すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

宝探し

2017-06-14 21:36:11 | うちのキヨちゃん
 うちの納屋は以前上から石が落ちてきて屋根を破損した。前々から裏が危ないと、キヨちゃんはいつも心配している。
 納屋なので色んなものが置いてあるのだが、出入りする機会も多く、いっそ新しいプレハブでも作ろう・・・とキヨちゃんは思いたち、畑の横に小さい倉庫を構えた。
 当初はジャガイモを畑から直で運びこむつもりだったらしいが、当然窓もない倉庫なので、食料を保存するには無理がある。で、結局納屋の道具類をそっちへ移して、野菜や灯油なんかはそのまま納屋に残せばいいや・・・という事になった。
 まあ、大体が、もし納屋が酷い事になるような事態なら、我が家も無事では無い。それこそジャガイモの心配をしている所では無いのだ。
 まあ、そんなわけで倉庫の片づけをしなくてはならないのだが、私やくりりんの休みに合わせられないので、キヨちゃんは人を雇ってとにかく納屋のものを出したり、古いタンスを(実は爺ちゃんの代の古い壊れかけのタンスに物を入れているのだ)処分したりしてもらう。でも、私が片づけた訳では無く、キヨちゃんがキヨちゃんの段取りで「私の物」までそこに入れているので、
 「捨てないで聞いてよ。」
と伝えた。
 とは言え、もしもの事があってもいけないので、とりあえず賞状入れだけ部屋に持ち帰っていた。
 今夜仕事から帰ると、くりりんが私の賞状たちを取りだしていた。それは賞状だけでなく、通信簿やテストの成績表までが入っていたので、断舎利しては・・・と言った。
 「すずは昔から角があったんだね~(笑)。通信簿に「もっと丸く」とか書かれてるよ。」
と笑われた。また、
 「絵が雑だとも書かれてるよ。」
とも。
 観ると確かにそうだったので笑えた。褒められるべきコメントは「まじめ」「負けず嫌い」がどの通信簿にも書かれていた。しかし、今となっては誰も信じてくれないが、「大人しい」「口数が少ない」「給食を残す」なんてコメントも、小学校低学年ではあったのだ。
 ともあれ、こういう懐かしいものが出るのはちょっと嬉しい。
 さて、その私の賞状に紛れてキヨちゃんの物が出てきたらしい。
 「お母さんのが出てきたから渡しといたよ。」
とくりりん。それは、20年以上前の父からキヨちゃんへの手紙だった。当時はまだしっかりと筆が持てたので、綺麗な文字で誕生祝いが書かれてある。キヨちゃんを訪ねると、キヨちゃんは泣いていた。

     

 遅れ馳せのラブレター。良かったね、キヨちゃん。

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コメント (2)
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