三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

いつかきっと・・・

2012年05月02日 | 2012年
前のブログから、はや2ヵ月が経とうとしています。
すっかりサボりの常習犯となってしまいました。

以前は毎日こまめにブログを書いていたので
「また、どこかで転んで入院か?」などと
心配されている方もいらっしゃるかも知れませんね。

大丈夫です。元気です。
駅の階段やバスを降りるときは、
しっかり手すりにつかまっていますし、
寒く長かった今年の冬も、
風邪ひとつひかずに過ごしました。

ところで昔は大学の先生といえば、
マイペースで授業や研究をされていて
とてもノンビリしているように見えましたよね。

でも、実際に自分がなってみると、
とにかく仕事が多いのにビックリです。

私は、先生のキャリアもまだまだ浅いというのに、
昨年度から学部主任という役割が回ってきて
最近では「文部行政の問題」について
偉そうにいっぱしの意見も言うようになりました。

さて、ゴールデンウイーク。
昨日からお天気は崩れていますが、
東京のまちは、去年の節電もすっかり忘れて
繁華街は無駄な照明が復活しています。

一方、被災地はまだまだ復興と呼べない状況のようです。
日本人として絶対に忘れてはならない現実があります。

そこで、前のブログで触れた学生のレポートのうち、
心に残ったものをいくつか選んで、
皆さんにご紹介します。


課題は「自分のまちをスポーツで元気にし、
その活動を被災地支援につなげる」というものです。
(要点のみ抜粋)

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<1年生:Aさん>

地元のスポーツ団体で有志を募り
被災地へ派遣しスポーツイベントを開催する。
適度の運動は心をリフレッシュさせストレスを解消する。
避難所で生活している人も参加できるようなものであればなおよい。

私が主張したいのは、遠くからの支援でなく、
近くで支援するべきだということである。
お金を寄付しても、それが実際に被災地の元へ届くのか、
被災者にとって有益に使われるのか、不透明な部分がある。

それならば実際に被災地へ赴いて
自分たちで支援の手を差し伸べたいと考えた。

今だからできることがあると思う。
そのことを、今「普通」に生活している我々が考え、
実行に移すことが、被災地を元気に、
さらには日本を元気にする力になると主張したい。

<1年生Mさん>
スポーツを通して自分のまちを活性化するために、
将来、私は地元でスポーツカフェ・バーを経営したいと考えている。
その店でフットサル大会を主催し、
それをチャリティーマッチとして行う。

私が店を出す頃、震災の復興がどれほど進んでいるかわからないが、
復興が完了していないのであれば、
少しでも寄付金で復興の力になりたい。

また、その大会では被災した県から参加者を募り、
県対抗で試合を行うというのも面白いと思う。
私のまちは福島県と隣接しており、
東北地方の人々も足を運びやすいと思う。

地域コミュニティーのつながりが希薄化し
問題視されている現代において、
スポーツが地域の交流を深め盛り上げていく力は、
非常に大きいと思う。

その力と、自分がそれに貢献できることを信じて、
まちが盛り上がるよう努めたい。

<1年生Aくん>
私は、スポーツやレクリエーションの情報、
住民が参加してみたいという活動のニーズを
地域の人々から集める拠点のような場所、
もしくは仕組みをつくりたい。

私は去年5月、宮城県にボランティアで活動をした。
避難所で生活する高齢の方を対象に、
簡単な指の運動を行ったところ、
とてもにぎわったことを覚えている。

その運動を通して、現地の高齢者とボランティア学生の
距離が縮まることを感じた。

スポーツを行うのが難しい環境だからこそ、
コミュニケーションや健康、何よりも楽しみのために
スポーツが担う役割は大きい。

たとえば大人から子どもまで参加することができる
「小さな運動会」をやってみたい。

そこでは、高齢者は多くのコミュニケーションをとり、
大人はまた明日から頑張ろうという気持ちになり、
子どもはまたさらに元気になることができれば、
まちの盛り上がりに役立てるかもしれない。

<3年Hくん>
私のまちでは、毎年12月の第1週目の土曜日に
市内ロードレースが行われている。

小学生の部からシニアの部まで男女の部が設定されており、
市内の多くの人が集まり、大変盛り上がるイベントである。

現在は無料であるが、ここで参加費を徴収して
被災地への義援金として集められないだろうか。

コース沿いではいたるところで家族が応援にきている。
レース観戦者はとても寒い思いをするので、
たとえば豚汁、ホッカイロ、応援グッズなどを
有料(安価)で販売し、それも義援金とする。

このように、もともと人の集まるイベントを利用して
募金を集めることを思いついた。

法政大学のスポーツ健康学部には3つのコースがあるが、
他のコースの授業も受講することができる。

東日本大震災復興に協力する視点からスポーツを見たとき、
一つの目線に限定するのではなく、
このように多角的に物事を見ることによって思いつくことのほうが、
必要なのではないだろうか。

私たち法政のスポーツ健康学部生にはその可能性がある。

それぞれができることを、
それぞれが得意な形で、
それぞれのやり方で支援していこうという人々の間に
私たちが立つことで、
協力し合う人たちの潤滑油として活躍できるだろう。

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いずれ学生たちが社会に出て
何かの機会に「そういえば」と思い出し、
さらに「やってみようか」と一歩を踏み出してくれれば
私の授業も少しは社会的な意義を持つというものです。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
コメント (2)
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