明日はイブじゃないですか

　寒い。今日は雲ひとつなくいい天気で、先日の雪もほとんど残っていない。しかし、つい二日前は顧客を回るのに躊躇したほどだ。
　国道が問題なかったのでちょっと山に入ってみると、途端に雪。しかも降り始めた。どんどん雪は降り積もり道が見えなくなり、側溝が隠れていたためにすれ違ったバイクがタイヤを落とし込んだ。急いで手伝ってあげる。まあ、車でなくて良かったけど。
　昨日はいい天気だったので、こんな天気のうちに山の担当様はクリアしておきたかったのだが、そんな時に限って県外で仕事があったりうまくいかない。ああ、年末までに仕事終わるのかなあ・・・。
　明日はイブ。何の予定もないが、クリスマスといえば父を思い出す。父は物知りだったが、クリスマスは特に何もしてくれなかった。キヨちゃんもサンタを演出することなく、子供のころみんなが
　「サンタさん来た！」
と喜ぶのを見て、
　「ええなあ、うちには来ん。ほなけん、母ちゃんがかわいそうに思うて買うてくれる。」
と言っていた。
　大人になるまでずっと、父は厳格だから
　「仏教徒が何がクリスマスじゃ」
と考えたのだと思っていた。しかしある日
　「クリスマスクリスマスって、外人は何で浮かれとる！分からん！」
というので
　「ほりゃあ、お祝いじゃけん。キリスト様のお誕生祝い。ほれから新年になるけんなあ。」
と言うときょとんとした。
　「葬式ちゃうの？」
へ？
　「ほなって、キリストさん十字架にはりつけになっとるじゃないか。」
　そう、父はずっとクリスマスはキリストの法事だと思っていたのだ。そりゃあ、何で騒ぐか仏教徒でなくても不思議であろう。
　父ちゃん、今年はケーキをお供えするわな。