サッカーのなでしこジャパン世界一から1週間。
選手や監督が各地で大歓迎されている様子が
テレビや新聞で連日、取り上げられています。
私も決勝戦は目覚まし時計をかけて早起きし、
テレビの前で応援しながら試合の行方を見守りました。
開始からしばらくは米国の優勢が明らかでした。
次々に日本ゴールに浴びせられるシュートを見て
これで勝つのは無理ではないかと思いました。
米国選手にしても、まさか自分たちが負けるとは
露ほども考えていなかったことでしょう。
身長も実力も上回る米国選手。
それでも諦めずに執拗に向かっていく小柄な日本選手たち。
“世界一”の米国は自信の裏に慢心があったようです。
そこをつかれた米国選手は
最後には気持ちが折れてしまったのではないかと思います。
2006年11月6日。
なでしこリーグの表彰式。
私は「1部フェアプレー賞」のプレゼンターを務めました。
会場はJFAハウスにあるサッカーミュージアムの
バーチャルスタジアムでした。
「スタジアム」といっても、
屋内の体育館のようなスペースです。
Jリーグは毎年、大勢のサポーターやゲストを招待し、
横浜アリーナで豪華にJリーグの表彰式(Jリーグ・アウォーズ)を
開催しています。
まるでアカデミー賞授賞式のようなセレモニー。
それに比べて何と質素で小規模なのかと
悲しくなったのを覚えています。
その後、毎月発行していたニュースもなくなり、
お金のかからないホームページだけになりました。
そんなことを思い出しながら
テレビ画面の向こうで頑張る選手たちの頑張りに
涙が出ました。
男子に先駆けての世界一。
注目されるあまり、ついに選手にまつわる些細なことが
大きなニュースとなってしまいました。
熊谷選手がプライベートで出席した「合コン」の会話が
ツイッターで“実況中継”され、
日本サッカー協会が注意をしたそうです。
これに対して熊谷選手は気の毒なことに報道陣に
「そういう場にはもう行きません」と答え、
佐々木監督も「私の指導不足です」と語っています。
報道から知る限り、問題とすべき発言や行動が
あったわけではないようです。
したがって、熊谷選手が謝罪する必要もないし、
監督が指導するべき事柄でもありません。
「なでしこ」となると何でも大げさなニュースに仕立てあげるのが今のマスコミ。
協会やスポンサーは、今回の快挙にボーナスを出すそうです。
身銭を切ってサッカーを続けてきた選手たちには朗報ですが、
本当に必要なことは、一時的な注目や手当ではなく、
女子サッカーの普及と振興を長期的な視点に立って
本格的に取り組む姿勢を明確にすることです。
どうか一時的な“ブーム”で終わりませんように。
===========================
三ッ谷 洋子
株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
法政大学スポーツ健康学部教授
スポーツビジネスコンサルタント
スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
選手や監督が各地で大歓迎されている様子が
テレビや新聞で連日、取り上げられています。
私も決勝戦は目覚まし時計をかけて早起きし、
テレビの前で応援しながら試合の行方を見守りました。
開始からしばらくは米国の優勢が明らかでした。
次々に日本ゴールに浴びせられるシュートを見て
これで勝つのは無理ではないかと思いました。
米国選手にしても、まさか自分たちが負けるとは
露ほども考えていなかったことでしょう。
身長も実力も上回る米国選手。
それでも諦めずに執拗に向かっていく小柄な日本選手たち。
“世界一”の米国は自信の裏に慢心があったようです。
そこをつかれた米国選手は
最後には気持ちが折れてしまったのではないかと思います。
2006年11月6日。
なでしこリーグの表彰式。
私は「1部フェアプレー賞」のプレゼンターを務めました。
会場はJFAハウスにあるサッカーミュージアムの
バーチャルスタジアムでした。
「スタジアム」といっても、
屋内の体育館のようなスペースです。
Jリーグは毎年、大勢のサポーターやゲストを招待し、
横浜アリーナで豪華にJリーグの表彰式(Jリーグ・アウォーズ)を
開催しています。
まるでアカデミー賞授賞式のようなセレモニー。
それに比べて何と質素で小規模なのかと
悲しくなったのを覚えています。
その後、毎月発行していたニュースもなくなり、
お金のかからないホームページだけになりました。
そんなことを思い出しながら
テレビ画面の向こうで頑張る選手たちの頑張りに
涙が出ました。
男子に先駆けての世界一。
注目されるあまり、ついに選手にまつわる些細なことが
大きなニュースとなってしまいました。
熊谷選手がプライベートで出席した「合コン」の会話が
ツイッターで“実況中継”され、
日本サッカー協会が注意をしたそうです。
これに対して熊谷選手は気の毒なことに報道陣に
「そういう場にはもう行きません」と答え、
佐々木監督も「私の指導不足です」と語っています。
報道から知る限り、問題とすべき発言や行動が
あったわけではないようです。
したがって、熊谷選手が謝罪する必要もないし、
監督が指導するべき事柄でもありません。
「なでしこ」となると何でも大げさなニュースに仕立てあげるのが今のマスコミ。
協会やスポンサーは、今回の快挙にボーナスを出すそうです。
身銭を切ってサッカーを続けてきた選手たちには朗報ですが、
本当に必要なことは、一時的な注目や手当ではなく、
女子サッカーの普及と振興を長期的な視点に立って
本格的に取り組む姿勢を明確にすることです。
どうか一時的な“ブーム”で終わりませんように。
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三ッ谷 洋子
株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
法政大学スポーツ健康学部教授
スポーツビジネスコンサルタント
スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表