みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

岩手山(4/30、別レより)

2022-05-03 08:00:00 | 賢治の詩
《1 》(2022年4月30日撮影)

《2 鷲の形らしきものが見える》(2022年4月30日撮影)


 ここからの岩手山を眺めていると、しばし時が経つのを忘れてしまう。そこには一つの理想の雄姿が見えるからだ。

 ところで、賢治は95年前の今日(昭和2年5月3日)次のような詩、

「詩ノート」
一〇五四
     〔何と云はれても〕
                       五、三、
   何と云はれても
   わたくしはひかる水玉
   つめたい雫
   すきとほった雨つぶを
   枝いっぱいにみてた
   若い山ぐみの木なのである
            〈『新校本宮澤賢治全集第四巻詩Ⅲ本文編』233p〉

を詠んでいる。
 それにしても、「本統の百姓になる」と意気込んで下根子桜に移り住んだはずなのに、それから一年以上も過ぎたのだがそれには全くほど遠く、逆にその意気込みは薄れ、気持ちが荒んでいたように、私には見えてならない当時の賢治だ。
 だから、〔何と云はれても〕というこのような詩を口ずさんでみると、少しほっとする。そこには賢治の意気込みがまだ完全には失われてはおらず、このままではだめだ「わたくしはひかる水玉」だと、己の矜持を保とうとしているように見えるからだ。「若い山ぐみの木」なのだからと、自身を鼓舞している姿が目に浮かぶからだ。

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