三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

「なでしこ」に必要なこと

2011年07月24日 | 2011年
サッカーのなでしこジャパン世界一から1週間。
選手や監督が各地で大歓迎されている様子が
テレビや新聞で連日、取り上げられています。

私も決勝戦は目覚まし時計をかけて早起きし、
テレビの前で応援しながら試合の行方を見守りました。

開始からしばらくは米国の優勢が明らかでした。
次々に日本ゴールに浴びせられるシュートを見て
これで勝つのは無理ではないかと思いました。

米国選手にしても、まさか自分たちが負けるとは
露ほども考えていなかったことでしょう。

身長も実力も上回る米国選手。
それでも諦めずに執拗に向かっていく小柄な日本選手たち。

“世界一”の米国は自信の裏に慢心があったようです。
そこをつかれた米国選手は
最後には気持ちが折れてしまったのではないかと思います。

2006年11月6日。
なでしこリーグの表彰式。
私は「1部フェアプレー賞」のプレゼンターを務めました。

会場はJFAハウスにあるサッカーミュージアムの
バーチャルスタジアムでした。
「スタジアム」といっても、
屋内の体育館のようなスペースです。

Jリーグは毎年、大勢のサポーターやゲストを招待し、
横浜アリーナで豪華にJリーグの表彰式(Jリーグ・アウォーズ)を
開催しています。

まるでアカデミー賞授賞式のようなセレモニー。
それに比べて何と質素で小規模なのかと
悲しくなったのを覚えています。

その後、毎月発行していたニュースもなくなり、
お金のかからないホームページだけになりました。
そんなことを思い出しながら
テレビ画面の向こうで頑張る選手たちの頑張りに
涙が出ました。

男子に先駆けての世界一。
注目されるあまり、ついに選手にまつわる些細なことが
大きなニュースとなってしまいました。

熊谷選手がプライベートで出席した「合コン」の会話が
ツイッターで“実況中継”され、
日本サッカー協会が注意をしたそうです。

これに対して熊谷選手は気の毒なことに報道陣に
「そういう場にはもう行きません」と答え、
佐々木監督も「私の指導不足です」と語っています。

報道から知る限り、問題とすべき発言や行動が
あったわけではないようです。
したがって、熊谷選手が謝罪する必要もないし、
監督が指導するべき事柄でもありません。

「なでしこ」となると何でも大げさなニュースに仕立てあげるのが今のマスコミ。
協会やスポンサーは、今回の快挙にボーナスを出すそうです。

身銭を切ってサッカーを続けてきた選手たちには朗報ですが、
本当に必要なことは、一時的な注目や手当ではなく、
女子サッカーの普及と振興を長期的な視点に立って
本格的に取り組む姿勢を明確にすることです。

どうか一時的な“ブーム”で終わりませんように。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表



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スポーツ21マーケティング研究会

2011年07月03日 | 2011年
2ヵ月半ぶりにブログにアクセスしようとしたら
IDとパスワードをすっかり忘れていました。

ずっと更新していないにもかかわらず、
今日も100人以上の方がアクセスしてくださり
申し訳ない気持ちです。

長く更新していないため、
また、怪我でもして入院でもしているのではないかと
心配してくださる方もいらっしゃるようですが、
ずっと元気にしています。

「それなら、たまにはブログでも書いてよ」と
いわれそうですね。

ブログを毎日更新している時は、
睡眠時間を削らねばならず
正直かなりキツイ日々でした。

ブログをサボってみても徹夜に近いこともあり、
やっぱり忙しすぎかな、と自戒したりしています。

でも、せっかくブログを開いたので近況を。

先日(6月28日)
久しぶりの「スポーツ21・マーケティング研究会」
第198回例会を開催しました。

講師はJリーグ・アルビレックス新潟の池田弘会長です。
アルビレックスがJ2入りして初めて池田さんにお会いした時
「ようやくJリーグにも本物の経営者が誕生した」と
思ったものです。(以前も書いたようですが。)
この「研究会」では2000年7月に一度、お呼びしています。

その後、池田さんはバスケットボールのbjリーグや
野球独立リーグのBCリーグ立ち上げのキーマンとなられる一方、
クラブはバスケットボール、野球をはじめ
ランニングやモーターレースなど7つのスポーツにひろがる
「総合スポーツクラブ」に成長しました。

「本物の経営者」という私の勘は間違っていませんでした。
池田さんは現在、関東ニュービジネス協議会の会長として
ニュービジネスの企業家も育てられています。

「研究会」は前回同様、法大市ヶ谷キャンパスを会場に
学生も参加して熱気溢れる講演会となりました。

懇親会は一般の社会人と学生が意見交換する場ともなり、
「さび付いた頭には若い人の話が刺激になります」と
古くからの会員にもとても好評です。

「スポーツ21・マーケティング研究会」は
1984年、ロサンゼルスオリンピックの年にスタートしました。
当時の日本には、まだ「スポーツマーケティング」という言葉がなく
「スポーツメディア研究会」という名称でした。

それから2009年3月までの25年間で
「例会」「実戦ゼミ」を合わせると計400回を行いました。

長く続く不況で企業の関心は「今日、儲かりそうなもの」だけに集中する中、
明日や明後日の話題を取り上げても反応は鈍くなりがちでした。

それでも学生を参加させたことで、
「研究会」が再生したように思います。

学生にはスポーツの世界で仕事をする大人たちに接して、
様々なものを吸収して欲しいと願っています。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表





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