三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

ご支援をお願いします!

2011年04月16日 | 2011年
福島第一発電所の事故は終息するどころか
全く先が見えない状況です。
避難された住民の方も気をもまれていることでしょう。

広野町から東京の息子さんのアパートに避難されている
西本さんの“その後”が気になって電話してみました。

「“やること”がないので
連日、サッカー協会に集まる支援物資の整理に
御茶ノ水に通っているんですよ」と、いつもの元気な声。

Jヴィレッジがある双葉町は、
西本さんの住む広野町の隣です。

西本さんは、広野町、双葉町など8町村の双葉郡を中心に
地域振興の活動をされてきましたが、
その活動を通じて日本サッカー協会の幹部とも顔見知りになり、
現在、日本サッカー協会のある御茶ノ水のJFAハウスを
支援物資の集荷・発送の拠点にしているそうです。

どんなものが必要かを聞いてみると
「子どもたちのためのオモチャや文房具、
それに大人も含めて下着が足りません。

女性は化粧水や乳液がないので、
あればとても喜んでいただける」とのことです。

今はインターネットを通じて、
以前には考えられなかったほど瞬時に広く情報が伝わり、
物資が殺到してしまう懸念もあります。

多すぎて困ることにはならないかと念を押すと
「送る先は沢山ありますから、
全く心配はありません。
多いほど助かります」とのことでした。

もし読者の皆さんの中で
上記のような品物を支援してくださる方がいらしたら、
次の住所に送っていただければ幸いです。

〒113-0033東京都文京区本郷3-10-15 JFAハウス 
(財)日本サッカー協会気付
特定非営利活動法人ハッピーロードネット
理事長 西本由美子様

中古の品物の場合は受け取る方に失礼にならないよう
清潔できれいなものをお願いします。

心をこめて送ってくだされば、
被災地の方々に温かい気持ちも届くはずです。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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正しい情報がない

2011年04月14日 | 2011年
大震災から1ヵ月。
東京でも余震だけではなく、
様々な方面で影響が出ています。

大学の新学期スタートの時期は、
各学部長によるカンカンガクガクの議論の後、
古い建物に被害があった市ヶ谷キャンパスは1ヵ月遅れ、
特に被害のなかった多摩キャンパスは
予定通りにスタートしました。

不自由な状況でしっかり勉強をすることも
教育の一環であるという理由です。
真っ先に一ヵ月遅れを発表した早稲田大学の記事を読み、
もしかしたらと「期待」(?)していた私にとって
少々あせり気味の新学期です。

相変わらず大震災の関連記事ばかり読んでいますが、
特に気になっているのが「原発」についてです。

原発は安全で安いといわれてきました。
今や「安全」などとは誰も思いませんが、
「安い」という表現はよく使われています。

しかし、本当に「安い」のでしょうか。
福島県に限らず原発のある地域には
地元対策費として国庫から毎年、補助金が出ています。

たとえば第一原発のある双葉町。
3月末に避難先のさいたまスーパーアリーナで
臨時町議会を開催しました。

承認された新年度一般会計予算約49億円の歳入のうち
固定資産税 や国庫補助金のほとんどが原発関連だそうです。

主要産業のない地域では、原発が基幹産業になっているのです。
米軍基地を持つ自治体と同様の状況といえるでしょう。

あるコンサルタントが新聞で
「原発は国が関与せずに、民間企業に任せるべきだ」と述べていました。
「原発の経済性を考えたら割りにあわないから、
民間企業ならやらない」といいます。

もし、それが正しいとするなら、
原発は「安全」でもなく「安く」もない。
それなのに、なぜ日本に原発が導入されたのでしょうか。

ある政治評論家が「政治的な判断」と説明していました。
だとするなら、今こそ将来の日本のために
政治判断で原発を止めるべきだと思います。

これまたあるアンケートの結果ですが、
「今後も原発推進に賛成」と答えた人が
過半数を超えているのに驚きました。

どのような情報を根拠にして賛成しているのか、
是非とも知りたいものです。

原発事故の数値だけでなく、
原発という発電にかかわる情報も
国がしっかり公表すべきでしょう。

双葉郡の「スポーツの里ふたば」プロジェクトに関連して
全国の原発所在地の地図を経済産業省に
依頼したことがあります。

しぶしぶ資料をくれた担当者から
「これは公表しないでください」と
念を押され事を思い出しました。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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双葉郡のまちづくり

2011年04月06日 | 2011年
大震災・大津波から3週間以上がたちました。

前のブログでご紹介した西本さんは、
福島県の第1号原発に近い広野町から
早大に通っている東京の息子さんの下宿に
ご主人と、もう1人の息子さんと一緒に
身を寄せているとのことでした。

お食事をしながら3時間ほど話をしました。
その間、携帯電話に頻繁に電話がかかってきました。

「生きてますか~。どこにいるんですか」と、
お友達や知人の方との安否と所在の確認でした。

西本さんは、
常磐道を中心に女性たちでまちづくりに取り組んだり、
東北6県の高校生を集めて
「未来のまちづくり みちづくり」と題して
昨年は「ハイスクールサミット in 東北」というイベントの
代表者として活動されていました。

そんな「まち」が未曾有の災難に見舞われ、
「ハードウエア」や「ソフトウエア」だけでなく、
一番重要な「ヒューマンウエア」も姿を消しています。

これらまちづくりの「3要素」を再構築し、
未来に向けた計画の立案が必要です。

「是非、三ッ谷さんのような人に、
スポーツによるまちづくりにまた関わって欲しいです。
お願いします」

「スポーツの里ふたば」構想で描いたのは
スポーツで地域の人たちも楽しく幸せに暮らせる
まちづくりでした。

それが文字どおり「絵に描いた餅」になってしまった現在、
今いちど、ゼロから取り組まねばなりません。

「それにしても」と西本さんはため息をつきます。
「私たちは40年間、東京電力から原発は安全だといわれ続け
すっかり信じきっていました。
信じた私たちが馬鹿なんでしょうか…」

返す言葉が見つかりません。

原発の近くに、電力館という「啓蒙施設」があります。
原子力発電はいかに安全か、ということをPRする施設です。
地域住民は小さい頃からここで「原発は安全だ」と教えられます。
(私も以前、仕事をした際に見学しました。)

2週間ほど前だったでしょうか、
NHK第1放送の朝の番組「ビジネス展望」で
経済評論家の内橋克人さんがこんな話をされていました。

内橋さんは、国民の立場から産業界に対し
様々な批判、提言などをしています。

25年前に「原発への警鐘」という著書も出されています。
原発は政府と電力会社が推進してきたものです。
そこで国民の理解を得るために
次のような取り組みをしてきたそうです。

朝食の準備をしながら聞いていたので
メモも取りませんでした。
内橋さんの実際の言い回しとは異なるので、
大まかな意味として読んでください。

○「安全な原発」に対して批判的な記事を掲載した新聞や雑誌に対し、
徹底的に抗議する。

○小学校から中学・高校まで、社会・理科・総合学習などの科目を通して、
原発の安全教育をする。

○テレビによく出るキャスターなど多くの著名文化人を起用し、
「安全な原発」についての対談を全国紙の1面を使って掲載し
積極的なパブリシティーを展開する。

まるで幼児期から国民を洗脳して国を統治している
北朝鮮を思い起こさせます。

西本さんだけでなく、私たち日本人はこんな風にして
「原発の安全神話」を無条件に信じ込んでしまったようです。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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