簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

足摺岬のジョン万次郎 (四国遍路)

2011-05-20 | Weblog
 黒潮打ち寄せる断崖の高さは80メートル余り、ここからは視界が270度と広がり、
大自然の眺めは迫力満点で、地球が丸く見える。
 大正3年に建造の白亜の灯台は、高さ18メートル、光達距離は38キロメートルで、
我が国でも最大級の灯台のひとつと言われている。



 『私は机も本も蒲團も持つてゐるかぎりをたヽき賣って、ふらふらと死場所にえらんだ
足摺岬に辿りついてゐた。』(田宮虎彦集「足摺岬 」昭和27年河出書房より原文のまま)
 過去には、この岬の上から怒涛の中に身を投げる遍路達は決して少なくは無かったと言う。
ここは、「補陀落信仰」の場、自殺者も海の向こうに観音浄土を求めたので有ろうか。
哀れな事である。



 この岬では、矢張りジョン万次郎の存在を見過ごすことは出来ない。
彼は、土佐の国中浜村で貧しい漁師の家に、次男として生まれた。
 14歳のおり、手伝いで漁に出て嵐に会い遭難、6日の漂流の後奇跡的に太平洋に浮かぶ
孤島に漂着、そこで更に半年間も無人島生活を続ける。
たまたま島にウミガメの卵を取りに来た、捕鯨船に助けられアメリカに渡る。
彼の秀でた才を認めた船長はその後、彼を養子にし、色々な教育を受けさせた。

 漂流から10年、彼はやっとの思いで幕末期の日本に帰国。
士分として取り立てられ、名字帯刀を許され日米和親条約の締結に尽力した。
かの有名な坂本竜馬の世界観は、彼から聞いた話に影響を受けたものだと言われている。
そんな万次郎は、海越しにアメリカを望むようにこの岬に立っている。(続)




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