三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

監督のコメント

2010年03月04日 | 2010年
このところ不甲斐ない試合が多かったサッカーの日本代表ですが
昨日のアジア杯最終予選はバーレーンに2-0で勝利し、
少しだけ気分が晴れました。

それにしても過去のワールドカップに比べて
日本代表の試合への注目度は高くありませんね。
私はサッカーのプレーについて分析できるほど
ピッチ上のことについては詳しくありません。

そこで一ファンとしてその理由を考えてみました。
一つは試合後の岡田監督のコメントにあるように思います。

もう少し試合の意図について具体的な説明があれば、
たとえ負けた場合でも、
ファンは納得できるのではないでしょうか。

それに気づいたのは、
学生に昔の男子バレーボールの話をしていた時です。
これまでも何度かブログに書きましたが、
ミュンヘンオリンピック(1972年)当時、
私は新聞記者としてバレーボールを担当していました。

男子の全日本チームは松平監督の下、
「目標は金メダル!」と公言して強化に取組んでいました。

当時はソ連や東欧諸国が強く、
国際試合で負けることもありました。
試合が終わって松平監督に感想を求めると、
例えばこんな答えが返ってきました。

「今日は深尾を使ってみたけど、
最初のサーブ、あれは良かったよね」などといいます。
ピンチサーバーで2本サーブを打っただけの新人深尾。

新人をどんな意図で起用し、
どんな収穫があったかを具体的に説明します。

起用した選手がいいとこころが無い場合は、
記者の知らない普段のエピソードを披露することもありました。

マスコミを通して監督から誉められた選手は
自分への監督の評価を知り自信をつけます。

後に、松平さんの「マスコミ操縦術」のしたたかさを
知ることになるのですが、
勝った負けた、だけではないそんなコメントは
記事をまとめる記者にとって
非常にありがたいものでした。

そこでもう一度、
サッカーの岡田監督のコメントを振り返ってみます。
昨日の試合に対するコメントはこうです。

●朝日新聞
「途中から落ち着いてボールが回るようになった。
チャンスで決めないといけない問題はあるが、
2点目を取り、よく頑張ってくれた。
(海外組を加えた)このメンバーが
一番長くやっているので連係が良かった」

●産経新聞
「最後までもう1点を取りにいって
結果を出したのが大きかった。
立ち上がりは、入れ込みすぎて
われわれの良さがでなかったが、
途中から良くなった」

だれでも言える評論家のようなコメントです。
監督としてどんな試合を目指したのか、
その成果があったのか無かったのか。

選手名を出すなどして、もう少し具体的に語ってくれれば、
次の試合を見る楽しみもでてこようというものです。

頭脳派の岡田監督ですから、
出来ないはずはないと思います。
そして、たまには笑顔も見せて欲しいですね。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
 地域づくりアドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
コメント
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