三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

東京オリンピック

2014年05月27日 | 2014年
2020年に東京オリンピック・パラリンピック招致が決まり、
様々なスポーツ施設が話題になっていますね。
中でも注目されているのが神宮外苑にある国立競技場です。

この施設について、最近、2冊の本を読みました。
「国立競技場の100年 明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ」
  後藤健生著 ミネルヴァ書房 2,500円(+税)
「TOKYOオリンピック物語」
  野地秩嘉著 小学館 1,800円(+税)
 
2人の著者については面識がありませんが、
後藤さんはサッカージャーナリストとしてお名前は存じています。
ご著書にも書かれていたように、たまたま国立競技場の歴史を調べたら
「100年だった」ということで、書籍にまとめたそうです。

たいへんな力作だとは思いましたが、
「やっぱりサッカー専門かな」というのが読後感です。
国立競技場の歴史について大事な点は押さえていたものの、
出版を急いだためか、或いはスポーツの専門出版社でないせいか、
ミスが気になりました。

私が気にするのはいろいろありますが、
この本では女性スポーツやサッカーについてです。

「人見絹枝」という女性について。
1928年のアムステルダム五輪で日本女性として初出場しました。
陸上界のスーパースターで800メートルの銀メダリストです。

エピソードに触れているのはよいのですが、
「人見絹枝」の「枝」が「江」という文字と混在しています。

また、最後の「索引」について。
調べる場合にとても便利ですが「事項索引」の項も気になります。
説明文に「2倍ダーシ」「1倍ダーシ」とあるのですが、
私には聞いたことのない単語で意味が分かりません。

また、「アルファベット」の項に
「Jリーグ→日本プロサッカー連盟」とありましたが、違いますよね。
そもそも「Jリーグ」はアルファベットではないし、
名称は「日本プロサッカーリーグ」です。
(本文はちゃんと日本プロサッカーリーグになっていますが。)

現在の国立競技場をメインスタジアムして建て替える案については
後藤さんも反対のようです。
とはいえ、スポーツ施設への理解が浅いと思いました。

この書籍は今年の「ミズノスポーツライター賞」の優秀賞でした。
「最優秀賞」を取れなかったのも仕方ないかな、と思います。
値段もちょっと高すぎのようです。

さて、もう一冊。
「TOKYOオリンピック物語」の著者・野地さんはノンフィクション作家だそうです。
1回目の東京五輪の舞台裏を知る上で、とてもよい書籍だと思いました。

ポスターを製作した亀倉雄策(グラフィックデザイナー)をはじめ、
選手村食堂担当の村上信夫(帝国ホテル料理長)、
五輪記録映画担当の市川崑(映画監督)ほか
日本IBMやセコムなどの企業も出てきます。

責任者はみな若く、オリンピックの経験を活かして
日本のその後の高度成長を支えました。
これを読んで感じたのは、
2020年も若い人材に様々な経験をして欲しいということです。

五輪組織委員会等の理事や役員のトップが発表される度に
年齢と性別を確認していますが、私の理想とは大きく異なり、
トップは年を取り過ぎていて男性ばかり。
こんな現状で、私には納得がいきません。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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サッカーも野球も

2014年05月23日 | 2014年
このブログもしばらく空白がありましたが、
「また書きたいな~」と思うようになったのは、
やはり自分の考えをより多くの人に知ってほしいからかも知れません。

この気持ちが大きくなったのは、
長い入院期間、文字から遠ざからなければならなかったからのようです。

このところ縁がなかったサッカーも、ずっと興味の対象です。
「サッカーって、いつからメジャーなの?」が、疑問の一つ。
以前も触れましたが、私はJリーグが創設された1991年(平成3年)から
17年間、理事を務めていました。

Jリーグはご存知のように日本初のプロサッカー。
私は一つの競技をバックアップする組織の理事はしません。
ただ、スポーツビジネスコンサルタントとして
「日本初のプロサッカーは勉強にもなる」と思い
理事を引き受けました。

設立当初のサッカーはマイナースポーツのひとつでメジャースポーツはプ野球でした。
組織設立パーティーでは舞台で鏡割りの役までやらされ、
「テヘヘ・・」という感じでした。

Jリーグはお手本をドイツと公言し、
ビジネスモデルの参考はまだありませんでした。
今はヨーロッパのサッカーリーグがお金と力を持っていますが、
当時はまだビジネスと考えていなかったからです。

当初のJリーグは、米国プロスポーツをビジネスの参考にしました。
紹介したのは私でした。
(ちょっと自慢ですが、いまは誰も知りません。)

そんな感じでスタートしたJリーグやサッカーが
日本でもプロ野球と二分するほどの人気を集め、
マスコミも大々的に取り上げるようになりました。

一方、野球はどうでしょうか。
以前のプロ野球は「人気のセ、実力のパ」などといわれ、
高校野球のスーパースターが望んだのはセリーグ、できれば巨人でした。

ところが、いまマスコミに注目されているダルビッシュは日ハム、
マー君は楽天と、いずれもパリーグで活躍していた投手です。
実力だけでなく、人気もパリーグに移ってしまいました。

「背が高くて運動神経のある男の子が欲しいけど、皆サッカーに取られてしまってね~」
これがスポーツ指導者の愚痴です。
以前はサッカーが「野球」を羨んだものです。

私は特に「サッカー好き」という訳でなく、
どんなスポーツにも頑張って欲しいというタイプです。
そんなことで、今はぜひ野球にガンバッテ欲しいのが本心です。
それも、とくにセリーグに。

キーワードはJリーグが掲げる「地域密着」です。
プロ野球もこのキーワードでパリーグがセリーグを逆転しました。
かつてのセリーグの人気チームは
「地域密着」を検討してみてはどうですか?

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表

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入院生活

2014年05月16日 | 2014年
ブログのテーマは書き尽くしたかと思っていたのですが、
“入院”などという滅多にない経験をしていたので
また、書いてみることにしました。

看護婦さん(本当は「看護師」というそうですが、)からよく言われたのは
「絶対に戻ってこないでくださいね」という言葉です。
私が入院していたのは大きな病院でした。

看護婦さんも日替わりで血圧などを計りに顔を見せてくれます。
リハビリ担当の先生も含めてよく聞かされました。
「見た目が元気だからといって、元の生活に戻ったらダメですよ。
重症なんですからね」

患者が退院してから重要なのは、それまでの日常生活を送れることだそうです。
ひとくちに「日常生活」といっても、人によって全く違います。
特に老化を予防するのは料理や運動、趣味だそうです。
料理は好きなので問題ありませんが、運動と趣味は心がけねばなりません。

病院の同じフロアに私より年長の男性がいました。
私がヒマを持て余して「デイルーム」に入ろうとしたところ、
彼は車椅子で部屋から出ようとしているところでした。

右足の小指を手術で切断し、包帯を巻いていました。
長年の糖尿病の結果だそうです。
エ~ッと驚いたのですが、
彼は「こんなもの大したことありません」といいます。

それから30分以上、話し込んだと思います。
内臓が悪く機能は普通の人の5分の1ほどになり、
医療を施しても元には戻らず、低下を抑えるだけだそうです。

返す言葉も浮かびませんでしたが、
「女房にも聞いてもらえないことを聞いていただき少し楽になりました」と
感謝されてしまいました。

周りを見ると病院には私より重症の人ばかりでした。
退院間際に、また車椅子姿を目にしました。
「体調が安定してくると、人間というのは
もう少し生きてみようと思うものですね」と笑顔でした。

前回は「昔のことばかり思い出すんです」と愚痴をいっていましたが、
この日は前向きの様子を見ることができました。
私にも存在価値はあったかな、とチョット嬉しく感じた思い出です。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
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トシとは

2014年05月13日 | 2014年
昔は、“白髪のお年寄り”を見ると、
私たちより人生を長く生きている分、
知識も知恵もあるはずだと思っていました。

これが間違いだと気付いたのは50歳前後のころだったと思います。
私自身、まだ白髪がない時です。
ある席でご一緒した白髪の女性(多分60歳代?)が
当然、知っているはずと思っていたことを知らなかったのです。

年齢と知識は全く関係ないことを、そのとき知りました。
そして私としては、若い世代をガッカリさせないよう
知識を蓄える努力を続けています。

とうに60歳を過ぎた私の周りには
“白髪の老人”は大勢いるはずなのに、みな黒々とした髪です。
白髪のままの私に「染めたら?」と忠告してくれる人もいますが、
私は自然に生きていきたいので白髪は増える一方です。

さて、前回の続きは「社会的な問題」でしたね。
私はどちらかというと、社会的な出来事に関心があります。
病院で元気になり一番に知りたかったのは
「世の中、何が起こっているか?」ということです。

病室にはカード式のテレビがありましたが、
情報源はラジオと新聞でした。
主に話題になっていたのはSTAP細胞とマレーシア航空機の遭難です。

退院後、STAP細胞は当該の研究者や、
所属する理化学研究所の記者会見などがありました。
研究者(弁護士)や研究所のコメントを知る限り
研究への取り組みはちょっと杜撰のように思います。
結果を問うにはまだまだ時間がかかるのではないでしょうか。

一方、マレーシア航空機の事故については、
韓国のセウォル号沈没や地下鉄事故の話題に
取って代わられてしまいました。

そんなこんなで、マスコミ報道は別として
私自身は興味のあるものについては忘れないことが大切だと痛感しました。

ブログの最初に年齢のことを書きました。
「日本人はトシを気にしすぎる」と外国人に指摘されたりします。

私の普段から年齢を気にしているわけではありませんが、
最近、“高齢の”日本人として思います。
「日本社会は幸せに生きているだろうか」
「日本人の“気にしすぎ”を指摘する外国人は幸せに生きているだろうか」と。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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