すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第284号 ついに「デジタルイチガン」を買いました

2005-11-25 12:12:18 | Tokyo-k Report
【Tokyo】うじうじと悩んで買い控えていたデジタル一眼レフカメラ(10月2日「すずめ通信」第267号参照)を買った。選んだ機種は「コニカミノルタαSweet」。本体に手ブレ補性機能がつき、「よくできたカメラ」だと思っていたのだが、専門誌を見ても注目度が今ひとつの印象で、選択し切れなかったのだ。しかしある専門誌の今月号が「2005年カメラランキング」を発表、同カメラがエントリー機種部門の第1位に選ばれているではないか。私の目は確かだったのである。

購入の動機はそれだけではない。私が選択・決断しようとしているその時をわざと狙ったかのように、コニカミノルタが業績の下方修正を発表したのだ。カメラ分野の価格競争についていけず、収益見通しが急速に悪化したのだという。カメラ事業は縮小する方向だというのだから、選ぼうとしていた私のような者にとっては、かなり心配な事態だ。しかし「だから買うことにした」というのも事実であって、私はいささか複雑なのである。

デジタルカメラはコンパクト分野がカメラメーカーに加えソニー、パナソニック、カシオなど電機メーカーが入り乱れ、熾烈な競争をしている。キヤノンを別にすればカメラメーカーはむしろ劣勢だ。一方、一眼レフ分野では、さすがに電気系は技術的に参入できないからか、キヤノン、ニコン、ペンタックス、オリンパス、それにコニカミノルタと、旧来のカメラメーカー同士がモデルチェンジを繰り返しながら激戦を展開している。

正確な数字は知らないから単なる私の印象に過ぎないが、キヤノンが圧倒的なシェアを確保、ニコンがそれに続いて、オリンパス、コニカミノルタは大きく差をつけられているようだ。その差は製品そのものというより、企画力、開発力、さらには販売力といった、企業の総合力の差のように思える。電子部品を自社生産できるメーカーと、専門メーカーから調達するしかないところとでは、価格競争で太刀打ちできないのであろう。

その上価格設定力が、メーカーから流通・量販店に移って久しい。あの「オープン価格」というやつだ。消費者は安くなっていいようにも思えるが、価格の構造がさっぱり分からない。マージンやリベートが飛び交って、それを調整することで「特価」に見せかけた価格を、客は喜んでいていいものなのか。そんなことをしているうちに競争力のないメーカーはどんどん疲弊し、いい製品を作り上げても市場から退場を迫られる。

それが市場原理というやつで、競争に負ける企業経営が悪い、といってしまえばそれでおしまい。ただ私は、そんな市場原理万能主義という風潮が嫌いで、このカメラ選びの最後の決断を、ささやかな「反市場原理」で行ったのである。性能はまあ、どれも似たり寄ったりなのである。私の腕前も、わずかな性能差を云々するほど肥えてはいない。ただ今後、添付の写真がいくらか上達しているとすれば、それはカメラのおかげである。
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