すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第1114号 酒の中に“ナメクジ”が!!

2012-11-03 14:31:31 | Mie Report
【Mie】11月に入ってめっきりと寒くなり、おでんや鍋を囲んで熱燗で一杯やるのが何よりも楽しみな季節になった。そんな折、私はこの年になって生まれて初めて奇怪なことに出くわした。その出来事は私には予想すらできないことだった。

それは何かというと、いつもの晩酌で熱燗を飲んでいたら、何杯か飲み干して徳利に残った最後の酒をぐい飲みに注ぎ終わったところ、その中に何か得体の知れない流線型をしたものが沈んでいた。私はてっきり酒を飲むときに口から魚の身がこぼれたのかと思った(その日の肴は秋刀魚だった)。

それにしては大きいなと訝りながらも酒と一緒に口に含み、それに歯に当てたらコリッと固い。思わず口から吐き出してよく見たら、その物体はなんとナメクジではないか。もちろん死んでいたが、それはそうだろう。電子レンジで熱燗にすれば生きているはずはない。

でもいつまで生きていたかは分からない。いずれにしろ徳利の中に潜んでいたナメクジに気づかずに酒を入れ、燗をしてしまったのだろう。底に沈んでいたため最初のうちは分からなかったが、最後になってやっと姿を現したというわけだ。

私はさしづめナメクジをダシにした酒を飲み、そのうえ危うく酒蒸しになったナメクジを飲み込むところだった。さすがに気味が悪く、そのあとは酒も食も進まなかった。それにしても一体なぜナメクジがそんなところに?とよく考えてみると、その理由が分かってきた。

ちなみにナメクジはカタツムリの一種で、運動が自由で狭いところにも入っていけるよう殻が退化したという。湿気の多いところを好み、冬季以外は農作物や園芸植物を食い荒らすため駆除の対象となる。ナメクジはアルコールを好む習性があるため、ビールが誘引剤としてよく利用される。

具体的には飲み残しのビールを容器にいれて置いておくと誘引されて捕殺できる。しかし中には酒に強い固体もいて飲み逃げされることがあるため、ビールの中にナメクジ駆除剤や多めの塩を入れておくといいらしい。ビール大国のドイツでは、この習性を利用してナメクジを駆除するのにビールを使うこともあるという(以上、Wikipediaより)。

これで大体の原因が分かったと思う。つまりナメクジはビールだけでなく、日本酒にも誘引されたに違いない。私の推理では、野菜(キャベツやレタスなど)に付着していたナメクジが、水洗いして台所の流しに置かれた徳利に残る日本酒の匂いに誘引され、その中に入り込んだのだろう。

私と同じ酒飲みとはいえ、こんな飲み友達は願い下げだ。それにしてもアルコールが好きで中でもビール党の軟体動物とは恐れ入る。同じ動物でも私の地元の松阪牛には霜降り肉を作るためにビールを飲ませるのは有名な話だが、それとはだいぶ次元が異なる。

家人からは「フランスではエスカルゴを食べるから、ナメクジも食べられるんじゃない?」とからかわれる始末だが、冗談じゃない。もっとも現にカナダやアラスカではナメクジを食用にしているという報告があるらしい。生は寄生虫感染の恐れがあって駄目らしいが、煮て食えば食えるだろう。

人間は何でも食べるので、油炒めや佃煮にすれば結構いけるかもしれない。現にイナゴの佃煮は有名で私も食べたことがある。でもフランスのエスカルゴもそうだが、私はこの腫のゲテモノ(?)は大の苦手だ。翌朝、風呂場のタイルに生きたナメクジが動いていたのにはさすがに辟易した。

(冒頭写真はその時の徳利とぐい飲み)





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