三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

マナーが崩れた社会

2012年09月22日 | 2012年
先日、東京プリンスホテルで行われた
日本レスリング協会の「オリンピック・メダル獲得祝勝会」にいってきました。
オープニングは「メダリストたちの軌跡」と題したVTRの上映。

続いて監督・コーチ・選手が壇上に上がって順番に紹介。
福田会長の挨拶の後は、文部科学省副大臣、内閣官房副長官、
スポンサー企業社長の祝辞…と、続いていくのですが、
その様子を静かに見守っているのは
前列にいるほんの一握りの人たちだけ。

会場は約1000人の来場者でごった返していましたが、
メダリストと指導者が特別表彰の場面に移っても拍手はまばらです。
「祝勝会」は、皆でお祝いをするために開催しているはずですが、
大半の参加者は仲間うちのおしゃべりに終始しています。

日本のパーティーはこのような光景が当たり前になっていますが、
よく考えてみると、これっておかしいですよね。
私も初めてこのような場に出席した時には
延々と続く来賓の挨拶にも黙って耳を傾けたものです。

それがいつしか朱に交わって(?)
挨拶をしたり雑談をするようになってしまいました。
「どうせ誰も聞いていないんだから」というのが
暗黙の了解のようになっています。

口元に人差し指を当てて
「おしゃべりはやめましょうよ」と目配せしてくれたのは
長くアメリカで仕事をしているTさんでした。
もう20年以上も前のことです。

ニューヨークで開催されたスポーツ・ビジネス会議の
初日のウエルカムパーティーの時でした。
日本側からは私と3人の男性が出席していました。

公の場で誰かが話をしている時は
黙って話を聞くのは、当たり前のことです。
それがいつのころからかすっかり乱れてしまいました。

この日はさらに驚いたことがあります。
私の後ろにいた男性がお寿司の屋台から
何皿ものお寿司を仲間のところに運んで食べ始めたのです。

呆れて向き直ると2人の男性が
テーブルに並んだご馳走をお皿にとり、
お箸を動かしているのです。

開会から50分ほどが経過し、
檀上ではJOCの竹田会長が乾杯の音頭を取っています。
乾杯が終わってからお料理をいただくというマナーも
ここでは全く関係ありませんでした。

これが金メダリストを輩出した日本のスポーツ団体なのかと
あまりに情けない光景に愕然としました。

嘆いているばかりでは何の解決にもならないので、
福田会長にお会いしたときに、私の考えを伝えようと思います。

誰かが言わなければ、
誰かが危機感を持って直そうとしなければ、
日本社会のマナーが完全に崩壊してしまうのは明らかです。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
コメント (2)
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サボり過ぎ

2012年09月02日 | 2012年
またまた長らくのご無沙汰をしてしまいました。

今日は朝から雨雲が立ちこめ、
急に雨が降ったり雷が鳴ったりしていますが、
少し涼しくなりました。

たまにはブログも「手入れ」が必要かと思って開けてみると、
ブログのテンプレートが全く変わっていて焦りました。

2ヵ月以上、更新しないとこういう“お仕置き”があるようです。
せっかくアクセスしてくださった方には
読みづらくて申し訳ありませんでした。
今日、更新することで、以前の見え方に戻るはずです。

ブログをサボっている間にオリンピックが終わり、
パラリンピックが始まりました。

3年前に工事中のオリンピックパークを見学した私としては、
完成した施設も見たかったのですが、
高騰したホテルの宿泊代をどうしようかと迷っている間に、
タイミングを逸してしまいました。

それにしても今回のオリンピックを振り返って痛感するのは、
報道の異常な加熱ぶりです。
新聞の全国紙が「スポーツ紙」に、
テレビやラジオのニュースが「スポーツニュース」になってしまいました。

オリンピックは今や他に類を見ない地球規模の巨大イベントとなり
関連ビジネスも世界市場で強烈な存在感を見せています。
とはいえ、世界はスポーツだけで成り立っているわけではないはずで、
「正しい報道」のあり方とはどうあるべきかと、
何度も考えさせられました。

試合の実況中継では、冷静に伝えなければならないアナウンサーと解説者が
日本選手(チーム)の応援団と化しています。
同じ日本人として気持ちは分かりますが、
試合を客観的に伝えることが、本来の仕事なのではないでしょうか。

試合結果を「優勝、2位、3位」でなく
「金メダル」「銀メダル」「銅メダル」と表現するのも気になります。
かつて「メダル」は二義的表現として使っていました。

最近は、オリンピックだけでなく、
世界選手権やワールドカップなどの世界大会の結果も
メダルの色で伝えるようになっています。

間違いではないのですが、私にはどうしてもスッキリしません。
自分が体験した昔のこととつい比較してモノを言ってしまうのですが、
これを「年寄のタワゴト」―というのかも知れませんね。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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