三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

私は私、人は人

2014年12月01日 | 2014年
ブログともすっかりご無沙汰してしまい、
多くの人に心配をかけていたようです。
友人たちは、時々、私のブログ更新を確認して
健康状態をチェックしてくれていたようです。
私は元気にしていますので、今のところご心配なく。

今年の春に退院して以降、自分の生き方を変えるようにしました。
「頑張る私」でなく、「頑張らない私になるために頑張る」ということです。
平日の夜と週末は仕事もメールもやめました。

「小脳出血」という大きな病気なのですが、
心身ともに後遺症が一切なく、外見は以前と全く変わりません。
「ここで頑張ったら、病院に逆戻りして寿命もつきる」と自分に言い聞かせています。

私は昔から尊敬する人がいなかったのですが、
スポーツの仕事を通してバレーボールの松平康隆さんと出会い、
多くの示唆をいただきました。

座右の銘が「負けてたまるか」です。
1972年のミュンヘン五輪の前に同名の単行本を出し、
大会ではタイトルどおり全日本男子チームを率いて、金メダルを取りました。

亡くなった母が松平さんのファンで
「是非、色紙を書いてもらいましょう」というので
渋谷のご自宅に連れて行きました。

母が持参した色紙に「負けてたまるか」の言葉を書かれました。
「世界一になっても、まだこの言葉なのか」と、
私自身は不思議に感じたことを思い出します。

以前、私は歴史家と対談したことがあります。
男はどのように死ねばよいか、というテーマだったように記憶しています。
その方はこんな話をされました。

「日本語には『隠居』という言葉がありますね。
とても便利だと思うんですよ」と言われました。
私は『隠居』なんて考えたこともなかったのですが、
それ以来、「人間は生き方も大事だけれど、死に方も同じくらいに大事だ」と
考えるようになりました。

自分の人生を振り返ってみると「負けてたまるか」は
50歳代までで十分だったように思います。
「勝負」というのは、競う相手があってのことなのです。
今では、人間は60歳を過ぎたら「人と比べないこと」が重要だと思うのです。

走らない、急がない。
私は私。マイペースを大切にする。
以前の私は走って急行電車に乗っていたのですが、
今は急いで急行に乗るようなことはしないようにしました。

以前のように大学の仕事を持ち帰ったり、その他の仕事が遅れても
「死ぬわけでないし」と割り切るようにしています。
極力ITに流されないよう、仕事のペースを抑えています。

どうしてもさばききれない状況なのですが
「命と時間、どちらが大切か」と自問自答します。

私は10歳の頃から、自分の死期について考えていました。
人生のゴールは死です。
これを哲学の先生に話したら
「私の代わりに哲学の授業ができますよ」と言われました。

授業はともかく、すでに鬼籍に入っている同僚も
珍しくない年齢となったことを自覚しつつ、
(誰も知らない)残された時間を意識して
出来ることに取り組む日々です。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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新聞の誤報問題

2014年09月19日 | 2014年
最近は「新聞を読まない人」が多いですね。
若い世代だけかと思ったら、かなり上の年代の人も
「ネットで見られるので、引っ越しついでに配達を中止した」という話も耳にします。
電車の中で新聞を広げる人も見かけなくなりました。

私は貴重な情報源として多くの新聞を読んでいるのですが、
いま新聞論争が起こっているのをご存知でしょうか。
そう、朝日新聞問題です。

8月上旬には、これまで真実だと言い張ってきた「従軍慰安婦」問題は間違っていたと訂正しました。
そもそも「従軍慰安婦」という言葉もないのに、32年間も使ってきて「何を今さら」と思います。
私も読みましたが、どこを探しても謝罪の言葉を見つけることはできませんでした。

さらにお詫びが続いたことに驚きました。
今月11日の木村伊量社長の記者会見です。
政府が福島第一原発の吉田昌郎所長へのヒアリング内容を公表することになり、
慌てて(?)「我が社のスクープは間違いだった」と頭を下げたのです。
吉田所長は、原発からの作業員撤退などとは一度も言っていなかったそうです。

「二の句が継げな」いとは、まさにこのことです。
こんな経緯を私のスタッフに話すと
「朝日は何を目的にそんな記事を書くんでしょうね」との感想です。

以前から、他の新聞に比べて朝日はあまりにも頻繁に訂正記事を出すと思っていたのですが
このような重大問題について「間違えました」の一言で済む訳はありません。
朝日の多くの記事が「日本の正しい報道」として海外に発信されてきたのです。
これによる日本への評価の低下は免れません。

こうした間違いをずっと報道し異議を唱えていた産経新聞が
私の古巣でよかったと、つくづく思います。

私が大学を卒業して産経の記者になった40年ほど前は、
「朝日を読んでいる」というのが“進歩的知識人”の常識でした。
私の実家がとっていた新聞のひとつでもあり、子どものころから読んでいました。

当時「朝日に書いてあった」というと多くの人は信用し、
「朝毎読(ちょうまいよみ)」という呼び方もありました。
朝日に比べて記者の数も給料も少ない産経としては
「少数精鋭」などと半分は自嘲気味に「朝日に追いつけ追い越せ」と頑張ったものです。

松平夫人(バレーボールの松平康隆監督の奥さん)にお会いすると
いつもこういわれます。
「三ッ谷さんは新聞を複数よむようにって、いってたわよね」。
私はマスコミの内部を知るようになって、
「新聞記事は物事の一面しか書けない」と実感していたからです。

朝日は8月に自社の誤報を認めたあとも、
同紙を糾弾する週刊誌の広告や池上彰さんの連載コラムの掲載を拒否したり
(その後、撤回)して右往左往の連続です。

すると昨日、朝刊の最初のページに近い3面に
「朝日新聞に読者のみなさまから Voice特集版 声」というタイトルで、
8本もの「声」が一気に掲載されました。
それまではほとんど紹介されなかったテーマです。

「声」の中には新聞購読を止める人の意見もあり、
これまで紹介された申し訳ていどの投書より幅の広さを感じさせました。

朝日は誤報を認めた後、「お詫び」関連の記事を載せていますが、
私から言わせると分かりにくく目立たないように見えます。
誤報については、外部の有識者による第三者委員会を立ち上げるそうですが、
まだ結果が出ていなくても、新聞社が一丸となってお詫びすべき問題だと思います。

例えば1面の左肩など目立つところに毎日、記事を掲載する方法もあるのではないでしょうか。
「これからは正しい報道をします」と宣言しているものの
「どれが本当に正しい記事なのか」が全く分からなくなりました。

今回の騒動で朝日から産経に変えた読者も多いと聞いています。
私もやめてしまいたいのですが、どんな記事になっていくのか、
その流れも見るべきではないかと思い読み続けています。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
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「スポーツとまちづくり」アドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部)代表
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大切なのは「精神力」でなく「体力」

2014年08月15日 | 2014年
このブログ執筆は回数が少なくなっているのですが、いつもお読みいただきありがとうございます。

暑さがピークのようですが、マスコミは高校野球花盛りですね。
私が注目しているスポーツのひとつであるサッカーはブラジルでのワールドカップが終り、
日本代表のアギーレ新監督が注目されています。

私はいつも「スポーツは勝ったり負けたりする経験を経て強くなっていく」として片付けていますが、
ここでもう一度、ブラジルでのワールドカップ日本代表について少し詳しく考えてみることにしました。

日本代表が決勝トーナメントに進出できなかった理由について、技術の不味さ(あるいは実力を発揮できなかった)や
環境を指摘する人が多いようですが、私は「体力のなさ」が一番の敗因だと思います。

私は過去40年ほど、世界のトップチームや選手の強化システムについて、
欧米で現場を見たり指導者の話を聞いてきました。
その結論は「体力」の大切さです。

「外国選手は練習なんかしていないよ」という話は様々なトップ選手から何度も聞きました。
それでは日本人も、何もやらなくてよいのでしょうか。

日本人と外国人(大まかに白人や黒人など)とは、肉体も精神も違います。
ある日本のスポーツ指導者は「日本人と外国人の間の子どもが増えたらな~」などと、
冗談とも本気とも取れる意見を述べる人もいました。

日本人が得意なスポーツもありますが、人種の特質から見るとこれが正論なのだと思います。
事実、このような選手が少しずつ増えてきているようです。

ここで新聞のコラムを一つ紹介します。
ワールドカップ期間中だったと思いますが、
ロンドン五輪レスリング・フリースタイル66キロ級で24年ぶりに金メダリストとなった
米満達弘選手(自衛隊)が筆者でした。

彼は「長友選手レベルの体力を日本代表の全員が身に付けなければ世界一にはなれない」と指摘していました。
「世界のトップを経験した選手は、やはり体力の大切さがわかるのだな~」と
妙に納得して読んだコラムでした。

スポーツでの体力の必要性について考える時、いつも思い出すのが水泳です。
1970年~1990年代初めまで、女子の水泳はローティーンの世界でした。
社会主義国は禁止薬物のドーピング検査をくぐり抜け、
東ドイツのコーネリア・エンダーなどが世界の頂点に君臨していました。

1992年のバルセロナ五輪平泳ぎ200mで14歳の岩崎恭子選手が優勝し
「今までで一番うれしい」とコメントして大人たちを驚かせました。
当時、ハイティーン選手はすでにオバサン扱いで、選手としては盛りが過ぎたと考えられていました。

ところが今はどうでしょうか?
世界トップの日本選手にはローティーンがいません。
以下は2年前のロンドン五輪競泳で3位までの成績を残した女子選手とその年齢です。

  背泳ぎ100m 3位 寺川 綾(27歳)
  平泳ぎ100m 3位 鈴木聡美(21歳)
  平泳ぎ200m 2位  同上
  バタフライ200m 3位 星奈津美(21歳)  
  400mメドレーリレー 3位 寺川、鈴木、加藤ゆか(25歳)、上田春佳(24歳)

 
皆、20歳以上ですね。
写真で確認していただきたいのですが、ここで強調したいのが彼女たちの体格です。
トレーニングで鍛えた立派な体格が目を引きます。

このように水泳女子のトップ選手の年齢を引き上げたのは、鹿児島の国立鹿屋体育大学です。
インターネットのサイトを見ると1984年設立ですから、ロサンゼルス五輪の年です。

スポーツに優れている学生たちはここのトレーニング施設で筋力を付けたり
体づくりをして世界記録を出すようになったのです。

1972年のミュンヘン五輪平泳ぎ100mで優勝した田口信教さんは
長くこの大学の教授の1人として若者を育てています。

と、まあこんな具合で、私も「体力第一主義」です。
私も大学生の頃、テニス選手として頑張りました。
「あのボールが取れなかったのは、根性不足だった」と反省したこともありますが、
その後、体力や筋力の大切さを知るに至り、今はこう思います。

「ボールが取れなかったのは、根性不足のせいでなく筋力不足のせい。
あの時、ボールを追う練習の時間を減らして、トレーニングをすればよかった…」

日本ではいまだに「根性が大事」などとして精神面のみ注目しがちですが、
スポーツでは体力や筋力がポイントなのです。
これがスポーツにおける私の反省です。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
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マスコミ報道は正しいか?

2014年06月26日 | 2014年
日本の多くのスポーツファンは、サッカー日本代表が
予選で敗退したことでガッカリしていることでしょう。
私は若いころテニスをしていたのですが、
国別対抗戦(デ杯やフェド杯)に日本が負けても
ガッカリする日本人は見たことがありませんでした。

サッカーワールドカップは4年に一度という希少性と
このスポーツの持つ意外性が、人々を熱狂的にしているようです。
日本はJリーグができたことで世界サッカー界の実状を知り、
ワールドカップのアジア代表にもなれたのではないかと思います。

私はJリーグにしても日本代表にしても、
勝ったり負けたりしながら強くなっていくと考えています。
ずっと勝ち続けて強くなることはあり得ません。

人も仕事も同じです。
そんな意味で今回の敗退は残念ではありますが、
これも経験のうちだと思います。

以前も書きましたが、私は新聞に目を通さないと1日が終わりません。
スポーツ新聞は1紙だけで、全国紙や経済紙に目を通しています。
スポーツからモノを見るのでなく、社会や経済、世界情勢などから
スポーツについて考えたいからです。

とはいえ、このところサッカー関連のニュースや試合に釘づけでした。
そこでは日本代表に対する大きすぎる(!)期待を感じました。
「負けてからそんなことを言うなんて」と突っ込まれそうですが、
これはマスコミ報道に対する私のスタンスです。

社会での第一歩が新聞記者だったせいかも知れません。
目下、急に注目されるようになった東京都議会のセクハラ問題も同様です。
女性だからといってみな同じ考えではありませんが、
そもそも「セクハラだ」と報道しているマスコミこそが、男性社会なのです。

その典型の一つが新聞社です。
新聞社に女性部長や取締役は何人いるのですか?
テレビのニュースキャスターはなぜ若い美人ばかりなのですか?

そんな会社が紙面を作り評論家を起用しています。
こうした事実を私たちは絶対に忘れてはなりません。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
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東京オリンピック

2014年05月27日 | 2014年
2020年に東京オリンピック・パラリンピック招致が決まり、
様々なスポーツ施設が話題になっていますね。
中でも注目されているのが神宮外苑にある国立競技場です。

この施設について、最近、2冊の本を読みました。
「国立競技場の100年 明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ」
  後藤健生著 ミネルヴァ書房 2,500円(+税)
「TOKYOオリンピック物語」
  野地秩嘉著 小学館 1,800円(+税)
 
2人の著者については面識がありませんが、
後藤さんはサッカージャーナリストとしてお名前は存じています。
ご著書にも書かれていたように、たまたま国立競技場の歴史を調べたら
「100年だった」ということで、書籍にまとめたそうです。

たいへんな力作だとは思いましたが、
「やっぱりサッカー専門かな」というのが読後感です。
国立競技場の歴史について大事な点は押さえていたものの、
出版を急いだためか、或いはスポーツの専門出版社でないせいか、
ミスが気になりました。

私が気にするのはいろいろありますが、
この本では女性スポーツやサッカーについてです。

「人見絹枝」という女性について。
1928年のアムステルダム五輪で日本女性として初出場しました。
陸上界のスーパースターで800メートルの銀メダリストです。

エピソードに触れているのはよいのですが、
「人見絹枝」の「枝」が「江」という文字と混在しています。

また、最後の「索引」について。
調べる場合にとても便利ですが「事項索引」の項も気になります。
説明文に「2倍ダーシ」「1倍ダーシ」とあるのですが、
私には聞いたことのない単語で意味が分かりません。

また、「アルファベット」の項に
「Jリーグ→日本プロサッカー連盟」とありましたが、違いますよね。
そもそも「Jリーグ」はアルファベットではないし、
名称は「日本プロサッカーリーグ」です。
(本文はちゃんと日本プロサッカーリーグになっていますが。)

現在の国立競技場をメインスタジアムして建て替える案については
後藤さんも反対のようです。
とはいえ、スポーツ施設への理解が浅いと思いました。

この書籍は今年の「ミズノスポーツライター賞」の優秀賞でした。
「最優秀賞」を取れなかったのも仕方ないかな、と思います。
値段もちょっと高すぎのようです。

さて、もう一冊。
「TOKYOオリンピック物語」の著者・野地さんはノンフィクション作家だそうです。
1回目の東京五輪の舞台裏を知る上で、とてもよい書籍だと思いました。

ポスターを製作した亀倉雄策(グラフィックデザイナー)をはじめ、
選手村食堂担当の村上信夫(帝国ホテル料理長)、
五輪記録映画担当の市川崑(映画監督)ほか
日本IBMやセコムなどの企業も出てきます。

責任者はみな若く、オリンピックの経験を活かして
日本のその後の高度成長を支えました。
これを読んで感じたのは、
2020年も若い人材に様々な経験をして欲しいということです。

五輪組織委員会等の理事や役員のトップが発表される度に
年齢と性別を確認していますが、私の理想とは大きく異なり、
トップは年を取り過ぎていて男性ばかり。
こんな現状で、私には納得がいきません。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
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サッカーも野球も

2014年05月23日 | 2014年
このブログもしばらく空白がありましたが、
「また書きたいな~」と思うようになったのは、
やはり自分の考えをより多くの人に知ってほしいからかも知れません。

この気持ちが大きくなったのは、
長い入院期間、文字から遠ざからなければならなかったからのようです。

このところ縁がなかったサッカーも、ずっと興味の対象です。
「サッカーって、いつからメジャーなの?」が、疑問の一つ。
以前も触れましたが、私はJリーグが創設された1991年(平成3年)から
17年間、理事を務めていました。

Jリーグはご存知のように日本初のプロサッカー。
私は一つの競技をバックアップする組織の理事はしません。
ただ、スポーツビジネスコンサルタントとして
「日本初のプロサッカーは勉強にもなる」と思い
理事を引き受けました。

設立当初のサッカーはマイナースポーツのひとつでメジャースポーツはプ野球でした。
組織設立パーティーでは舞台で鏡割りの役までやらされ、
「テヘヘ・・」という感じでした。

Jリーグはお手本をドイツと公言し、
ビジネスモデルの参考はまだありませんでした。
今はヨーロッパのサッカーリーグがお金と力を持っていますが、
当時はまだビジネスと考えていなかったからです。

当初のJリーグは、米国プロスポーツをビジネスの参考にしました。
紹介したのは私でした。
(ちょっと自慢ですが、いまは誰も知りません。)

そんな感じでスタートしたJリーグやサッカーが
日本でもプロ野球と二分するほどの人気を集め、
マスコミも大々的に取り上げるようになりました。

一方、野球はどうでしょうか。
以前のプロ野球は「人気のセ、実力のパ」などといわれ、
高校野球のスーパースターが望んだのはセリーグ、できれば巨人でした。

ところが、いまマスコミに注目されているダルビッシュは日ハム、
マー君は楽天と、いずれもパリーグで活躍していた投手です。
実力だけでなく、人気もパリーグに移ってしまいました。

「背が高くて運動神経のある男の子が欲しいけど、皆サッカーに取られてしまってね~」
これがスポーツ指導者の愚痴です。
以前はサッカーが「野球」を羨んだものです。

私は特に「サッカー好き」という訳でなく、
どんなスポーツにも頑張って欲しいというタイプです。
そんなことで、今はぜひ野球にガンバッテ欲しいのが本心です。
それも、とくにセリーグに。

キーワードはJリーグが掲げる「地域密着」です。
プロ野球もこのキーワードでパリーグがセリーグを逆転しました。
かつてのセリーグの人気チームは
「地域密着」を検討してみてはどうですか?

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       三ッ谷 洋子
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入院生活

2014年05月16日 | 2014年
ブログのテーマは書き尽くしたかと思っていたのですが、
“入院”などという滅多にない経験をしていたので
また、書いてみることにしました。

看護婦さん(本当は「看護師」というそうですが、)からよく言われたのは
「絶対に戻ってこないでくださいね」という言葉です。
私が入院していたのは大きな病院でした。

看護婦さんも日替わりで血圧などを計りに顔を見せてくれます。
リハビリ担当の先生も含めてよく聞かされました。
「見た目が元気だからといって、元の生活に戻ったらダメですよ。
重症なんですからね」

患者が退院してから重要なのは、それまでの日常生活を送れることだそうです。
ひとくちに「日常生活」といっても、人によって全く違います。
特に老化を予防するのは料理や運動、趣味だそうです。
料理は好きなので問題ありませんが、運動と趣味は心がけねばなりません。

病院の同じフロアに私より年長の男性がいました。
私がヒマを持て余して「デイルーム」に入ろうとしたところ、
彼は車椅子で部屋から出ようとしているところでした。

右足の小指を手術で切断し、包帯を巻いていました。
長年の糖尿病の結果だそうです。
エ~ッと驚いたのですが、
彼は「こんなもの大したことありません」といいます。

それから30分以上、話し込んだと思います。
内臓が悪く機能は普通の人の5分の1ほどになり、
医療を施しても元には戻らず、低下を抑えるだけだそうです。

返す言葉も浮かびませんでしたが、
「女房にも聞いてもらえないことを聞いていただき少し楽になりました」と
感謝されてしまいました。

周りを見ると病院には私より重症の人ばかりでした。
退院間際に、また車椅子姿を目にしました。
「体調が安定してくると、人間というのは
もう少し生きてみようと思うものですね」と笑顔でした。

前回は「昔のことばかり思い出すんです」と愚痴をいっていましたが、
この日は前向きの様子を見ることができました。
私にも存在価値はあったかな、とチョット嬉しく感じた思い出です。

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       三ッ谷 洋子
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トシとは

2014年05月13日 | 2014年
昔は、“白髪のお年寄り”を見ると、
私たちより人生を長く生きている分、
知識も知恵もあるはずだと思っていました。

これが間違いだと気付いたのは50歳前後のころだったと思います。
私自身、まだ白髪がない時です。
ある席でご一緒した白髪の女性(多分60歳代?)が
当然、知っているはずと思っていたことを知らなかったのです。

年齢と知識は全く関係ないことを、そのとき知りました。
そして私としては、若い世代をガッカリさせないよう
知識を蓄える努力を続けています。

とうに60歳を過ぎた私の周りには
“白髪の老人”は大勢いるはずなのに、みな黒々とした髪です。
白髪のままの私に「染めたら?」と忠告してくれる人もいますが、
私は自然に生きていきたいので白髪は増える一方です。

さて、前回の続きは「社会的な問題」でしたね。
私はどちらかというと、社会的な出来事に関心があります。
病院で元気になり一番に知りたかったのは
「世の中、何が起こっているか?」ということです。

病室にはカード式のテレビがありましたが、
情報源はラジオと新聞でした。
主に話題になっていたのはSTAP細胞とマレーシア航空機の遭難です。

退院後、STAP細胞は当該の研究者や、
所属する理化学研究所の記者会見などがありました。
研究者(弁護士)や研究所のコメントを知る限り
研究への取り組みはちょっと杜撰のように思います。
結果を問うにはまだまだ時間がかかるのではないでしょうか。

一方、マレーシア航空機の事故については、
韓国のセウォル号沈没や地下鉄事故の話題に
取って代わられてしまいました。

そんなこんなで、マスコミ報道は別として
私自身は興味のあるものについては忘れないことが大切だと痛感しました。

ブログの最初に年齢のことを書きました。
「日本人はトシを気にしすぎる」と外国人に指摘されたりします。

私の普段から年齢を気にしているわけではありませんが、
最近、“高齢の”日本人として思います。
「日本社会は幸せに生きているだろうか」
「日本人の“気にしすぎ”を指摘する外国人は幸せに生きているだろうか」と。

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       三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
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読者に感謝します

2014年04月21日 | 2014年
今年はじめてのブログですね。
このところすっかりご無沙汰しています。
過去のブログに多くのことを書いてしまったので、
さぼっているのが現状ではあります。

時々「書いてみようかな~」とは思うものの
時間がなかったりして忘れている日々です。

久しぶりにチェックしてみたところ、
このブログにアクセスして過去のブログも読んでくださる方がいて、
とても嬉しく思っています。

本業もやめてはいませんが、5年前から大学の専門教員となり
授業やゼミに追われる日々でした。
そしていつの間にかプライベートな時間が無くなっていました。

そんなことに改めて気づかされたのが、今年2月中旬のことでした。
3月末まで入院生活を強いられ、現在、大学は休職中です。
原因は「高血圧」。
「後遺症」がないのが何よりで、リハビリに励む日々です。

私は1年に1回の人間ドックを何事もなくクリアし、元気なつもりでした。
しかし、実際には息子より若い学生たちにとって、
十分に「オバアサン」でもあるのですね。

突然の入院生活では、時間が沢山あったこともあり
反省も含めていろいろ考えました。
若い世代に人に少しだけ参考になるかと思い、
個人的なことについて2点ほどまとめました。

<その1> 60歳を過ぎたら新しい生活スタイルを作る。
60歳になった時、周りに「定年」ということばが飛び交っていました。
私自身、若い世代に負けることなどとは考えもせず、
「まだまだ」という意識でした。
でも、これではダメですね。

私はいわゆる団塊の世代で、現在、66歳です。
世の中には私より上の世代の人たちも頑張っていますが、
社会というものは、若い世代が推し進めることが大切だと思います。

下の世代にバトンタッチする準備を始めるようにして
趣味を作りライフスタイルを変えることが大切だと思います。

<その2> 生き方を示しているのは男性ばかり。
私は入院中、新聞を読んだりラジオを聞いたりしていました。
(通常でもテレビはあまり見ません。)
そこで改めて気づいたのが「日本には女性の先輩がいない」ということです。

私の人生を振り返っても、女性の先輩はほとんどおらず、
自分自身で道を切り開いてきたように思います。
今でも日本は先進諸国の中でも特殊で、「男性主導型社会」になっています。

「人生の最後をどう過ごすか」を考えた時、
先輩の生き方がひとつの参考になるのですが、先輩がいないのです。
「ロールモデルがいない社会」を生き抜くためにどうするか―。
私の大きな課題となっています。

社会的なトラブルもいろいろ気になりましたが、それはまた次回に。

(追伸:最近、ツイッターなどをやっている方からお誘いがあるのですが
基本的には「紙優先」の私ですので、ご理解をお願いします。)

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