簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

水島駅(水島臨海鉄道に乗る)

2022-09-07 | Weblog


 高架の路線を行く列車の前方には、モクモクと白い煙を吐き出す煙突
が何本も見えている。水島コンビナートの一角を担う工場群である。
常盤駅を出ると線路は分岐し複線となり僅か3分、倉敷市駅からは25分
ほどで沿線最大の駅水島に到着だ。



 元々は、貨物専用の三菱自動車水島製作所の岡山工場駅として開業し、
旅客輸送を始めると同時に水島駅と改名された。
旅客用の島式ホーム1面2線の高架駅で、日中は委託駅員が常駐する。
多くの旅客列車はここが終点で、折り返して倉敷市駅に向い、これより
先に行くのは通勤客の居る朝夕が殆どで、日中は僅かに成る。



 是とは別にホームの前には、常盤駅を過ぎて分岐した貨物専用線が通
り抜けている。線路はその先更に南に向け延び、幾つかの分岐を複雑に
重ねながら、国道430号を跨ぐ辺りでは完全に分かれ直進する。
その内の一本は港東線(貨物専用線)として、3.6㎞先の東水島駅に向う。



 もう一方は分岐した後進路を西に向け、旅客扱いの終着駅・三菱自工前
駅に向う。
その先は貨物専用線と成り、終着の倉敷貨物ターミナル駅を目指す。



 駅の東口側は主に住宅地が広がっている。
西口側に出ると、広大な敷地に大きなバスターミナルが整備され、それを
取り囲むようにビジネスホテルや旅館、病院やマンション等が立地する。
その先には大型のイオンタウン水島ショッピングセンターもある。

 しかしターミナルに出入りするバスの姿はなく、人の流れも見えない駅
前は閑散としていて、駅が賑わうのはどうやら朝夕のことだけらしい。(続)





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望郷の駅(水島臨海鉄道に乗る)

2022-09-05 | Weblog


 浦田駅を出て弥生駅に停車し、出発すれとすぐ栄駅に到着する。
何所も駅間が、本当に近い。
高架駅の車窓からは、駅前広場に据えられたモニュメントが見える。

 平成4(1992)年に、同線の連続立体交差事業の完成を記念して、
「水と海と緑」をテーマに、著名な彫刻家8名により製作された作品
群の一つだ。



 弥生駅と水島駅の間には、「くらしき緑と水のアート回遊」が整備さ
れていて、この他にも7点ほどが高架橋に沿った側道に配置されている。

 栄駅は鉄道敷設のきっかけとなった旧三菱重工水島工場が出来た折、
名古屋工場からの転勤者が多く、故郷名古屋の「栄町」を偲んで名付け
られたそうだ。



 名古屋の栄町周辺には、テレビ塔や百メートル道路、地下街や都市公
園があり、大型の文化芸術施設や老舗百貨店、ショッピング施設、高級
クラブから赤ちょうちんの飲み屋までが犇めく。
同市屈指の繁華街・歓楽街で、そんな賑わいを偲んで望郷の思いが有っ
たからと言われている。



 弥生駅から、栄駅、常盤駅、水島駅に至る間は、水島地区の中心的な
地域で、中央公園や、役所の支所もあり、大型のショッピングセンター
等も立地している。

 嘗ては水島コンビナートで働く人々の巨大な社宅もあったらしい。
その住人達を当て込んで、飲食店ができ、商店などが集積し商店街を形
成し、町の発展の基盤となった時代が有った。



 しかし今日の常磐町や栄町の表通り商店街に、人通りは少なく空き地
やシャッターを下した店舗も結構目立っている。
 町並は碁盤の目状に整備され、道路も広々として通されているだけに、
それがかえって寂寥感を際立たせている。(続)





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沿線の車窓風景(水島臨海鉄道に乗る)

2022-09-02 | Weblog
 西富井駅で国道1号線を越えると、凡そ800mで福井駅に到着する。
駅の少し手前の線路脇には、倉敷中央高等学校が立地している。
この駅が出来るまで生徒の通学は、西富井駅を利用していたらしい。
 
 国道越えもあり、より近くて安全便利な最寄り駅として、平成に入り
開業したのがこの駅で、この路線では比較的新しい駅である。





 福井駅辺りで一旦地上に降りた水島臨海鉄道水島線は、浦田駅を過ぎ
ると再び高架の上を走るようになり、やがて弥生駅に到着する。
水島工業団地向けの自動車など、交通量の増加に伴い、平成4(1992)
年に高架化された区間である。

 周辺は大規模な住宅団地、マンションやアパートが立ち並ぶ、倉敷や
水島地域のベットタウンとしても発展をする地域だ。
商店やスーパー、小さな工場や事務所なども多く、賑やかな家並みが車
窓を流れるなか、時折田畑も姿を現わす長閑な地である。





 まだ訪れた事は無いが、浦田駅から南西に1キロほど行った連島大江
地区には、明治時代に活躍した詩人・薄田泣菫の生家があるらしい。
誕生から幼少期をここで過ごした泣菫は、晩年健康を害し、再び生家に
戻り、闘病生活を続けるも甲斐なく、68年の生涯を生まれたこの地で閉
じたという。





 高架線はその先で弥生駅、栄駅、常盤駅、水島駅と駅を重ねて進むが、
その駅間は本当に近い。弥生駅と栄駅の間は700m、次の常盤駅との間は
400m、そこから水島駅までは600mほどだ。
水島地区の中心的地域だけに、2㎞にも満たない間に3駅が連なっている。
ホームに立てば、直線の線路の先に隣の駅に停まる列車が見える程に近い。(続)



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