三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

「スポーツ力」という言葉

2010年03月31日 | 2010年
「スポーツか」でなく「スポーツりょく」です。
toto(サッカーくじ)のロゴの上に
「信じよう。スポーツの力を。」と書かれているのに気づき
「スポーツ力」を思い出しました。

例の「老人力」を真似た一連の言葉として
私が勝手に作りました。
スポーツとまちづくりを考える時、
「スポーツ力」をいかに上手く活用するかがポイントです。

ジャーナリスト、キャスターの三神万里子さんが
こんな例を紹介しています。

「スポーツが強い地域は、
統計学的に若者の非行が減る。
地元の健全さは経済活動の基礎だから今後も支援する」

プロ野球とサッカーチームのスポンサーをする
ある企業の担当者の言葉だそうです。

日曜日の読売新聞で
フランスの国際政治学者ドミニク・モイジ著
『「感情」の地政学―恐怖・屈辱・希望は
いかにして世界を創り変えるか』の紹介記事の中で
述べられています。

「スポーツジャーナリスト」
「スポーツビジネス」などを私が使い始めた時、
日本では誰もこれらの言葉を使っていませんでした。

そろそろまた新語を普及させたい(!?)のですが
「スポーツ力」は「力(ちから)」の文字が
カタカナの「カ」とそっくりなので
書き言葉として使いづらいのが難点なのです。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
 地域づくりアドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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プレミアリーグの行方

2010年03月30日 | 2010年
今日の日経新聞で、編集委員の吉田誠一さんが
リバプール大学のローガン・テイラー教授に
イングランドのサッカーの現状をインタビューしています。

イングランドやドイツのように
サッカーの歴史が長い「オールド・フットボール・ワールド」と
日本・米国などの「ニュー・フットボール・ワールド」がある
という説明は初めて知ることでした。

また、特に強く印象に残ったのは、プレミアリーグのクラブが
次々と外国人投資家に買収されている現状に対するコメント。

「問題なのはオーナーが外国人だからということでなく、
サッカーが分かっていない人間がクラブを買っていることだ」といいます。

テイラー教授は、このままでは5世代にわたって愛されてきたクラブが
壊されてしまう、という危機感を持っています。

それを食い止めるには、
「クラブ買収に関するきちんとした規則をつくるべきだ」

これには納得ですが、
「実行力のないプレミアリーグ幹部には期待できないので、
政府に介入してもらう必要がある」という結論。

これは市民の立場から見ると、抵抗があるように思います。

市民の力で育ててきたクラブに
国が介入するということがいいのかどうか。

投資の対象になってしまったサッカーを救う手段が他にないのであれば、
「それもやむを得ない」という選択をするのかどうか。

しばらくはサッカーの母国の先行きが気になるところです。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
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流れたチャンス

2010年03月29日 | 2010年
金曜日のブログの続きです。
中止になった「国際展示見本市」ですが、
最も責任があるのはもちろん主催者です。

「Football-1」という見本市の名称になっていました。
初めて目にする名称なので調べてみたところ
株式会社コンケストという会社が事務局を担当していました。

これまた初めて見る会社名でしたが、
スキーのワックスで知られた企業だということが分かりました。
イベントのサイトを見ると、
現在は同社の代表取締役名で「お詫び」が出ています。

スポーツ用の展示会は、世界各国で開催されています。
社団法人スポーツ健康産業団体連合会の内部でも
「スポーツジャパン」の復活を目指して、
まずは「サッカー展示会」ということで、
実施に向けての企画が検討されたことがありました。

一社のブース出展料金を30万円ほどに設定し、
大手の企業だけでなく、
NPOレベルの組織まで声をかけ
よりオープンな内容としようという提案でした。

魅力的な点もあったのですが、
出展者が集まらないだろうという意見が大半で、
企画倒れに終わりました。

もし、今回の展示会が実施できていれば、
スポーツ業界も元気が取り戻せるのではないかと
考えていたのですが、
残念ながら、その機会を得ることは出来ませんでした。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
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中止となった「国際展示会」

2010年03月26日 | 2010年
先月7日の話です。
日経新聞にこんな広告が掲載されました。

「グローバルフットボールスポンサーシップセミナー
~サッカービジネスのマネジメントから学ぶ~」

 世界有数の強豪チームであるリバプールFCから
 グローバルビジネス担当者を講師に迎え
 リバプールFCの世界戦略、
 アジアマーケティングの事例をもとに
 グローバルビジネスにおけるアジア戦略について学びます。

 開催日時:2月19日
 会場:幕張メッセ国際会議場
 リバプールFCインターナショナルビジネス担当の
 ジョナサン・ケーン氏と早稲田大学の内田和成教授の対談
 入場無料

 同時に3日間に渡り国際展示場で
「国際サッカービジネス展示会2010」も開催予定。

幕張メッセといえば、
社団法人スポーツ健康産業団体連合会が主催した展示会
「スポーツジャパン」の会場となったところです。

日本を代表するミズノ、アシックス、デサントをはじめ
スポーツ用品関連企業が出展し
最盛期には全館を借り切っての盛況ぶりでした。

バブルがはじけてスポーツ産業が縮小し
展示会の規模も年毎に小さくなって
ついに中止となって数年が経ちます。

スポーツ業界でこうしたことを間近に見てきた私にとって
今回の展示会開催の広告には
失礼ながら「本当に開催できるのか」という
疑念が生じました。

ただ、経済産業省や日経新聞社クロスメディア局が
後援についていたこともあり、
半信半疑ながら「セミナー」でも覗いてみようと
事務局に電話で申し込もうとしたところ、通じません。

すでに締切日は過ぎていたのですが、
「どうせ満員にはならないだろう」という
私の見通しが甘かったかと反省していると
日経新聞の記者から「中止になりました」という電話。
開催のわずか2日前のことです。

関西の大学で教壇に立っている知人は、
経済産業省や日経の後援があって信用したということで
教え子に「是非、参加してみたら」と勧めていました。

その何人かはすでに格安チケットを手配した後だったそうで
「学生には気の毒なことになった」とガックリしていました。

先日、たまたま経済産業省の担当者に会ったので
中止の理由を聞いたところ、
「海外の出展者が出展料を支払わなかった」とのこと。

それにしても2日前のドタキャンとはお粗末。
私の「疑念」は的中したのですが、
後援名義を出した経済産業省や日経新聞が
あまり責任を感じていないように見えるのは
予想外のことでした。

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 三ッ谷 洋子
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デリダに学ぶ

2010年03月24日 | 2010年
昨年4月に初めて大学の教壇に立ち
授業は「先生と呼ばないで下さい」という
自己紹介でスタートしました。

1年をどうにか終えて痛感したのは
大学教育は昔とは全く様変わりしていることです。

産業界からの要望なのか
即戦力となるような人材を育てる場という色彩が
濃くなっています。

「専門学校と大学はどこが違うんですか」
こう質問してきた学生がいます。
「スポーツ関連の資格を取るのだったら、
大学に入らなくても専門学校で十分だと思います」

そう、その通り。
「ただ、大学だからこそ学べるものがある」と説明したものの
今の大学教育はそれを力説できない状況のように見えます。

学生が先生を評価する「通信簿」があります。
さらに、先生自身の自己評価というのもあり
目標値を設定して、どこまでクリアしたかを
自分で評価します。

米国ではすでに10年前に、
このような評価システムは意味がないので廃止したと、
どこかで読んだ記憶があります。

米国の後を追いかけるのが好きな日本人は、
失敗したことも全てやらないと気が済まないようです。

2ヵ月ほど前、
「大学とは何か」をテーマとした講演会に
出かけてみました。

フランスの哲学者ジャック・デリダが創設した
「国際哲学コレージュ」という教育機関を紹介する
ドキュメンタリー映画の上映会がメインでした。

「大学とは何なのか、
哲学、人文学のあり方はどうあるべきなのか」
デリダの考え方を継いだ人たちに
東大専任講師の西山雄二さんが
インタビューした映画です。

少しずつ大学教育の現場を知るようになると
日本の教育はこの流れでいいのか、という疑問が湧いてきます。

その意味で、「一緒に考える場」を大事にした
デリダの姿勢に刺激を受けました。
先生2年生の新学期が、もうじき始まります。

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 三ッ谷 洋子
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Jリーグの宝

2010年03月23日 | 2010年
今日のNHKテレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」に
カズこと三浦知良選手が登場しました。
Jリーグ選手として最高齢の43歳。

親子ほどの年齢差のある若い選手たちに交じって
現役選手としてプレーする体力・技術・精神力を維持するのは
並大抵の努力ではありません。

また、新聞やテレビで、
他人や周囲に対して批判的な内容のコメントを
目や耳にしたことは一度もありません。

J1からJ2のクラブに移籍して注目されましたが、
番組では、「たとえJFLでも、
情熱を持って経営しているクラブであれば、
どこにでもいく」と語っていました。

プロ選手として変わらないサッカーへの情熱が
「キング・カズ」と呼ばれる所以だと思います。

現在の日本代表チームに足りないのは
シュート力と強い精神力。
誰にも負けない精神力を持つ彼を
起用してもらえないでしょうか。

といっても残念ながら
私に日本代表選手を決める権限はありません。

キング・カズ。
Jリーグの宝。

所属する横浜FCは、目下、リーグ3連勝です。

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 三ッ谷 洋子
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立派な企業理念

2010年03月19日 | 2010年
日本社会に辛口のコメントをしている
ソフトブレーン創業者の宋文洲さんから
いつにも増して厳しい指摘のメルマガが届きました。

タイトルは「立派な企業理念は怪しい」。
玄関や会議室などに「立派な企業理念」を掲げながら
実際にはコンプライアンスすら守らない企業を
たくさん見て来たからいえる事だといいます。

立派なことをいう経営者に限って
株主総会も取締役会も眼中になく、
自分の立派な理念、立派な話に夢中となっています。

社員はそんな立派なことを考えている訳ではなく、
無駄な残業をしないで世間並みの給与をもらえば
それで満足なのです。

数百年も続く老舗企業を見てみると、
「誠実」「勤勉」など小学生でも簡単に言えるような
基本中の基本の倫理観を、
経営者と社員が地味な行動で体現しているといいます。

社長や社員がどんな姿勢で仕事に取組んでいるのか、
言葉に惑わされずに実体をきちんと見ることが
重要だということですね。

何事にも当てはまります。

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 三ッ谷 洋子
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1世紀前の世界一周旅行

2010年03月18日 | 2010年
「日本初の海外観光旅行」(小林健著:春風社)という本を
読んでいます。
サブタイトルは「九六日間世界一周」。

1世紀前の日本人がどんな旅行をしたのか、
海外でどんな見聞をしたのかに興味があったのですが、
これがなかなか面白いのです。

この旅行は1908年(明治41年)に
朝日新聞社が主催しました。
旅行費用は2千340円。
今の貨幣価値に直すと、
1千200万円くらいに相当するといいます。

こんな大金をはたいて、
いったい明治の人たちが何人、参加したと思いますか?
新聞紙上に公表された参加者名簿には
同行記者2人を含む56人の名前、住所、職業が紹介されています。
(個人情報保護法のある今では絶対にあり得ないですね。)

年齢は20~40代が中心。
関西の相場師グループや
繊維・金融関連会社やの社長、地方議員、
高校教師や学生もいます。

1万4千トンの米国客船モンゴリア号で横浜を出発し、
ホノルルを経由して17日目にサンフランシスコに到着します。
どこでも日本人ツアーは大歓迎されています。

興味深いエピソードの中でも、
シカゴのマーシャルフィールドデパートは
当時の日米の大きな違いを歴然と示すものでした。

その建物は地上12階、地下2階。
エレベーターが76基も設置されていました。
一方、「日本の一の三越」は、
この年に2階建ての黒塗り土蔵造りから
西洋風ルネサンス式の新店舗に改装しましたが、
それでも3階建てだったそうです。

一行はさらにヨーロッパを回り、
シベリア鉄道で帰国します。

私の読書の「世界一周」は
この先もまだまだ面白いことがありそうで
楽しみながら読み進めています。

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 三ッ谷 洋子
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目標達成のために

2010年03月17日 | 2010年
先日のブログで、
インドの女性政策のことを取り上げました。
下院と州議会の議員の33%を女性にするという話題です。

今朝の朝日新聞では、
さらにその上をいくノルウェーの
「女性役員割当制度」が紹介されていました。

ノルウェーは2003年に
「上場企業の最低40%を女性にする」法律を作りました。
その前年、上場企業470社の女性役員はゼロでした。

「2005年に40%達成」が目標だったのですが、
実際には18%と、半分にも届きませんでした。

そこで政府が設けた制裁は
「2年以内に40%を達成できない会社は解散させる」。
2008年には目標が達成されたとのことです。

解散させられては元も子もありませんから、
どの企業も目標達成のために
必死に取組んだことでしょう。

記事には各国の女性役員比率も
グラフで示されていました。
米国は意外に少なく15.2%。
日本は更に更に少なく、
1.4%という情けない数字です。

ノルウェーでは当然のことながら、
当初は経済界の反発が大きかったそうです。

それでも目標を達成したわけですから、
ノルウェーには強い政治力があるということですね。

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 三ッ谷 洋子
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イレブンミリオンプロジェクト

2010年03月16日 | 2010年
Jリーグから「2010 J.LEAGUE PROFILE」が
送られてきました。
100ページ以上にもなる冊子です。

Jリーグの理念・組織・各事業や
ホームタウン活動、マネージメントデータなど
盛りだくさんな内容です。

Jリーグは様々な印刷物を出していますが、
私の記憶では同様の内容で
これほどのボリュームのものは初めてだと思います。

これを読めば、Jリーグの全てが分かるくらい
歴史から現状までよく整理されています。

その中で大きなテーマとなっているのが
「イレブンミリオンプロジェクト」です。

「2010年に年間入場者数を
イレブンミリオン(1千百万人)にしよう」と
2007年に掲げたものです。

昨シーズンは9百61万9千689人でした。
1千百万人まで、あと138万人余。
J1、J2合わせて37クラブで割ると
3万7千305人増えればクリアできます。

当初、達成は難しいいのではないかと予想していましたが、
この数字を見ると目標まであと一歩。
ぜひ、達成して欲しいものです。

1993年にJリーグがスタートする前の理事会で、
入場者数をどのようにカウントするかという話がでました。
それまでの試合の観客数は
例えばこんな感じで決まりました。

報道陣
「今日の観客数は何人くらいにしますか?」

日本サッカー協会担当者
「そうですね~、3千500くらいでしょうかね」

報道陣
「じゃあ、4千でいきましょう」

「プロリーグたるもの、
こんないい加減なことじゃいけない」ということになり、
実数で発表することにしました。

ここで一つ問題がでてきました。
どうやって数えるかです。
傑作なアイディアがある理事から出されました。
「“野鳥の会”の会員に、数えてもらったらどうか」というのです。

以前、NHKの紅白歌合戦で、
“野鳥の会”の会員が会場の観客をあっという間に
数えるシーンがあり、こんな案になったのです。

結局、この妙案は採用されず、
チケットの半券を1枚ずつ人手で数える方法となりました。
入場者数の発表がハーフタイムの後になるのは
そんな事情があるからです。

今でも同じ方法で数えているのだと思いますが、
そんな細部へのこだわりが
Jリーグの歴史を作ってきました。

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インビクタス

2010年03月15日 | 2010年
クリント・イーストウッド監督の最新作です。
どの新聞でも大きくとりあげて絶賛しています。
「素晴らしい映画だから、是非、見てみたら」と勧めてくれる人もいたので
この週末に見てきました。

「インビクタス」とはラテン語で「征服されていない」の意味で
日本語で「負けざる者」というタイトルがついています。

舞台は南アフリカ。
黒人初の大統領、ネルソン・マンデラが
1995年に自国で開催される
ラグビーのワールドカップに向け、
南ア代表チームを応援しようと国民に呼びかけます。

裕福な白人選手たちが練習するラグビー場の反対側で、
ボロボロの服に裸足の黒人少年達がサッカーに興じています。
上流階級=白人=ラグビー
下層階級=黒人=サッカー
南アの国民はこんなふうに色分けされます。

マンデラは代表チームを後押しする代わりに、
彼らに黒人の住む地域に出かけていって
子ども達にラグビーを指導するよう依頼します。

大会を前にそんな時間はない、
黒人の子どもに指導なんか―。
選手たちは反発しますが、大統領の意向に反対はできず
あちこちの黒人居住区を訪れてラグビーを指導し
子ども達に大歓迎されます。

大会が始まり、南アはベスト8止まりと予想されていました。
ところが次々に強豪を打ち破り、
決勝の相手は優勝候補のニュージーランド。

息詰まる両チームの攻防が、
最後の20分(私の実感)ほど続きます。
ラグビーというスポーツの迫力や醍醐味を
存分に映像で見せてくれます。

延長戦にもつれこむ手に汗握る試合。
南アの国民は白人も黒人も一緒になって声援を送ります。
劇的な盛り上がりの中で南ア選手が蹴った
楕円のボールがゴールして優勝が決まります。

スタジアムのあちこちで振られる新しい国旗。
黒人も白人も誇らしげに歌う新しい国歌。

「たかがスポーツ」のパワーに圧倒されます。
1995年の南アのワールドカップで
実際にこんなシーンが繰り広げられていたことを
この映画で初めて知りました。

マンデラ大統領は、スポーツが人々の心を奮い立たせ、
人々の心を結びつける力があることを、よく知っていました。

国を一つにまとめるために、
スポーツを利用したともいえます。

為政者が崇高な理想を掲げていたことが、
南アの人々にとって幸いでした。
心を揺さぶられる映画です。

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鶏が先か卵が先か

2010年03月12日 | 2010年
珍しく、インドのニュースについて。
インド上院が、下院と州議会の議席の33%を女性枠とする
憲法改正案を賛成多数で可決しました。
(11日の朝日新聞)

与党の国民会議派だけでなく、
野党の有力政党が軒並み賛成で、
下院でも可決される見通しだそうです。

憲法改正とまではいかなくても
このように女性の割合を明確に規定することが
女性の活躍の場を増やすことにつながると
私も考えています。

ところが「このような規定が
必ずしも女性たちの幸せにつながるわけではない」と
主張している女性もいます。

一流企業で実績を重ね、
「女性で初めて」の役職に抜擢されたAさんは、
男性と同様にバリバリ仕事をし、
宴席での付き合いもこなしたのですが、
ついにうつ病になってしまいました。

日本では男女雇用機会均等法ができ
若い世代でも活躍する女性が増えてきましたが、
女性ならではの様々なストレスに
さらされているのも事実です。

「頑張りすぎで病気になったんじゃ、
意味がないでしょ。
女性の割合を増やす前に、
男社会を変えるのが先じゃないかしら」

今は仕事に復帰してたAさんのこんな言葉が、
私の心に重く残っています。

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彫刻家と監督

2010年03月10日 | 2010年
心からリラックスしている笑顔。
サッカーの岡田監督も、
こんなに楽しそうな表情をすることがあるのですね。

今朝の朝日新聞「岡田監督対談第6回」の紙面です。
いつも自分ひとりで日本サッカーの全責任を
背負っているような厳しい表情しか見られないので
何故か安心しました。

対談の相手のせいでしょう。
今回は彫刻家の流政之さん。
想像もできなかった意外な組合せです。

私が流さんのことを知ったのは、
何十年も前のことです。
米国で活躍する様子を紹介した新聞記事でした。
ミーハーですが、ハンサムな顔立ちが目に止まりました。

日本的なモチーフの作品から
「サムライ・アーティスト」と呼ばれているそうです。
その後、何度も雑誌や新聞で、
活躍ぶりや作品を目にしてきました。

高松に出張でいった時には、
偶然にも市立美術館で初めて作品に出会いました。
黒い石でできた巨大な三味線のバチ。
「ながれバチ」という作品でした。
圧倒的な存在感がありました。

最初に読んだ記事の中で、
今でも鮮明に覚えているのは
「石は温かい」という表現です。

毎日、石と格闘している彫刻家は
冷たい石についてこんな感想を持つのかと、
衝撃を受けました。

岡田監督が知り合ったのは、
札幌の監督時代といいます。
流さんについてこう語っています。
「行き詰まっているときに先生と話していると楽になる。
大きな人だから」

岡田監督の笑顔には
確かにそんな安心感と信頼感が表れていました。

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新しい時代のアスリート像

2010年03月09日 | 2010年
先月の話題です。
オリンピックで活躍した陸上競技の朝原宣治さんが
子ども達のスポーツ振興に熱心に取組んでいます。

2月11日、兵庫で地元の小中学生を対象に
スポーツ教室を開催しました。
指導者として集まったのは、
OBを含めて様々な競技の選手たち約30人。

この活動を「アスリートネット」という組織の立ち上げに
つなげるということで、
会長には女子バレーの前全日本監督・柳本昌一さん。

その他、柔道の野村忠宏さん、テコンドーの岡本依子さん、
卓球の平野早矢香さんなど、錚々たる顔ぶれで、
勿論、奥さんで元シンクロ選手の奥野史子さんも
加わっています。

2月28日には、朝原さんが委員長を務める
「子どもの健全育成システム構築のための研究会」主催の
シンポジウムを京都で開催しました。

かつてトップアスリートといえば、
お膳立てされた舞台に呼ばれ
ゲストのような形で参加することがほとんどでした。

しかし、朝原さんの活動を見ると、
自らが動いてその舞台を作っています。
そこに新しい時代のアスリート像を見ることができます。

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週末のJリーグ

2010年03月08日 | 2010年
週末のJリーグ関連の記事から
興味深いものをいくつか拾ってみました。

●平山 劇的V弾 ロスタイム 
 エースの仕事  (7日:産経)

 FC東京は1-0で4季ぶり白星発進。
 私も会場で観戦していました。

 平山選手のシュートがなかなか入らず、
 ジリジリしていた東京ファンは
 ホッとしたことでしょう。

●大宮3発 友にささげる(8日:朝日)

 大宮アルディージャの塚本泰史選手が
 がんであることは、すでに報道されていました。

 セレッソ大阪のサポーターが
 塚本選手を励ます横断幕を掲げている写真を見て
 広く温かい気持ちに感動しました。

 塚本選手の復帰を心から願っています。

●J「歓喜の振動」で床発電
 跳べ 神戸サポーター(8日:産経)

 ヴィッセル神戸が本拠地のホームズスタジアムで
 観客の振動を電気エネルギーに変換する
 「床発電システム」を設置して、
 試験運用を始めたそうです。

 実際にこの日の来場者(1万9千506人)全員が
 床発電すると、スタジアム全体の電力の
 16.8秒分がまかなえる計算になるそうです。

 それでは、90分を床発電でまかなうとすると
 何人が必要になるのでしょうか・・・。

 電卓で計算してみたところ、
 現実的でない数字が出てきてしまいました。

 三木谷浩史会長兼社長が記事の中で
 「環境問題に対する意識向上」とコメントしていますが、
  あくまでそれが主眼なのでしょう。
 話題づくりとしては面白いと思いました。

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