簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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食べたまま、書いてます。

さざえ堂

2017-11-15 | Weblog


 飯盛山に来たからには、もう一カ所是非とも見て帰りたい場所がある。
「白虎隊十九士の墓」「自刃の地」を背に、山を下るには登って来た階段を下るか、
途中から脇道に逸れ、それを下ることになるが、その途中には旧正宗寺の円通三匝
(さんそう)堂がある。
国の重要文化財に指定されている建物で、通称「さざえ堂」と言う。



 高さが16.5mあり、初層の径が約6.2mの六角形構造の珍しい建物だ。
正面に設けられた唐破風屋根の入り口を入り左に折れるとと、直ぐに右に曲がる
螺旋状のスロープが設けられている。



 それは床板に滑り止めの桟を打ち付けた通路になっていて、それを辿ると先に
最上部となる太鼓橋が有り、これ越えると今度は左回りのスロープを下り、裏側に
設けられた出口から外に出ることが出来る構造になっている。



 この間上り下りする者が堂内で交錯することは無く、堂内の所々に設けられた見
通しからは逆方向に歩く人を見ることが出来る。
このように一方通行のまま、建物内を三度周るから三匝堂と言われている。



 堂内各所には西国三十三カ所の観音像が祀られている。
江戸時代に貧しくてなかなかお参りにも出向けなかった庶民のために、身軽に巡礼
をするため工夫された建物とみられている。



 外観が栄螺の巻いた殻のように見える事から「さざえ堂」と呼ばれるようになった。
こういった構造の仏堂建築は世界的にも例を見ない特異なものらしく、二重螺旋を
考案した知力とそれを実現させた大工の棟梁の技術には感服させられる。(続)



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コメント
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