すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

ブンナよ、木からおりてこい~市民劇場~

2016-07-11 20:41:13 | ひとりごと
 9日の市民劇場は青年座の「ブンナよ、木からおりてこい」だった。これは水上勉さんの有名な児童文学で、舞台としてもよく見かける演目だ。
 私が初めてこの作品を観たのは、大学生の頃なので、それはもうとんでもない昔である。
 ブンナはトノサマガエルの子供である。地面や沼地の世界ではなく、もっと高い所から世界を観たくなったのだ。元々木登りが上手なブンナは、高い木のてっぺんを目指すことになる。
 そこから下を見下ろすと、本当に広い世界が見え、木の上なのに土もあって素晴らしい所に見えた。ところが、そこは鳶の餌場だったのだ。
 そこには次々と傷ついた動物たちが運ばれてくる。その中には、モズや蛇など自分たちの天敵もいる。今まで怖くて「悪い」やつだった彼らも、生きるために必死で、そして今死を目の前にして、あるいは正直にあがき、あるいは達観したように語る。
 そんな出会いの中で、ブンナは成長していき、冬を越し、死んだネズミから生まれた虫を食べて生き延びる。命はこうして繋がっているのだ・・。
 昔見たアマチュアの舞台でも、ネズミ役はとても魅力的だった。当時女子大で演劇をしていた私たちは、
 「男の人には男の人にしか出せない色気ってあるよね。」
と話したものだ。
 今回の舞台では、とにかくカエルがメインキャストなので、とにかく跳躍などの動きが多く、それが素晴らしく身軽だった。
 主役のブンナは「今時の若者」で、うちの会社にもいそうな青年だった。こういう青年が無茶をするのは、ありそうなことで、その成長は親目線で観てしまう。
 実は原作は読んだ事が無い。だから今回買ってみたのだが、思ったよりも長い作品だったので、これからぼちぼち読んでみようと思う。
 これはこれで、きっと舞台とは違う景色があるだろう。そして、どう舞台で脚色されたのか、見比べてみたい。

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