いるようです。特に地域の零細工務店の経営者にとっては、この後継者問題が大きな経営課題となる事でしょう。

これは、還暦を越えても経営の第一線にとどまっていて、後継者の見通しの立たない創業オーナーや経営者にとっては深刻な問題です。
零細工務店にとって適切な後継者候補を確保するのは容易な事ではありません。

いざ後継者の育成を考え始めても、会社の経営を任せられるかどうかとなれば、全てが帯にも襷にも短く感じてしまうものです。

また、若い経営者にも後継者の問題に直面する場合があります。こちらは、若くして事業を興し、会社経営が成功して、その会社を売却して別の事業への転換を図る、いわゆる「アーリーリタイアメント」のケースなどです。

このような会社では社内に「ナンバー2社員」が育っているものですが、オーナーとして会社を引き継ぐには、会社の株式を買い取る必要があります。
すると、その資質だけでなく会社の株を買う資金的負担が問題となりそうです。

未公開の株であっても、利益の上げている企業の株には潜在価値が備わっていて無償供与には膨大な贈与税が課税される場合があるからです。
また、後継者には「借入金の個人保証」の引継ぎなどと多くの問題があります。

工務店の殆どは、金融機関からの融資によって経営をしています。
この場合、会社の経営者=代表者が個人保証をしていることが多く、後継者が巨額の債務を肩代わりすることが事業承継をより困難なものにしています。しかし、税金で困るような後継者の問題は、問題に在らずと言えます。

我々のように地域密着で、家づくりを行う工務店経営者には、出来上がった家を生涯にわたり、メンテナンスサポートを行う義務を背負っています。
私たちの身体は老化して衰退するでしょうが、工務店は企業として永劫であるべきなのでしょう。特に地域で家づくりを生業とするものの宿命なのです。

写真は先週、羽田空港からのフライトで山形県の上空で撮った夕日です。
あの沈んだ夕日は、翌朝また、必ず反対側の東の空に登ってきます。

後継者は、息子や身内でなくとも、志(こころざし)と理念を共有できれば、知恵と工夫を講ずる事で、朝陽が必ず登るように、これもまた必ず解決できる課題です。

今日、雪が無くなって黒い地べたに乾燥した寒い空っ風が吹く北斗市です。
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幸せって…北斗市

2009-03-26 18:39:14 | ファース本部
昨夜、ファースの家のユーザーさんから嬉しいメールを戴きました。
「元気で健康な子供に恵まれ、理解ある仲間のいる職場に勤めさせて戴き、また「ファースの家」に住めて、とても幸せな気持ちで冬を過ごせました」と言う内容です。

このユーザーさんは母子家庭で、二人のお子さんを育てながら数年前にファースの家を建築されました。家づくりを計画され、ネットサーフでファース本部のオフシャルサイトを知り、ホームページの隅々まで何回も何回も読んで一番近い工務店で建てたと言います。

このユーザーさんは、家庭的に決して平穏な人生でなかったみたいです。
シングルマザーになってから子供のため、ハウスダストやシックハウスなどの対策が施され、省エネで長持ちする家をと、様々な住宅工法を調査し、また検証をしたと言います。

そして今現在は、とても幸せだと実感していると言います。
家づくりは、このユーザーさんのように納得の行くまで調査と研究をすべきなのでしょう。この幸せだと思う人に近寄ってみると自分まで幸せな気持ちになれそうです。

この幸せな気持ちになるためには、幸せに近づくための努力も不可欠だと思います。
自分が幸せになるには、周りの人をもっと、もっと幸せな気持ちにしてあげる事でしょう。家族や仲間、同僚たちの幸せを犠牲にした幸せなど、本当の幸せではありません。

自分は不幸だと思う人がいたとすると、その不幸は誰のせいでもなく、自分自身が撒いた不幸の種が芽を出したと思うべきです。それを認めたくないから他人や会社、強いては政治や社会のせいにしているのではないでしょうか。

不幸な人は、恨み言を並べ、会社への不満、上司への不満、家族への不満、学校への不満、その全ての原因は自分にあるのです。それを自覚し、現状を素直に受け入れる事が、幸せへの第一歩なのかも知れません。不幸だと思う事が不幸を呼び込んでいるようです。

今日は北斗市本社で幹部会議を行っており、会議テーマの中に「人の幸せづくりが自分の幸せなのだ」と言う内容がありました。
写真は右から副社長、村上次長、藤原課長、専務、常務、柳田次長です。
ユーザーさんからのメールとラップして、このコラムテーマとなりました。

今日の北斗市は吹雪に見舞われていますが、この寒さの後にきっと春が…
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創業して生き残る企業は10社に1社だけ…北斗市

2009-03-25 18:42:23 | ファース本部
長年の修行の末に念願かなって自分の会社を立ち上げる人もおります。
自分の城を作りたいと脱サラをして、会社を立ち上げる人もいるのでしょう。
創業者の全てが自分の企業の隆盛と成功を夢見て起業するのです。

しかし、現実はとても厳しく、創業して10年後に存在する企業は10%あまりになってしまうと言う事です。企業を興すには、右手に夢とビジョンと志(こころざし)を掲げ、左手に収支勘定のできる算盤を持って臨みます。

創業時は誰もが、自分の企業で働く社員や関わる人々の幸せを念じ、社会的な役割を果たそうとする理念や志(こころざし)を持っています。ところが、しだいに左手に持った算盤勘定だけが、先行してしまう場合が多くあるようです。

更に儲けようとして偽装表示や改ざんなどを行い、長年に渡って培った信用を一夜にして失墜させる場合もあります。
このような、嘘やごまかしは、利益至上主義から生まれるのでしょう。
企業が大きくなると社員も出先も増え、権限の委譲も必要になります。

社業とは、事業計画の通りには中々進まないものです。
努力をしつつも内的要因や外的要因など、様々な阻害要因が次々に襲ってきます。そのような厳しい環境下でも権限委譲をしなければ、企業の組織化を図る事が困難です。

権限委譲された社員は、与えられたノルマ達成のため、切羽詰って嘘やごまかし、一夜にして信頼が瓦解してしまいます。ある会社の社員に仕事を頑張る理由はとの問いに「ノルマ達成するため」と答えるスタッフも少なくありません。
ノルマを達成し、会社に評価されたいと思うのは誰でも一緒なのです。

このような社会状況の中でも何代にも渡り、住宅産業で生き残っている地域工務店や販売代理店は、その殆どが地道にコツコツと地域密着で家づくりを行っているところばかりです。

写真は、先週訪問した長崎県佐世保市、溝上産業株式会社さんの本社で社長の溝上純一郎さんと撮りました。溝上社長は、創業63年目で4代目の社長さんです。
溝上社長は、サッシ販売、瓦製造と販売、太陽光発電などを扱う地元の優良企業を経営しています。溝上社長は、社員に徹底したコンプライアンス教育を行っているようです。

また、溝上社長さんのお客様である工務店さんも、その殆どが地域に密着した小さな工務店で、相互が一緒になって情報交換を行いながら支え合っていると言う事です。溝上産業さんと協力し合い、佐世保一帯の工務店経営者をサポートして行きたいものです。

今日の北斗市はこの時間、猛吹雪なって窓の外がホワイトアウトです。
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つくって育てる幸せづくりの家づくり…函館~北斗市

2009-03-24 18:14:23 | ファース本部
建主さんが家を持とうとした動機は何であったのでしょうか。
他人からの借家に家賃を払っているより、ローンを払い終わり自分の資産にするため。
仕切り一枚の界壁の向こうに他人の世界がある事に抵抗を感じたため。
小さくとも自分の手で庭の手入れの出来る家に住みたかったため。
キッチンや吹き抜けがあり、外壁にカルチャーストーンを使った家に住むのが夢だった。

このように家づくりを行う動機は百人百様です。誰もが多額なお金を投入し、夢を叶え、幸せになりたいと思っているはずです。ですが上記のような、動機や理由は、建主さんが、家を建築するまでの過程に興味こそあるように思われます。その家に住んでから、本当に幸せになれるかどうかを真剣に思慮できる人がとても少ないのです。

家は、住んでから冬暖かい、夏涼しい、暖房費用が格安、冷房費も安い、廊下やトイレなど何処へ行っても温度差がない、カビやハウスダストが出ない、家が腐らないなどの性能がしっかりと完備されていますか…更に、出来上がった家を造った工務店は、生涯にわたり、ちゃんとした面倒をみてくれるのでしょうか。

家づくりは、たとえ同じ間取りであっても、建築する地域、敷地、方向、そして住む家族数やライフスタイルなどによって、微妙にアンジュレーションが異なります。この全てに多くの人々が関わっています。この人様の関わりで家が出来上がり、人様の関わりと支え合いによって出来た家が育って行くでしょう。まさに家づくりは人づくりなのです。

写真は先週、長崎県佐世保市で城井建築さんが建築中のファースの家で撮りました。
手前から㈲城井建築、社長の城井達男さん、大工の石田大樹(ひろき)さん、同じく山本龍(りゅう)さんです。若い大工さんの石田さん、山本さんは、大工梁棟で師匠でもある城井社長から家づくりの技能を学びながら人としても為すべき事の勉強を怠りません。

この建築中のファースの家も、出来上がってから、建主さんが生涯にわたり安心して暮らせるための性能を備えています。加えて城井さんのチームが、建主さんと心の通える付き合いの出来る事が、建主、施工者、協力業者にとっても資産形成に役立つ事でしょう。

今日24日の午前は研究開発室の業務、学校評議委員としての学校訪問し、午後は家庭裁判所で離婚の調停業務を行いながらWBCの試合結果が気になっていました。
イチローのタイムリーで連覇の報に安堵です。
先日、満開の桜が綺麗な長崎でしたが今日の北斗市は小雪が舞っています。
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「あたりまえ」と言う言葉は間違いなのだ…北斗市

2009-03-23 12:58:20 | ファース本部
「何か新しい事を為す人は、要するに発見する人である」
この文言は、「頭が良くなる思考術」と言う白取晴彦氏の著書の一文である。
先週、東京新橋で懇談した、三協立山アルミホールディングス㈱、代表取締役社長、要明英雄氏が持参して手渡してくれた文献に書かれていました。

この著書では、他人が発見していないのに、何故その人だけが発見できるのか、の問いに、答えは簡単で、あたりまえの事をあたりまえとせずに追求するからだと言い切ります。
次にこの著書の要点を抜粋します。

【私たちは、この社会の中にある知識、制度、習俗、伝統、道徳などをあたりまえの事だと思い込み、少しも疑ってはおらず、それらが既に固定されて社会に根付き、支えていると思っている。ところがいったんは、自分自身でその内面を検証する行動に出ると、新しい発見を見出す事が出来る。(中略)このタイトルすらそうである。「あたりまえ」とは、実に間違った言い方である。本来は「当然(とうぜん)」と言うべき事であろう。これを「当前(とうぜん)」と書いたりもした。この文字を間違って「あたりまえ」と読み、あたりまえと言う言葉が広まったのである。】

このように、文言に含んだ様々な真実も、探って行くととても興味深い話になって行くようです。単語や文言に隠された意味を探るだけなら、単に物知りの範疇をでませんが、普段使用している道具や装置などを、好奇心をでかざしてみると、透けた部分に新しい発見が見えて来ます。

写真は先週19日木曜日に撮ったものです。
左から三協立山アルミ㈱、常務の賀東 隆(かとうたかし)さん、三協立山アルミホールディングス㈱、代表取締役社長、要明英雄さんと、担当参事の鈴木正広さんです。ファースの家の専用サッシを製造している三協立山グループですが、「防火不正認定」の不祥事があり、その対応と信頼回復に懸命です。

問題処理を慣例に沿って「あたりまえ」に処理しようとしたら、根本的な解決策とは決して言えません。要明社長も賀東常務も、この問題から多くの事項を学び取り、ピンチをチャンスに替えるための実践活動に入っています。
私へのこの著書進呈が、顧客の信頼回復は、「あたりまえ」ではなく「当然」の意識で臨んでいる事のメッセージと受け止めました。

北斗市本社での執務室で、WBC準決勝の試合を見ながら書いたコラムです。
侍ジャパン9-4で快勝です。明日の決勝戦で勝つのは「あたりまえ」か…

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勇気があればいつでもチャンスが…佐世保~長崎空港~羽田空港~函館空港~北斗市

2009-03-21 20:13:22 | ファース本部
イギリスの首相であったチャーチルの有名な言葉で「金を失う事は名誉を失う事より小さい事だ、しかし勇気を失うと言う事は全てを失う事」と言うのがあります。
不況風の嵐の中で経営者やリストラ対象者は、勇気と覇気を失ったら全てを失います。

創業したり、会社に勤めたりしたその当初は、誰もがむしゃらに頑張ったのです。
業況はどうですか…業績や待遇はどうでしょうか…初期を顧みて3年、それから一息ついて6年、一朝一夕で目指した目標などを成就しきるものでありません。

私のように裸ひとつでスタートしたのであれば全てを失っても元に戻っただけなのです。そのような私たち創業者にとって、「失う物は何も無い!」の言葉は、この上ない金言であるように思います。
経営苦境に喘ぎリストラ対象の社員にしても元々自分は身体ひとつなのです。

時には立ち止まり、また様子を伺う時期も必要です。時代の潮流を正確に読み取るには、激流から身を避けて流れをじっくり観察する事も必要なのでしょう。
気力と体力を充電し、千載一遇のチャンスと見たら一世一代の勝負を賭けるのも人生です。

不況だから、騒乱時期だから、経済不安だからこそチャンスが多いのです。
誰もが、何をやっても上手く行くバブル経済と言う時期があり、そのバブルは必ず弾け飛ぶものです。経済状況が低迷している時期にこそチャンス到来なのでしょう。

いまこそ好機到来、躊躇せずに勝負をかける時期なのかも知れません。
昨日訪問した、長崎市内の平石工務店さんと諫早市の立光建築さんはいずれも若い工務店経営者です。確かに経営者の実績不足はいがめないのですが、目指す熱意が漲っています。

写真は立光(たちこう)建築さんで撮ったのですが、私の隣が一人娘の七海(ななみ)ちゃんを抱いた代表者の立光健作さんと、奥さんの喜代美さんです。大工梁棟のお父さんから学んだ家づくりを行い、奥さんと一緒に力を合わせ「凛」とした工務店経営をビジョンに掲げています。創業間もない工務店ですが、ビジョンと勇気が不況を切開く事でしょう。

今日は佐世保市の城井建築さんのファース現場を訪問しましたが、立光さんが諫早から駆け付けてくれて一緒に工事進行を見学致しました。ビジョンと勇気と情熱を…
午後のフライトで、先ほど本社に帰社し、気温16℃の長崎から3℃の北斗市です。
以前のサイトです
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技能と礼節も継承する…東京~長崎~諫早~佐世保

2009-03-20 21:35:46 | ファース本部
駅のコンビに入り、そこの店員がニコリともしないで「ありがとうございます」「またどうぞ」と言う挨拶は、とても無機質でテープを回した機械のように思えてしまいます。
そのようなマニュアル仕込みの挨拶を聞いて嬉しい人など一人もおりません。
チェーン店が社員教育のマニュアルをつくるのなら、真心を挨拶の言葉に込める方法を指導して戴きたいものです。コンビニの無機質あいさつは聞きなれていますが、その買い物をしたあとに隣のラーメン店に入ったら、そこの店員は、言葉でなく目と笑顔で挨拶です。

始めて入った店ですが、ニコッと笑顔が出来て、アイコンタクトで座る場所を指図します。言葉がなくとも決して不快感などを覚えません。すると前に入ったコンビニのあの無機質なあいさつ言葉が、何だかとても無礼な挨拶に思えてくるのです。
コンビニの店員は、お客が来ると仕事が増えて迷惑そうな気分になっていそうに感じます。ラーメン屋さんの店員は、おそらく店主の奥さんなのでしょうか、来て頂いたお客さんで自分達の生活が成り立っている、と言う気持ちが、心の篭った笑顔になるのでしょう。

今日は東京から長崎県に移動して、新しくファースグループの仲間入りをした、長崎市内の平石工務店さん、諫早市内の立光建築さん、佐世保市内の城井建築さんの、三社の工務店さんを訪問しました。工務店経営とは、つくる家の性能もさる事ながら、そこに関わる人々との心のこもった触れ合いが、とても大切です。

コンビニのような瞬間的な顧客対応の場合は、マニュアル化されるのも致し方ないのでしょうが、工務店経営となれば、内側から心底湧き出る気配りや気遣いが必要です。
新しく仲間になった工務店経営者の方々には、先ず建主さんに住んでから満足できる家の性能を担保できる事と、建主さんと一緒につくった家を生涯にわたり、育てるためのマインド共有をするための努力が必要です。人の心や気持ちは、マニュアルで表現できません。

写真は今日、午前に訪問した平石工務店で撮りました。代表の平石孝幸さん(右)と大工梁棟で弟さんの平石俊弘さんです。ご兄弟が力を合わせて工務店を経営しております。お二人は、創業されたお父さん(平石伸行さん)の大工技能に、温厚で人から好かれる人柄を加え、とても好感度の高い方々です。
長崎市内での活躍を大いに期待できます。

昨日、今日の人々の出会いはテーマにあわせてコラム掲載いたします。
明日は東京乗換えで北斗市の本社に帰社する予定です。

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時代変革を潮流から察知する…北斗市~函館空港~羽田空港~東京霞ヶ関~大崎

2009-03-19 22:53:41 | ファース本部
好景気の時には、市場が拡大して、需要が伸びるため供給側も設備投資が必須となります。否応なしに経済の活性化が為され、多くの企業が成長する事になるのでしょう。
ところがその成長経済が永劫に続く訳でない事は過去を振り返れば明確に確認できます。

市場が膨らんで拡大基調の時期が続くのはせいぜい10年程度であると言われます。
日本のバブル期のように、経済拡大が続くと土地の確保が熾烈になり、土地などの不動産価値は、上がる事があっても下がる事など在り得ないとする土地神話にうつつを抜かした時代がありました。土地神話などは、今に思えばまさに妄想だった事が解ります。

私などは、土地神話と全く関係しない住宅性能の研究開発に没頭してきたので、バブル期の恩恵と言えば取引銀行が、軽微な審査で高額の研究開発費用を貸してくれた事です。
このバブル期の恩恵でファース工法が出来上がりました。次に普及推進の事業に向かおうとした時にバブルが弾け、今度はその銀行から貸した金を返せ返せとの大コールです。
挙句の果てにこの銀行が破綻をしてしまったと言う混乱の時代を経て来ました。

私は、30年で粗大ゴミにしてしまう家を永劫につくり続ける事など、絶対に在り得ないと確信していました。
また何故、昭和時代においてオール電化専用工法を構築したかと言うと、家に気密性を持たせたまま、室内環境を良好に保持するには必然的にオール電化になってしまうからです。

ところが新しい行動を起こそうとすると、反対勢力の抵抗や、逆に賛同して協力する人も現われるものです。オール電化専用工法などは、絶対に市場に溶け込まず必ず失敗すると当時の金融機関から大反対をされたものです。
現在の市場を見れば解りますが、その金融機関は潰れ、オール電化工法は全国を席巻しているのです。

今日は、その「優良オール電化住宅」を表彰する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック9008」の授賞式が東京霞ヶ関でありました。
殆どの受賞作品はオール電化特別仕様です。ファースの家は標準仕様で「特別賞」を授賞できた事に意義を感じます。

ご理解とご尽力を戴いた、審査員の先生や電力関係者の方々に心より感謝申し上げます。
記念写真は、審査委員の先生方と撮りました。
審査委員長の早稲田大学教授、伊藤 滋 先生(向かって左)、東京大学教授、坂本雄三先生(右)、リクルート住宅総研 研究員、阿曽 香先生(後左)、ベーシック社長、田原祐子先生(後右)です。

明日の祭日は九州の長崎県に移動して、新しく仲間に工務店を訪問します。
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人の出会いが人生を大きく左右する…北斗市

2009-03-18 18:33:57 | ファース本部
先日ラジオのインタビュー番組出演の際、司会者の山形敦子さんから、「過去にどのような人の出会いがあり、それが現在にどのような影響を与えたか」と言う質問を受けました。
住宅システムの開発者と言う立場で出演しているのですから、それに関わるような人の出会いでなければならないのでしょう。一瞬、多くの人々が脳裏に浮かびました。

私は、ファース工法の開発当初、あれこれ言わずに採用を決めてくれた道東、網走市の山内建設、社長の山内政光さんの名前をあげました。実績の無い変性ウレタンのスプレー発泡で行う断熱、気密施工や、日本初のオール電化専用工法だからです。この無実績工法を、今度は山内さんが、一生一代の家づくりを行う建主さんを説得する立場になります。

山内さんは、後になってから私との出会いを、身体で感じて確信を持ってファース工法を採用したと言います。その山内さんは、大工出身の工務店経営者ですが、網走市内を中心に奥さまと二人でと力を合わせ、地道にコツコツと家づくりを行って来ました。ファース工務店となった山内さんは、知り合いの人が家づくりを計画していると聞き、ファース工法を薦めたところ、山内さんが薦めるものは大丈夫と直ぐに決断されたそうです。

これも事後談ですがその建主さんは、山内さんと初めてあった時から、その朴訥で誠実な人柄をとても信頼して来たと言い、彼が薦めるものであれば、たとえ未知数のもので上手く行かなくとも諦めがつくのだと言い切っていました。時代は平成初期の頃ですが、この人たちとの出会いが現在のファースの家に繋がっています。

もう少しさかのぼり、昭和60年、弊社がまだ純粋な地域工務店であった時、深夜電力の温水器を薦める為、来社していたのが、北海道電力函館支店の森さんと言う係長さんでした。既に定年近い年代だったと記憶しており、その出会いがオール電化専用住宅の動機でした。

その時、一緒に営業同行をしていたのが、同じ部署の安達佳春さん(写真)です。安達さんもその経験を生かし、この道南地域で30年にもわたり、電化住宅の普及活動の業務を行ってきました。安達さんを畏敬の念を込めて「ミスターオール電化」と呼んでいた人も少なくありません。

その安達さんもサラリーマンの有終の美を飾るべき勤務地を、出身地に近い「ほくでんサービス岩見沢支店」に4月1日より転勤となり、その挨拶に来て戴きました。

実に多くの人々の出会いがあり、その人々の英知が織りなって今が在る事を実感し、今日のコラムとなりました。
明日はハウスオブザイヤー賞の授賞式が東京霞ヶ関であり上京します。
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あなたは会社の一部になっていますか…北斗市

2009-03-17 18:23:20 | ファース本部
自分が居なくても会社の業務に影響を与えないとなるとその存在感が無いもの同様です。優秀な社員の条件とは会社の一部になっている、或いはなろうと懸命に努力している事でしょうか。自分自身が会社の中でどう位置づけられているかを意識してみたいですね。 

まず自分は会社にとって優秀な社員ですかと、自らが問うてみたらどうでしょう。
担当する業務の成績、所属部門の実績はどうか、上司との関係、部下は育っているかどうか、また関係する人々に尊敬されているのでしょうか。この全てに叶っていたとすると本当に優秀な社員と言う事になるのでしょう。

ある経営コンサルの文献に、「優秀社員の前提はあなたが会社の一部になっているかどうか」と言う事が書いてありました。この文献に、徹底した合理主義、個人主義の米国では、会社への帰属意識が日本のように高くないと言う事です。アメリカでは、ライバル企業でも何処でも、自分を高く買ってくれる企業があれば、躊躇なく移籍する国柄であり、日本の企業風土と決定的な相違点だと言います。

終身雇用制度は我国日本で培ってきました。ところが合理主義なる思想が蔓延って、何もしなくとも身分が保証されている終身雇用制度を罪悪と断罪され、能力主義的な制度をとる企業が増大しました。正規雇用、非正規雇用などと言う言葉すら昔は無かったように思います。

アメリカのように、自分を高く買ってくれるところに躊躇う事も無く職場変更すると言う事は、企業側もまた躊躇う事も無く簡単に解雇すると言う事であり、合理主義、個人主義の盲点なのです。

私は、社員が会社と同じ立場になる事が出来るかどうかに尽きると思うのです。
愛社精神とは、自分と会社が常に心身ともに一体化できるかどうかなのでしょう。

この会社を愛すると言う事は、自分自身が会社の一部であり、会社の目、耳、頭脳となれる事が本当の優秀社員の条件だと思うのです。
現在、ファース本部の社内で、研究開発室でかなり大きなプロジェクトを進めておりますが、黙々と業務に邁進するスタッフの姿は愛社精神なのか…

写真は今日、九州から届いた大きく開花したメールでの桜便りです。
桜前線はしだいに北上するのでしょうが、今日の北斗市は幾分、暖かではあったものの、この時間は氷点下に近くなりました。春はまだかなり先になりそうです。
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起承転結であるべき事項…函館~北斗市

2009-03-16 18:24:25 | ファース本部
プレゼンテーションやスピーチ、そして人前で行う挨拶などは起承転結で在るべきだと言います。毎朝行っている弊社の朝礼では、当番制度で役員も社員も必ず順番の回ってくる、3分間スピーチを行っています。たまたま今朝は社長の私の当番でした。今朝は、「人は誰のために仕事をしているのか」と言うテーマで話しました。

このスピーチを組み立てるにあたり、しっかりと起承転結であったかどうかです。
起承転結とは、「第1句の起句で詩意を言い起こし、第2句の承句でそれを受け、第3句の転句で素材を転じて発展させ、第4句の結句で全体を結ぶ」と言う事です。

今朝は、WBCの試合で、侍ジャパン対キューバ戦の最中に社員たちは出社して来ました。
この試合はちょうど6-0で日本が勝ったのですがその内容を「起句」にしました。
「承句」では、興味深いこの試合を見る事無く出社した現実がある事を述べ。
「転句」では、出社する事を選択した意義が何処にあったのかを問いかけ。
「結句」では、会社のためとか、誰のためでなく、結局、自分自身の自己実現のために仕事をしているのだとまとめました。

今日は朝礼の後、函館山麓の局から函館管内に放送されている「FMいるか」のスタジオに入り「人ネットワーク」と言う番組に生出演をして来ましたが、約25分のぶっつけ本番の生放送でした。

写真は放送の本番直前に、パーソナリティーの山形敦子さんと撮ったものです。
本当に驚いたのは、台本などを作らず、山形さんが放送直前に行った私との数分間の雑談からインタビュー内容を組み立てます。
次々に質問し、私の返答を起句と転句にしてから最後はしっかりと結句させる事です。

さすがプロなのですね。質問に答えるとまさに「起承転結」にして纏めてくれます。
大いに感心させられました。

そのお陰で午後から行った家庭裁判所で家事調停業務では、紛争中の夫婦間の絡まった双方の感情が納められ、成立させる事が出来ました。
家事調停においも本人の気持ちになって言い分を聞いてあげ、起承転結で方向性を見出した調停案を提示できれば、絡まった紛争も解決できるもののようです。
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日本古来の畳(たたみ)の良さを知ろう…北斗市

2009-03-14 14:30:36 | ファース本部
写真は桜の花びらを刺繍した畳縁の畳を真上から撮ったのですが、何とも言えない風合いを感じさせる畳です。上に見える部分は床縁と言われる床の間との取り合いの部分です。

畳は、芯材になる藁を板状に束ねた畳床(たたみどこ)の表面を畳表(たたみおもて)で包んでつくりますが、畳縁には畳表を止める役割と装飾を兼ねています。この畳縁(たたみべり)と呼ばれる帯状の布は、一般に無地のものが多いのです。また昨今は、この畳縁を付けずに畳表で巻き込んだものあります。

畳床は、乾燥させた稲藁を強く圧縮して縫い止め、厚さ5cm程度の板状に加工します。伝統的なこの製法は、藁床(わらとこ)と呼ばれています。稲藁を有効に活用したもので、適度な弾力性、高い保温性、室内の調湿作用や空気浄化作用などの機能を持っています。

近年では材料入手の困難さ、製造が難しい、重くて取り扱いが面倒だ、ダニ等の害虫が繁殖しやすい、カビが生えやすいなどの理由から新素材が利用される場合が多くなりました。圧縮成形材や発泡ポリスチレンを単板あるいは積層させたもので建材畳床、化学床などと呼ばれ、安価で軽く、階下への防音性能に優れています。

しかしはやり、本来の畳の在るべき、踏み心地や通気性などでは藁床に到底及ばないのは当然です。
畳表には、い草の茎を乾燥させて織ったコザを使用します。これは様々な織り方があり、い草を緯糸(よこいと)、麻糸か綿糸を経糸(たていと)にして織り上げるが多いのです。年月が経つと擦り切れるため3年から5年に1度を目安に畳表を裏返しにしたりします。

畳縁は、一般的に畳床を畳表で包むとき、長手方向に畳表を巻き付け、裏側で畳床に縫い付けます。横方向は畳床の幅に合わせて畳表を切り揃えます。畳縁は目立つので色や柄で部屋の雰囲気で使い分けをするの普通です。昔は、建主の身分等によって利用できる畳縁に制限があったと言います。

「女房と畳は新しい方が良い」などと言われるのは、本来の藁床にい草ゴザを用いますと、その香りと風合いが、新畳である一時期に限られるからなのでしょうか。
しかし、女房と比べるにはいささか不謹慎で、私も含め、カカア天下の御仁は一考を…
江戸の大奥に、写真のような桜刺繍の畳縁があったなら様子がまた変わった事でしょう。

この畳縁は、先日にお引渡しをファースの家の和室畳です。
建主さまと、提案する弊社コーディネーターの北村眞奈美、それに制作する桶作畳店の若き経営者のフィーリングが、完全にフィットして実現したものです。

今日は、ファースの家の展示会が全国各地で行われていますが、大荒れの日本列島となり、この北斗市でも横殴りで粒の大きな吹雪となりました。
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