三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

新たなビジネスモデル

2007年01月31日 | 2007年
「bjリーグのビジネスモデルを研究する」のテーマで
今日のマーケティング研究会第183回例会はbjリーグを運営している
株式会社日本プロバスケットボールリーグ会長の木村育生に
お話をしていただきました。

幼少時、喘息の薬を飲んで肥満になり、
痩せるために中学校でバスケットボールを始めたそうですが、
「別にバスケットが好きだったわけではない」とのこと。

大半をベンチウォーマーで過ごしたのですが、
3年生のときに急に上手くなり、たまたま下級生を指導する機会があって、
ばすけっとのコーチとしての面白さに開眼しました。
高校、大学でも中学や女子大などのバスケット部を指導したそうです。

卒業後に留学した米国のミシガン大学は
マジック・ジョンソンの出身大学だったこともあり、
バスケットボールが盛んでした。
ここで体験したのはプロスポーツを見る楽しさ。

NBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)、
NFL(アメリカンフットボール)と
野球を除く3つのプロリーグのシーズンチケットを購入しての
スポーツ観戦三昧。

そこで木村さんは疑問を抱きます。
「なぜこんなに観客が集まるのか」「なぜこんなに熱狂するのか」。
そのキーワードは「田舎」。

楽しみのない田舎なので、地元のプロスポーツに大いに湧くのだそうです。
プロスポーツの本場、米国でのそんな体験が、
bjリーグの戦略につながっています。

チームの名称には企業名は出さず、地域のファンを大切にしています。
これはJリーグとも共通する方針です。
各チームの経営規模は3億円。

個人でも支援できるシステムをとっていて、
「収入に見合った経営でなければならない」という考え方です。

木村さんは、通信サービスの会社(現インボイス)を設立し、
わずか9年で東証一部に上場しました。
そんな経営者としての強い自負が感じられます。

「bjリーグの事業計画書」で、こう宣言しています。
Jリーグは開幕から10年で100億円の事業規模となっている。
 ⇒bjリーグも中長期的に100億円の事業規模を達成します。

株式会社日本バスケットボールリーグは株式上場を目指しているとのこと。
日本の新たなプロスポーツのビジネスモデルとなるはずです。
旧来の日本人とは全く異なるスポーツ観を持つ木村さんの今後を
大いに期待したいと思います。

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◆◇◆スポーツ21・マーケティング研究会 第183回実戦ゼミ◆◇◆
「過熱する中国市場と北京オリンピックへの期待」         
 ◇ゲストスピーカー 川口 純 氏
   ぴあ株式会社取締役常務執行役員
   ぴあアジアパシフィック株式会社代表取締役社長  
  ◇会場:アーリーズテラス                  
◇日時:2007年2月14日(水)12:00~14:00            
   ※オブザーバーでのご参加も可能です。 
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株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
  スポーツビジネスプロデューサー
  http://www.sports-21.com 












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昨日から明日へ

2007年01月30日 | 2007年
昨日、購入したダビングのできないラジカセ。
まだ使っていないので、店に引き取ってもらおうと電話をしました。

「お客様、申し訳ありませんが10台売り切りの商品なので
お引取りはご容赦ください」
うーん、仕方ないですね、そうなら・・・。

よく考えてみるとカセットテープなんて、やはり時代遅れですよね。
破格な値段も、そういう理由なのでしょう。
そういえば、開店を待っていたのはオジサン、オバサンだけでした。
若者が見向きもしないのは、そういうことだったのです。

ところで明日は、当社「マーケティング研究会」の第183回例会です。
毎日、ブログの最後に「広告」を出していたのでご存知かもしれませんね。
「bjリーグのビジネスモデルを研究する」というテーマです。

講師は株式会社日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)で
代表取締役会長を務める木村育生さん。
bjリーグを運営する主体が株式会社ということをご存知でしたか。

実はJリーグも設立時に株式会社にするという構想がありました。
経済的にもしっかりした基盤を持つ組織を目指していたからです。
ところが管轄の文部省(現文部科学省)が納得せず、
結局「社団法人」になったという経緯があります。

それはそれとして、木村さんはインボイスという会社の社長でもあります。
同社は西武ライオンズの本拠地、西武ドームの“初代命名権”を取得して注目されました。
(今年からはグッドウィルに変わりました。)

木村さんは中学生の時にバスケットボールを始めて、
高校1年生から大学卒業までは指導をしていたそうです。
そんな縁でプロバスケットリーグの代表になられたのでしょう。

bjリーグの試合を見たことのある人は「bjは面白いですよ」と口をそろえます。
現在、2シーズン目を迎えています。
チームに対して「勝つことではなく、観客動員数を増やすこと」を望んでいるという
木村さんの経営哲学や、目指すビジネスモデルについてお話を聞く予定です。

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スポーツ21・マーケティング研究会 第183回例会◆
 「bjリーグのビジネスモデルを研究する」         
 *講師:木 村 育 生 氏
  株式会社日本プロバスケットボールリーグ代表取締役会長
  株式会社インボイス代表取締役  
 *会場:全共連ビル 
 *日時:2007年1月31日(水)18:30~20:30 
  オブザーバーでのご参加も可能です。 
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株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
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ラジカセ騒動

2007年01月29日 | 2007年
ラジカセが壊れました。
録音テープがダビングできるダブルデッキ部分の故障です。
今更アナログテープもないだろう、という人もいるのですが、
なかなか変えることができません。

電気屋さんでは、5年以上前の製品なので部品がなく
修理できないと返されました。
テープのダビング機能さえあればいいのですが、
新しいラジカセを購入しなくてはなりません。

特価でも1万7~1万8千円が相場のようです。
なるべく出費を抑えたいと思っていたところ
近所の安売りショップが特売日に
2980円というとんでもない安価で売り出すことが分かりました。

この店は半年ほど前に開店したのですが、
いつ見てもお客さんがほとんど入っていません。
目玉商品を出してテコ入れしようということのようです。

特売日は日曜日。
2980円のラジカセ。
テープはもちろん、CDも聞けるし、リモコンもついています。
お客さんが殺到するかも知れません。

特売品を並んで買ったことがないので、
一体どれくらい前にいったらいいのか分かりません。
開店の15分前を目処に出かけました。

行列ができているに違いないと予想していたところ、
店の横に4~5人の中年男女が手持ち不沙汰の様子で立っているだけ。
とはいえ、特売品は限定でたったの10台。
きちんと並ばないと開店時間に向けて人が殺到してきて
最初の10人に入れないかも知れません。

列を作って待っていると、店の人が気を利かせて
5分前に「どうぞ」と声をかけてくれました。
すぐにレジのところに並ぶと私の前には4人います。

前の人たちは皆ラジカセが目当て。
まさか1人で何台も買うことはないでしょうから大丈夫です。
たったの3000円で、お釣りが20円あります。
安いですね~、助かります。

こんなに安くていいのかしらと思いながら、
ウキウキとした気持ちで帰ってきました。
さてどんなラジカセでしょうか。

箱を開けて見てみると、
あっ、カセット部分がダブルになっていない。
これではダビングができません。

ああ・・・・。


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武漢雑技団

2007年01月26日 | 2007年
一日のお休み、失礼しました。
疲れていたのと、ブログのネタが見つからず、
日付も変わってしまったのでギブアップしてお休みとさせていただきました。

さて、今週は会議や打合せの連続でかなり疲れた一週間でした。
週を締めくくる今日は仕事を早めに切り上げ、武漢雑技団の公演を見に行きました。
雑技団というのは中国のアクロバティックな舞踊というくらいの認識だったのですが、
これが凄い舞台でした。

「中国英雄列伝」というタイトルで、中国4千年の歴史を題材にしています。
次のような演目です。

*天下の英雄たち ― プロローグ
*雄々しき勇者 ― 竿登り
  長い竿をまるで“人類の祖先”の動物のように身軽にするすると登り、
  様々なアクロバティックな動きをします。
  日本の出初式に似ているとも思ったのですが、
  梯子ですから1本の竿を登るよりははるかに容易なはずです。
  雑技団に比べると、出初式はまるで小学生の演技といわれそうです。

*英雄の義侠心 ― 絹帯のアクロバット
*少年の英雄 ― 帽子のアクロバット
*シルクロードの英雄 ― 皿回し
  8本の棒を左右の手に持ち、様々なポーズをとりながら踊ったり 
  人の肩に乗ったしながらも、お皿はずっと回しつづけます。
  まるでお皿が接着剤でくっついているように見えます。

*戦国の英雄 ― 輪くぐり
*伝説の英雄 ― 独楽回し・水流星
*神聖なる英雄 ― 椅子アクロバット
  4本ある椅子の2本のみを接点として、幾つも椅子を積み上げ
  それぞれ椅子のところで倒立するというもので
  バランスを取る様子にハラハラし通しで、拍手するのも忘れるほど。
  
*茶の聖人 ― 碗のアクロバット
*秦の兵馬俑 ― 跳躍台
*英雄本来の面目 ― フィナーレ

「超絶技巧のパレード」とチラシにはありましたが、
キャッチフレーズどおり、
とても人間とは思えないような驚異的な柔軟性と跳躍力、
そして高度な技の連続。
オリンピック選手以上に長期的かつ過酷なトレーニングの賜物でしょう。

私の表現力ではとても説明しきれません。
ご関心のある方はこのサイトをご覧ください。

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気になる言葉

2007年01月24日 | 2007年
●大の男が使う「ぼく」
 言葉として、本来どのような年齢の男性が使うのかは調べていませんが、
現代では、自分のことを「ぼく」というのは少年までではないでしょうか。
ところが、公の場で「ぼく」という大人が多くなったような気がします。
テレビで白髪混じりの作家やカメラマンなどが
自分のことを「ぼく」と呼ぶのを聞くと幼稚に見えます。

●政治家が使う「とうとう」
 政治家の演説やスピーチで、「00など(等)」と言えば済むところを
「とうとう(等々)」と言います。
宮崎県知事になったそのまんま東も使っていました。
「させていただく」という言葉の乱用ともあわせて
彼はすでに政治家だと感じました。

●役人が使う「もくと」
 そういえば「とうとう」はお役人も使っていましたっけ。
文部科学省がまだ文部省だった頃の会議で
初めて耳にして驚いたのが「もくと」という言葉です。

一体なんのことかと思ったら「目処」のことです。
文部官僚がまさか間違って読むことはないと思いますが、
「めど」と読みますよね。

念のために辞書を引いてみたら、「もくと」とも書いてあります。
でも、一般的には「もくと」なんていいませんよね?

●NHKのアナウンサーが使う「にっぽん」
 最近、「日本」はすべて「にっぽん」と読んでいます。
「にほんじん」は「にっぽんじん」です。
「ガンバレにっぽん」とはいいますが、
「最近のニッポンでは・・・」は耳に馴染みません。
ニュースを聞いていると、無理に「にっぽん」と読んでいるように聞こえます。
慣れていないだけなのでしょうか。

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日本サッカーの戦略

2007年01月23日 | 2007年
日本サッカー協会の機関誌「JFA news」(1冊600円)は、
毎号、興味深い記事が満載です。

特に私が関心を持って読んでいるのは協会の動向です。
以前もブログに書きましたが、Jリーグは日本サッカー協会の「子会社」のようなものなので
「親会社」の戦略はこの機関誌で知ることになります。

川淵さんが会長(通称キャプテン)になってから、
組織が変わり普及と強化の方針がより具体的で明確になったように思います。
「CHQ」(キャプテン・ヘッド・クォーターズ)という会長直轄の部門を設置して
「キャプテンズ・ミッション」として10の項目を掲げています。

①「JFAメンバーシップ制度」の推進
②施設の確保・活用
③「JFAキッズプログラム」の推進
④中学生年代の活性化
⑤エリート養成システムの確立
⑥女子サッカーの活性化
⑦フットサルの普及・推進
⑧リーグ戦の推進と競技会の整備・充実
⑨地域/都道府県協会の活性化
⑩中長期展望に立った方針策定と提言

機関誌ではその都度、それぞれのプロジェクトの具体的な取組みなどが
取り上げられています。

今月号は、浦和レッズの天皇杯2連覇や、
TASAKIペルーレが全日本女子選手権で
3年ぶり4度目の優勝を飾ったといった大会結果。

このほか杉並区井草森公園サッカー場の芝生管理の事例紹介や、
川淵さんが石原都知事と一緒に、都内で初めて校庭を芝生化した
杉並区和泉小学校を視察した話などもあります。

その他、私が注目したのはREGIONAL NEWSという地域のページです。
47都道府県協会の動向を10行ほどにまとめていますが
殆どの協会名の頭に「社団法人」「財団法人」という名称がついています。
数えてみると41団体が公益法人です。

以前は数えるほどしかなかったように記憶しています。
都道府県協会の活性化の一面が、こんなところに表れています。

日本サッカー協会の「JFA2005宣言」にはこうあります。

2050年に「サッカーを愛する仲間=サッカーファミリーが1000万人になる」
「FIFAワールドカップを日本で開催し、
日本代表チームはその大会で優勝チームとなる」

実は、その前段があります。

「2015年には、世界でトップ10の組織となり、ふたつの目標を達成する」
つまり目標達成のためには、組織固めが前提です。

日本代表の勝敗に一喜一憂するだけでなく
日本のサッカーを支える地方組織の在り方にも
目配りが必要だということですね。

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IT時代の現実

2007年01月22日 | 2007年
私がメールを始めたのは2000年のことです。かなり遅めだと思います。
ある時、行く先々で「三ッ谷さん、メールやってないんですか」といわれました。

毎朝、仕事を始める前にメールをチェックする。
隣のデスクにいる人ともメールでやり取りする。
メールを送って、電話で「送ったから見てね」と連絡する。

こんなライフスタイルはゴメンと拒否していたのですが
「今どきメールを使わないなんて、仕事のやる気を疑われますよ」といわれ
土曜日にパソコンを購入して友人に設定してもらい
翌週の月曜からメールを始めました。

それまでワープロを使っていた身にすると
パソコンは便利ではあるけれど、
機能が多すぎてムダばかりのようにも思いました。

しかし、今ではパソコンなくして仕事はできません。
通常の文書作成は勿論、ワードで図を作成したり、
エクセルで図表も作れるようになりました。

ファクスや郵送で送られてきていた書類が、メールでくるようになりました。
添付ファイルで届いたものに訂正や加筆をせねばならず、
「できない」とはいいたくないので、その都度、覚えました。

それにしても、このIT時代を生き延びていくには
パソコンなどのハードや関連ソフトだけでなく、
使いこなす技術も同じレベルに合わせていかなければなりません。

本来の専門的な仕事とは関係ない部分で
かなりの労力と時間を費やすことになるのは不本意ですが、
合わせていくしかないようです。

今日はちょっぴり愚痴っぽかったですね。


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委員の謝礼

2007年01月19日 | 2007年
数日前、新聞に「行革110番オンブズマン都議レポート」というチラシが入っていました。
「No.15」とありますが、これまで読んだことがありません。

なにせ新聞を8紙もとっていると、
チラシだけでもドサッという感じでかなりの量になり、
いちいち見る気も起きません。

ところが今回は「税金のムダ使いを許しません!」
「ランク別報酬額」という見出しが気になって、読んでみました。

「都民を職業・肩書きでランク付け! やっと4月から改善」とあります。
審議会委員の報酬が、職業や肩書きで違うのが問題だと指摘しています。

ランクはAからDまで4段階に分かれていて審議会の委員は
Aランク28,000円、Bランク23,600円、Cランク21,200円、
Dランクは17,400円となっています。

企業なら大企業の社長が「Aランク」、中企業社長が「Bランク」、
少企業社長が「Cランク」、個人企業の経営者が「Dランク」です。
同じ審議会で同じ役割でも、企業の規模で報酬が違うのです。
これほど詳細に決められているとは知りませんでした。

このレポートによると、東京都付属機関構成員の報酬額が改定され、
4段階の区分はやめることになったそうです。

実はつい最近、私は「東京国体基本計画策定準備会議委員」になりました。
先日、届いた依頼状には報酬金として 
@13,000円×2時間=26,000(税込み)とありました。

謝礼を事前に知らせてきたのは初めて。
時給と時間がキチンと記されていることも驚きです。
私の委員の任期は来年3月までなので、すでに新しい規準を適用して
いるのではないかと思います。

このレポートを発行人は後藤雄一さんという都議会議員です。
ホームページを見たら、「行革パン屋の都政日記」というタイトルがつけられ、
都庁舎をバックに、後藤さんと思われる白いコック帽の男性が
笑顔で食パンを手にしている写真がついていました。

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石油産油国の道楽

2007年01月18日 | 2007年
昨日の「実戦ゼミ」についてです。
「ドーハ・アジア大会の総括と北京オリンピックへの課題」がテーマ。
ゲストスピーカーは日本選手団長の林務さん。
現在、JOC(日本オリンピック委員会)の副会長兼専務理事です。

以前、JOC企画専門委員会や事業・広報委員会で、
同じ委員としてご一緒したことがあります。
このような委員活動はボランティアでなかなか大変なのですが
そんなご縁があるからこそ、気安くお願いもできるというものです。

お話で特に印象深かったのは、
ドーハを首都に持つカタールという国についてのエピソードです。
人口74万人のうち純粋なカタール人はわずか14~15万人。
残りはインド人20~25万人、その他、バングラデシュ人やフィリピン人など、
外国からやってきた人が圧倒的なのだそうです。

際立つのがその金持ちぶり。
過去最多となる45カ国(地域含む)が参加しましたが、
全選手団の滞在費は無料だったそうです。
石油産油国の豊かさをうかがわせるエピソードですね。

実施競技数39、種目数424。
アテネオリンピックが28競技302種目であったことを考えれば
いかに規模の大きな大会だったかかが想像できると思います。

アジア大会は、オリンピックにはない競技があります。
空手、武術太極拳、セパタクロー、カバディ、ボディビルなどのほか
チェスまで入っています。

これだけの規模の大会運営は“外注”でした。
アテネオリンピックの裏方を担当した人々がドーハに集結し、
開会式はシドニーオリンピックで実績のある会社が請負いました。

イスラム圏では、女性が男性と一緒にスポーツ大会に出たり
女性が男性の試合を見るためにスタジアムに入ることはないのですが
大会期間中は、そんな風習は忘れたかのように
男女が混じって観戦する“普通の”大会だったそうです。

日本選手団は目標の「金メダル50個」をクリアでき、一安心とのこと。
大会全体は「まるで金持ちの道楽のようだった」という感想に、
現地を訪れた人の実感がありました。

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マーケティング研究会

2007年01月17日 | 2007年
今日は、ことし最初のマーケティング研究会「実戦ゼミ」。
毎月、第1水曜日のお昼に開催しているのですが、
今月はお正月があるので変則的な日程です。
奇数月の夜には「例会」というものもあり、2本立てとなっています。

現在、23期目、つまり23年目です。
我ながら、よくもまあ23年間・・・と思います。
今月で実戦ゼミは182回、例会は183回ですから、合わせて365回。

何が大変かといえば、やはりテーマと講師の選定です。
スポーツビジネスにかかわるテーマを探すには
スポーツやスポーツ業界の動きに目配りをして、
将来への見通しと可能性を判断すること求められます。

第1回のタイトルとして選んだのはフィットネス事業でした。
「今、米国の健康産業に学ぶもの」と題して、
講師をクラーク・ハッチ健康管理センター代表取締役のチャールス・ウィルソンさんに
お願いしました。

「なんだ、知らない人だな」と思われるかもしれませんが
テレビのクイズ番組などによく出ていた「チャック・ウィルソン」さんです。

ある仕事で一緒になり、たまたま席が隣同士だったので話をしてみると
テレビの印象とは異なり、考え方はとても堅実で共感できる部分が大いにありました。
彼が代表を務めるフィットネスクラブが飯倉にあるというので足を運び、
フィットネスクラブというものを初めて目にしました。

日本でも新しいスポーツ産業として可能性があると感じて
記念すべき第1回の講師をお願いすると
「そういうことはとても大事だよね」と、快諾してくれました。
(おまけに法人会員にもなってくれました。
そういえば最近、会っていませんがどうしているでしょう。)

その後の日本でのフィットネスクラブ産業の隆盛は、
皆さんが知られるとおりです。

昔話がつい長くなってしまいました。
今日の「実戦ゼミ」については明日、また。

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可能性への挑戦

2007年01月16日 | 2007年
J1に昇格したFC横浜の三浦知良選手が
自主トレーニングの話を新聞のコラムに書いていました。
オフに家族と海外旅行をした後、
恒例のグアムでの自主トレーニングを始めたそうです。

毎朝6時に起き、食事は3食とも栄養士がサポートしているとのこと。
リーグ開幕に向け、プロ選手としての真摯で厳しい姿勢を垣間見た気がします。

それで思い出したのが、
遠泳で世界記録を作ったスイマー、ダイアナ・ナイアド。
1975年にマンハッタン島一周で世界記録を樹立、
79年にはフロリダ海峡を27時間38分で泳ぎきり、
史上初の遠泳を成功させた米国女性です。

翌年、私が企画した第1回国際女性スポーツ会議(東京)に
パネリストとして招待したのですが、来日したその日から
ホテルのプールでトレーニングを始めたのには驚かされました。

彼女は雑誌のインタビューでこんなことを話しています。

「筋骨たくましい男性に混じって遠泳に出かける時、
私は言いようのない喜びを全身に感じます。
これは決して『男をやっつける』などという意識ではありません。
女性の肉体の可能性に挑戦する、これが私にとってのスポーツなのです」

カズ選手は今年、不惑の40歳を迎えるのですが
年齢に関係なく自分の可能性に挑戦するという気持ちで
取り組んでいるのだと思います。

考えてみると、今年、還暦を迎える私も同じような気持ちです。
大学や高校の友人達は定年退職を迎えます。
私は会社をたたむわけにはいきませんから、
とにかくできる限り仕事を続けます。

そのためには、まず朝6時半に起きてラジオ体操。
冬場はまだ薄暗く、美しい朝焼けが見えることもあります。
仕事の基本は体調管理です。

明日は第182回の実戦ゼミ。
新年の第1回目なので、気合を入れていきます。

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◆◇◆スポーツ21・マーケティング研究会 第182回実戦ゼミ◆◇◆
「ドーハ・アジア大会の総括と北京オリンピックへの課題」         
 ◇ゲストスピーカー:林 務 氏(日本オリンピック委員会副会長)  
  ◇会場:青山「アーリーズテラス」                  
◇日時:2007年1月17日(水)12:00~14:00            
   ※オブザーバーでのご参加も可能です。 
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株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
  スポーツビジネスプロデューサー
  http://www.sports-21.com 


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東ドイツスポーツの今昔

2007年01月15日 | 2007年
週末に行なわれた第4回JISSスポーツ科学会議で、
最先端のスポーツ科学の話に触れてきました。
JISSとは、北区西が丘にある国立スポーツ科学センターのことです。

私はここの業績評価委員をしているのですが、
これまでスポーツ科学会議については、それほど関心がありませんでした。
現在の私が専門としているスポーツビジネスとは、あまり接点がないからです。

しかし、今回は「旧東ドイツの強化」がテーマの1つに入っているので
休みを返上して出かけました。

1983年、旧東ドイツが世界の最強国だった時、
私は日本人記者としてただ1人、国内最大のスポーツイベント「スパルタキアード」を
取材したことがあります。
スポーツ科学の拠点だったライプチヒ体育大学(DHfK)も視察しました。

その時、私が取材して理解したことが、一体、正しかったのかどうか
それを確かめたかったのが一番の動機です。

鳴門教育大学の綿引勝美助教授が
「旧東ドイツの競技者育成システムから見た競技者育成」について講演されました。

当時、提供されたスポーツ情報はプロパガンダの1つでした。
国に都合のよい情報しか発表されていないというので、
綿引助教授は現地に足を運んで直接、調べることにしたそうです。

それで分かったのは膨大な量の情報があるということでした。
「10万件もの情報が蓄積されていて、
さらにその裏にもそれぞれ大変な量の情報があった」といい、
研究を始めたものの、量の多さに圧倒されている様子でした。

ドイツ応用トレーニング研究所・アルント・プフュッツナー所長の講演は
さらに興味深い内容でした。
プフュッツナー所長は、旧東ドイツ時代にはDHfKでスポーツ科学を学んでいます。

旧東ドイツ時代にいた600人の研究者は、東西の統合により現在は83人に縮小。
「以前は研究者の考え方が全て受け入れられたけれど
現在は必ずしもそうではない」ということでした。

社会主義の下、国家の強力な主導で推進するスポーツ政策の重要な位置付けは
スパルタキアードの前夜祭の雰囲気や、ホーネッカー書記長のスピーチからも
ひしひしと感じたものです。

東側に組み込まれていた国を見る上で、
取材で得た情報より体験したことの重みの方がより大きいことに、
改めて気付きました。

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 ◇ゲストスピーカー:林 務 氏(日本オリンピック委員会副会長)  
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東京にとってのオリンピックとは

2007年01月12日 | 2007年
ちょっと日数がたってしまいましたが、
元旦の新聞に挟まれていた東京都の広報紙からの話題です。

石原都知事の挨拶が一面に掲載されていました。
オリンピック招致について、こう書かれていました。

東京をより快適で魅力的な都市としていくには、
正にこらからが正念場であり、五輪開催をはじめとするスポーツイベントは、
東京、そして日本の底力を世界に示す絶好の機会であります。

ここで気になったのが最後の1行。
「東京、そして日本の底力を世界に示す絶好の機会」とは?
東京をより快適で魅力的な都市とすることに、反対はしません。

しかし、オリンピックを開催しなくても、魅力的な都市は沢山あります。
世界第2位の経済大国・日本。その首都・東京。
こんな東京が世界に底力を示す必要があるのでしょうか。

考えておかなければならないのは、オリンピックを招致することで、
東京をどのような都市にするのかという具体的な青写真です。
「快適で魅力的な都市」とは、どんな都市なのか。

オリンピックをどうしても招致したいのなら、
その都市生活の中にスポーツが明確に位置付けられていなければなりません。
それは即ち、都民に対してどのような生活環境・文化環境を提供できるかということです。

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レストラン・ベルーガ

2007年01月11日 | 2007年
久ぶりに夜の原宿に行きました。
明治通りからは、ケヤキ並木の向こうにディオールの文字が見えます。
表参道はすっかりブランドストリートです。

午後6時半から、キディランド向かいのレストラン・ベルーガで当社の新春懇親会。
しばらく来ない間に、隣にはラルフローレンの店が出来ていました。

パーティー主催者として最も気をつかうのは、
誰とも話さずにぽつんと立っている参加者がいないようにすることです。
事前に参加者リストを見ながら、専門分野や関心事、出身地や趣味などを思い起こし、
共通するテーマのある人をメモして、紹介するようにします。

特定の人と話しこんでいる場合でも紹介したい人を連れ、
「失礼します」と話に割り込むこともあります。
参加者が新たな人脈を広げてくれることで、
意義のある時間を過ごせたと思ってもらえれば、成功だと思っています。

ベルーガは、昨夏まで毎月「実戦ゼミ」の会場だったレストランです。
後片付けをしていたら、「お食事をされてはいかがですか」と
残ったお料理とワインを隅のテーブルに改めてセットしてくれました。

3時間あまりスタッフともども参加者へのサービス係に徹していたので
気疲れと空腹でぐったりしていました。
店の従業員は、最後の客だった私たちが帰るのを
待っているのではないかと思ったのですが、
「お疲れでしょう」と、ていねいにワインをついでくれたのには感激しました。

「今日のお料理はいかがでしたか」と厨房からシェフも顔を出してくれました。
レストランの売りは「キャビアとワイン」。
「ベルーガ」というのは最高級のキャビアのことだそうです。

こちらは予算の都合でキャビアなどは頼めないのですが、
丁寧な接客に改めて心地よさを感じました。

表参道ヒルズが出来て、昼は静かだったこのレストランに女性客が増えました。
甲高い声でおしゃべりが始まると、実戦ゼミの会場として具合が良くありません。
お互いの話も聞きづらくなって会場を変更しました。

しかし、表参道ヒルズ人気で集まってきた人たちは
結局は一時的なお客でしかないそうです。
「常連客を大切にする経営が、オーナーの姿勢なんです」という担当者の説明に
「また、使わせてもらおうかしら」と、そんな気になりました。

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新春懇親会

2007年01月10日 | 2007年
明日は当社の「新春懇親会」です。
マーケティング研究会の講師や会員、仕事の取引先など
お世話になった方々にお声をかけています。

以前は「年末懇親会」でしたが、
忘年会の季節でスケジュールがかち合うことが多いので、
10年ほど前から「新春懇親会」にしました。
お正月あけは、仕事もまだエンジンがかかっていないことが多く
案外、“穴場”なのです。

ホテルでの豪華パーティーというのもありますが、
あまりにも平凡すぎるし経費もかかります。
限られた予算の中で私も楽しみながら、
お客様にも楽しんでいただくのがポイントです。

会場は小ぢんまりとした原宿のレストラン。
メインプログラムは30分ほどのミニコンサートです。
BGMでないところがミソで、ワインを片手にしっかり音楽を楽しみます。

音楽プログラムは専門家のプロデュースです。
これまでに、次のような楽器の演奏に耳を傾けました。
ハープ、ハーモニカ、ビオラ、バイオリン、クラリネット、チェンバロ、ギター。
シタール、タブラーといったインド楽器の演奏も味わい深いものでした。

有名になる前の米良美一さん(アニメ映画「もののけ姫」のテーマ曲で有名になった)に
カウンターテナーの素晴らしい歌声を聞かせてもらったこともあります。
クラシックが長く続いた後で、昨年はジャズボーカルの今村直子さんにお願いしました。
私はクラシックのほかジャズも大好きなのです。

今年は、クラシックからカンツォーネ、シャンソン、ヨーロッパ音楽など
幅広いレパートリーを持つシンガー、尾野玲子さんが出演します。
初めてお会いするのですが、とても楽しみです。

ビジネスをスムースに進める上で、接待は有効な手段の一つですが、
私は通常、接待をしません。
仕事の相手はほとんどが男性だからです。

ビジネスだといっても、女性が男性を接待するのは難しいのが現実です。
その代わりといっては何ですが、
年に1回のこの催しが、ささやかな接待の場となっています。

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