すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1375号 遠来の友と初夏の自然を楽しむ

2015-05-24 16:57:16 | Nagano Report
【Nagano】私が信州の浅間山の南斜面に住み始めて8年、毎年一度は泊まりがけで訪ねてくれる今はカナダ在住の友が今年も我が家を訪ねてくれた。彼女は我らがすずめ通信メンバーと共に中学時代を同じ教室で過ごした仲間でもある。

こちらは東京とは一ヶ月遅れの新緑の美しい季節である。昼食後、彼女を近所の別荘地の散歩に誘った。ぱらぱらと家の建つ別荘地の道は頭上は新緑に覆われ、林や空き地の足下には楚々とした灌木の花や草花が注意してみれば花盛りであった。野生の山椒がそこここに自生しているのを見た友は、その若芽を摘み始めた。佃煮にすると美味しいそうである。私はスズランやナンバンギセルなどが気になる。

山ではなくその辺りの道ばたに群れて咲いている花を少し頂いても構わないだろうと、一度家に戻り、彼女は鋏、私は小さなシャベル、そして収穫物を入れる袋を持って出直した。彼女は山椒の若葉だけでなく、何やら他のものも切り取っている。

私はスズランとナンバンギセルを一株ずつ掘り起こした。スズランは我が家にも沢山あるが、一緒に植えた他の植物の間に埋まってしまって花が咲いてもあまり楽しめる状況にないので、採ってきたスズランはそれだけの群れにするつもりである。家に戻ってすぐに植えたスズランとナンバンギセルは翌朝、これ以上真っすぐになれないほど真っすぐ立って、前からその場所にあったように元気だった。

生け花をたしなむ彼女は知らない間に生ける花も収穫していた。名前を知らない灌木の白い花と黄色の草花、それに自生のもみじである。野の花にぴったりそうな花瓶を二つ用意した。私は生け花をする人が生けた花は人工的に見えることが多いのであまり好きではなく、自分では投げ入れが一番好きであるが、彼女が生けた花は野の花がほんとうに野の花らしく見え、目を離すことが出来なくなった。

この下の花は色が淋しいということで、こぼれ種で我が家の庭のあちこちに咲いているビオラを摘んで来て真ん中に足したものである。ビオラの紫と花瓶の藍色が良くあっていると思う。



これらの花を生けた、直径7センチ高さ21センチの白い花瓶と、高さも直径も12センチの藍色の花瓶、野の花と実によく溶け合っていると思いませんか。この二つの花瓶は、私が花を生ける度にこんな形のがあれば花がもっと映えるのにと探しに探したあげく、地方の小都市では見つけることが出来ず、とうとう自分で作ってしまった花瓶である。花を生けた友によれば、色と形が完璧な花瓶は花を拒絶するとのこと。私の第一作目と第二作目の出来は素人そのものだけれど、おさまり良く花が生けられるように設計した色と形が生けた花の雰囲気を一番活かせることになっているのだ自負している。

藍色の花瓶の下に敷いてあるおしゃれな手縫いステッチのある布は、この花を生けてくれた友の作品である。彼女の腕と私の作品で完璧な小さな初夏を家の中に取り込むことが出来た。

彼女が来た時に我が家の庭でやっと咲き始めたルピナスが今は満開で、ジャーマンアイリスやショウブなども咲き始めている。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第1374号 Niigata雀 | トップ | 第1376号 新潟も梅雨入り »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Nagano Report」カテゴリの最新記事